No.00105 レッド・インパクト

ジョージアンのレッド・エナメルのマーキーズ・シェイプ・ダイヤモンド・リング 『レッド・インパクト』
ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

イギリス 1820年頃
オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、
ローズカット・ダイヤモンド、ギロッシュエナメル、シルバー&ゴールド(18ctゴールド)
サイズ 15号(ある程度の変更可能)
重量 2.5g
SOLD

たくさんのダイヤモンドが煌めく指輪ですが、それ以上に細工とデザインの魅力が際立つ個性的なジョージアンの指輪です!!♪
印象的なレッド・ギロッシュエナメル、脇から覗くそして美しいシャンク(腕)。特にこのようなエナメルの使い方は、ジョージアンのみならずあらゆる年代の指輪の中でも、見たことがない素晴らしいデザインです!!
実物大
←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります
ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

このジョージアンのマーキーズ・シェイプの指輪には、特筆すべき特徴が2つあります。

1つ目が、中央と外周に並べられたダイヤモンドの間に施された、赤のギロッシュエナメルです。この印象的な赤のラインにより、バランス良いマーキーズ・シェイプのフォルムが引き立っているのです!!!♪

このような印象的なエナメル使いはジョージアンのみならず、あらゆる年代の指輪でも見たことがない素晴らしいデザインです。まさに時代を超えたセンス良さを感じるものですが、容易にできる細工ではありません。

エナメルを施すには炉に入れて高熱を加える訳ですから、まず最初にエナメルを施しておかなければならないのです。シャンクの取付や石のセットなどはその後です。余程高度な技術を持った職人でなければ作れないデザインの指輪なのです!!!

ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

この指輪の2つ目の特徴が、指の際から覗く美しいシャンクです!!♪

ジョージアンの優れた指輪は、シャンクに繊細な模様を彫ってあるのが通常なのですが、この指輪のデザインと作りは全く違います!!シャンクには、アルファベットの「C」のようなパーツを含めて、いくつかのパーツが蝋付されているように見えますでしょうか?

ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

表からだと蝋付して作ったように見えるシャンクですが、裏側から見ると、すべてのシャンクが一体になっており、1枚の金の板から作られていることが解ります!!!

ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

金の板からタガネで切り出すか、もしくは糸鋸で挽いて大元の形を作り、端部のバリをヤスリで丹念に削り落とし、磨いて仕上げてあるのです!!!!

こんな手間のかかる作業をするより、蝋付して作った方が楽なのですが、蝋付の場合、長く使うと接合部の耐久性に問題が生じてくるため、わざわざこのような手間のかかる方法で作っているのです。

別々に作ったパーツを蝋付けしたように見えるのは、高度な技術を持った職人による、完成度の高い仕上げがなせる技なのです!!

ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング

シャンクの根元には、正方形のフレームにセットされたダイヤモンドが蝋付されています。この正方形のフレームはフラット直方体ではなく、少し凸型に丸みを帯びた形状です。さらに、ダイヤモンドを留めた爪を含めて平らに磨いてあります。また、その他のすべての部分のエッジが丸く仕上げてあります。見た目の自然な美しさだけでなく、着用した時に衣服の繊維などに引っかからないような配慮なのです。このような徹底した気遣いが、実にハイレベルのアンティークらしい仕上げです。

側面

シャンク中程から後部にかけて彫られている溝が、この指輪にさらにキリッとした印象を与えています!♪こういう一見気付かないような、でもイメージに大きな影響を与える「ちょっとしたセンスの良さを感じる細工」がしてあるかどうかが、全体として美しく感じるかの要なのです!!

ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング
僕はジョージアンの指輪でも、このような個性的でしかも美しいデザインのシャンクを持つ指輪は、滅多に出会う物ではないと思っています!!こういうシャンクの指輪は、指にはめて斜め横から見た時に、やっぱりこれは良い指輪だと感じるものなのです!!
ジョージアン マーキーズ・シェイプ リング
この指輪のように、約200年も前に作られたにも関わらず、どこかモダンな雰囲気を感じさせるデザインの指輪は、唯腕が良いだけの職人では作れません!!!
アーティストとしてのデザインセンスを持った職人でなければ作り得ず、そういう職人は極めて少ないのです。

優れた作りのアンティークジュエリーはあっても、さらに時代を先取りしたような斬新なデザインまで兼ね備えたアンティークジュエリーが極めて少ないのは当然のことなのです!!!!
ベゼル裏 ベゼル裏

ベゼルの裏に放射状の線が彫ってあるのもジョージアンの特徴です。2つの凹みが何かは、今のところ解っておりません。何らかの理由があって、制作中に付けられたのかも知れないと考えています。このような痕は、後世に何らかの作り替えが施されるなどして生じる場合がありますが、シャンク接合部を見るとおかしな作業の痕跡はなく、当時のオリジナルのものなのです。

西洋の指輪は縦長の指輪が多く、指が長い西洋人には好まれるようなのですが、日本人の指には難しいデザインが多いです。

このマーキーズシェイプの指輪は、縦に長すぎず程よいフォルムなので、日本人にも使いやすいと思います♪