No.00207 ストライプ

エドワーディアンのストライプの天然真珠&ダイヤモンドのアンティーク・ペンダント

宝物を詰め込んで贈る、プレゼントの四角いボックスのような・・
天然真珠とオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドを贅沢に使用した、ワクワクする華やかでセンス良いデザインのネックレスです♪

 

エドワーディアン ストライプ 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティークジュエリー エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント
←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

『ストライプ』
エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント

イギリス 1910年頃
天然真珠、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、プラチナ&ゴールド
ペンダント本体 3cm×1,8cm
チェーンの長さ 48cm
チェーンを含む重量 3.4g
SOLD

天然真珠、ダイヤモンド、プラチナというシンプルな素材の組み合わせながら、それぞれの特徴を最大限生かした作りと、それぞれが高め合う計算しつくされた素晴らしいデザインによって、さりげないながらも超上質なジュエリーに仕上がった、見事な作品です。

 

時代が移り変わる過渡期のジュエリー

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

菱形のフレームにストライプ状に並べられた天然真珠とオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドのデザインは、アールデコを思わせるシャープでスタイリッシュなデザインですが、横から見るとエドワーディアンのジュエリーであることが分かります。

ロシアン・アヴァンギャルド リング アンティーク ルビー サファイア ダイヤモンド『ロシアン・アヴァンギャルド』
ルビー&サファイア リング
ロシア 1910年頃
SOLD

左の『ロシアン・アヴァンギャルド』でも見られる通り、時代が移り変わる時は、世の中全体が不思議なエネルギーに満ちあふれています。

欧米では1960年代がアヴァンギャルド全盛期でしたが、左のロシアの作品は時代を先取りした、ロシア革命以前のアヴァンギャルドな作品です。

エドワーディアン 天然真珠 ネックレス アンティークジュエリー ボタンパール『Quadrangle』-四角形-
オーストリア? 1910年頃
SOLD

左の作品も、やはりエドワーディアンの作品ではありながらも、次の時代のアールデコを先取りしたようなスタイリッシュなデザインでした。

作りはエドワーディアンらしい優れた作りでありながら、さらに次の時代を思わせる、特に優れた先進的なデザインがみられるのも過渡期のジュエリーの魅力です。

過渡期のジュエリーは感覚的に、非常に魅力を感じるものが多いです。

プラチナの魅力を生かすための計算されたデザイン

エドワーディアン カリブレカット ルビー ダイヤモンド 天然真珠 月桂樹 アンティークジュエリー ペンダント ブローチ『永遠の愛』
エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ
フランス? 1910年頃
¥1,220,000-(税込10%)

プラチナがようやく一般のジュエリー市場に出てきたばかりのエドワーディアン・ジュエリーの魅力の1つが、プラチナのミルワークです。

緻密に打たれたミルは、プラチナの白さに繊細な輝きを与え、ジュエリー全体の魅力を惹き立ててくれます。

エドワーディアンと言えば洗練された繊細な美しさが魅力ですが、その要因の1つがこのプラチナのミルワークにあります。

左の作品にも、月桂樹の茎やリボンからダイヤモンドを下げるパーツ以外には全て美しいミルが打たれていますね。

エドワーディアンの天然真珠(ボタンパール)&ダイヤモンドのスタイリッシュなアンティークネックレス

一方で、過渡期ジュエリーである『Quadrangle』を見てみると、全てにミルが打たれているわけではありません。二重の菱形になった右側のパーツと、その下に下がったナイフエッジのパーツはミルを打たず、プラチナのフラットな面になっています。

エドワーディアン ダイヤモンドリング
【参考】ジャンクの『エドワーディアン ダイヤモンド・リング』

上の2点のエドワーディアンリングは、ヘリテイジでは扱わないレベルのものです。爪が目立つなどの雑な作りは置いておくとして、ダイヤモンドを留めるプラチナのフレームに一切ミルが打たれていないことにご注目下さい。ミルの有無で全体の印象が全く変わることがお分かり頂けますでしょうか。

これらのジャンク品については、デザインのためにミルを打たなかったのではなく、明らかに作業の手間や工賃を惜しんだことによる低レベルな作りによるものです。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント

この作品は『Quadrangle』同様、ミルを打つ部分のフラットな面にした部分があり、明らかに表現を使い分けていることが分かります。四角形のフレームはフラットですが、ダイヤモンドの覆輪には全てエドワーディアンらしいミルが打たれています。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント

このプラチナの表現は、デザイン的にスタイリッシュな印象になる というだけにとどまりません。

実は実際に人が身につけて、動く時にこ真価が発揮されます。

フラットな面から放たれる白いプラチナの強い輝きの魅力

プラチナは強靱で変色しない、白く輝き続ける画期的な金属でした。

ミルを打って繊細に輝かせるのが、プラチナという素材を生かす1つの方法です。もう1つが、フラットな面にして特定の角度になった時だけ全反射させ、瞬間的に白く強い光を放たせる方法です。

天然真珠&プラチナ スーパー ロングチェーン アンティーク『DECO LUXURY』
天然真珠&プラチナ スーパーロング チェーン
イギリス 1920年代
SOLD

フラットなプラチナの全反射による強い輝きの魅力を生かす技法は、天然真珠&プラチナのソートワールで見ることができます。

天然真珠&プラチナ スーパー ロングチェーン アンティーク
ご覧の通り、プラチナのパーツは意図的にフラットな面に仕上げて表面が綺麗に磨かれているため、実際に身に着けると随所から強い煌めきが放たれます。このソートワールが作られた時代はダイヤモンドよりも天然真珠が高値で取引されていた時代ですが、ダイヤモンドの輝きなんて不要なくらい、驚くほど美しく煌めいていました。
天然真珠&プラチナ スーパー ロングチェーン アンティークジュエリー天然真珠プラチナ・ソートワール
ヨーロッパ 1920年頃
チェーンの長さ60cm
SOLD

このようなプラチナの使い方は、プラチナが超高価だった時代においては相当コストがかかるため、天然真珠&プラチナのソートワールの中でもハイレベルの物にしか見ることができません。

過去には左の作品でも見ることができました。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク
この画像だと、フラットなプラチナ・パーツの角度によって光の反射具合が全然違うことが分かりやすいでしょうか。殆ど反射していない左から2つめのパーツは黒っぽいですし、ほぼ全反射している一番右端のパーツはほぼ白です。意図的に計算してフラットな面に仕上げているのは間違いありません。
エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

実際、本作品も角度によって四角のプラチナフレーム全面が全反射します。これだけの大きな面積があるので、全反射の瞬間はかなり存在感があります。普段は天然真珠とダイヤモンドの気品ある優しい表情のジュエリーなのに、突然ある瞬間にだけこれだけの存在感を放つことができるというのは、他の作品にはない非常に優れた魅力です。

天然真珠でストライプを表現するということの凄さ

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント

こういう時代の最先端のデザインのハイクラス・ジュエリーに100%言えるのは、デザイン、材質、技術の三拍子がすべて揃っているということです。

天然真珠とダイヤモンドで斜めストライプを表現した、時代を超えた抜群のセンスを感じるデザインですが、これを実現することがいかに難しいことかご想像いただけるでしょうか。

天然真珠ペンダント 古代ギリシャ戦しの兜 ヘルメット アンティークジュエリー ルネサンス 古代ギリシャの戦士

『古代ギリシャ戦士の兜』
大型天然真珠のペンダント
イギリス 1870年頃
SOLD

海の中で母貝によって偶然に作り出される天然真珠は、規格で作られる量産品の養殖真珠とは違って、1つとして全く同じものはありません。

アンティークジュエリーにおいては、偶然得られた天然真珠の色や形にインスピレーションを受けてアーティスティックな作品を作るのが、ハイジュエリーを作るときの1つのやり方です。

一方で小さいとは言え、同じような大きさと照り艶、色の真珠を15個も揃えるのはかなり大変なことです。

養殖真珠ですら、選別や染み抜き前は殆どのものに色や形にムラがあります。知られざる良いものとなった現代では、アンティークジュエリーは実際の価値からするとあり得ないほど安い価格ですが、まともに作ろうと思えば最低でも桁が1桁上がります。古い時代は価値を理解し、豊富な財力でお金を出せる王侯貴族が存在しました。でも、今は真面目に作っても高すぎると言って買ってもらえず、そうするとジュエリー制作者側は生活ができません。

あこや養殖真珠 "Akoya peari" ©MASAYUKI KATO(17 February 2011)/Adapted/CC BY 3.0

養殖真珠にそれぞれに個性があっても、それを生かすような手間なんてかけることはできないのです。だからドバっとまとめて薬液に漬け、脱色して染色して個性を無くし、量産の工業製品の材料として相応しいものに仕立て上げるのです。特に日本人は異常なほど工業製品には無個性、ハイスペックさを求めるので、本来は個性を楽しむ芸術品であるはずのジュエリーも驚くほどつまらないものばかりになってしまいました。

作る側の問題以上に、消費者の意識に問題があるのです。天然素材で完璧なものが欲しいならば、それに見合う報酬と時間を制作者に提供しなければなりません。こうしてアンティークジュエリーのような優れた芸術作品は作られなくなってしまったのです。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

大きさを揃えてカットすることが可能なダイヤモンドと違って、天然素材を使ってよくぞここまで真珠を揃えたものだと驚くばかりです。

でも、単に材料を手に入れる凄さにとどまりません。

ここまで揃った印象なのは、優れた細工技術もあってこそです。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

正面から見ると真円に見える天然真珠ですが、この角度で見ると、いずれも個性あるボタンパールであることが分かります。トップの一番大きな真珠はわざわざ完全な真円真珠が使ってあり、それはこのペンダントがいかに高級なジュエリーとして作られたかを示すものです。

ダイヤモンドのセッティングの魅力

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

バチカン部分の一番大きなダイヤモンドにもご注目ください。セットされたフレームがオールプラチナであることがお分かりいただけますでしょうか。横からだと周囲のゴールドの色を反映して若干分かりにくいのですが、裏側を見るとやはりオールプラチナであることが分かります。

裏

これまでにいくつもエドワーディアンのハイジュエリーを扱ってきましたが、こんな作りは初めて見るものです。

ジョージアン ダイヤモンド ステップカット エメラルドカット ブローチ アンティーク・ジュエリー『ダイヤモンド・アート』
ジョージアン ダイヤモンド ブローチ
イギリス 1830年頃
SOLD

古い時代もシルバーよりゴールドの方が高級素材です。

でも、左のように贅沢にダイヤモンドを使うような超高級品でも、ダイヤモンドのセッティングはシルバーです。

グリフィン 約2カラットのオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド ブローチ アンティーク・ジュエリー『財宝の守り神』
約2ctのダイヤモンド ブローチ
フランス 1870年頃
SOLD
斜め上
シルバーにゴールドを貼り合わせてゴールドバックにはしますが、あくまでも表面から見えるのはシルバーです。

もちろん材料費をケチったわけではありません。クリアな宝石であるダイヤモンドは、ゴールドでセッティングするとゴールドの色を反映して黄色っぽく見えてしまいます。

だからこそ、ゴールドより安い素材であっても白い金属であるシルバーでセッティングするのです。シルバーは使用していると硫化して表面が黒ずみ、洋服などを汚してしまうため、ハイクラスのジュエリーの場合はわざわざ裏側に材料費と手間をかけてゴールドを貼り合わせているのです。

裏 エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

この作品の場合、当時プラチナはゴールドよりはるかに高価な素材です。オールプラチナでフレームを作るということは、大きなダイヤモンドに少しでもゴールドの色味を反映させたくなかったから以外に考えられません。だからこそ、一番大きなオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドは、通常のエドワーディアンの作品にはないクリアで美しい輝きとなっているのです。ここまで徹底するのかと驚くばかりです。

拡大 2石の天然真珠の奥から放たれるダイヤモンドのクリアな輝きは、存在感ある美しいものです。
エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

ストライプに使われたダイヤモンドも、とても小さいにも関わらずすべてローズカットではなくオールドヨーロピアンカットです。

かなりクリーンで輝きの強い上質な石が使われているので、小さいながらもたくさんの煌めきを放って非常に華やかです。

ミル ミルも一つ一つの頭が奇麗な円形に仕上げられた完璧な細工で、作品に繊細かつ完成度の高さを感じる要因になっています。

それぞれ高さに差を付けたセッティングの効果

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント

斜めから見ると、天然真珠とダイヤモンドのセッティングにかなり高低差が付けられていることが分かります。扁平なセッティングをした場合と比べてデザイン的にも魅力があるのですが、高さの差があるからこそ、正面から見た時にもそれぞれの素材が惹き立て合い、調和のとれた輝きを放っているのです。

柔らかい天然真珠の輝き。その奥から見えるダイヤモンドの繊細かつ鋭い煌めき。そしてプラチナのミルから放たれる繊細な輝きと、四角のフレームから放たれる全反射の存在感あるプラチナの強く白い煌めき。それぞれの素材の特徴が最大限に生かされ、惹き立て合う計算しつくされた見事な作品と言えます。

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント アンティーク

一見シンプルな素材とデザインなのに、驚くほど緻密な計算の上で作られた素晴らしいジュエリーなのです。

さりげないのに実はすごい、これこそが本当のお金持ちのエレガントです。

これが成金の「あたし凄いでしょ、お金持ちでしょ」と言う感じの、主張の激しい押しつけがましいジュエリーとの違いです。

裏側まで美しい作り

裏 大きなダイヤモンドを除いて、裏がゴールドの美しい輝きなのもエドワーディアンの証ですし、アールデコと違って完全に100年経っていることが分かるのも魅力です。

この完成度の高い作りと仕上げの良さを見ていると、ヨーロッパ全体のベルエポック(良き時代)に作られた物なんだなとつくづく思います。

 

エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント
←↑実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

付いているチェーンはアンティークではない48cmのゴールドチェーンです。構造上、チェーンは加工しないと取り外しできません。チェーンを現代のプラチナチェーンに変えることも可能ですが、ゴールドバックのエドワーディアンにはゴールドチェーンでも違和感はないと思います。

長めのチェーンなので、肌の上というよりは洋服の上からのコーディネートのなると思います。ストライプの透かしが魅力のデザインなので、それを生かすためにもこのくらいの長さで洋服の上からつけるコーディネートが栄えると思います。

きっと、元の持ち主はそういう好みだったのでしょう。もちろん加工して使いたい場合は対応いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。