No.00209 愛を届ける翼

キューピッドの翼 ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー 天然真珠 ルビー
アンティークジュエリーのパイオニア、この道43年のGENも気に入りすぎて思わずイメージビジュアル作成に熱がこもった、ウイング・ブローチの傑作です♪

 

キューピッドの翼 ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー 天然真珠 ルビー
実物大

ウイング ブローチ
イギリス 1880年頃
天然真珠、ルビー、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ローズカット・ダイヤモンド、18ctゴールド、シルバー
1,1cm×5cm
重量 6,4g
SOLD

デザインと作りを兼ね備えた、ウイング・ブローチの傑作と言える作品です。小ぶりで現代でも普段使いしやすいサイズな上、立体的に表現された翼という動きを感じるデザインなので、いろいろな付け方を楽しめるのも魅力です♪

←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小の比率が分かります。

王侯貴族の恋愛のために発明されたもの

扇 アンティーク フランス 紳士と淑女 貴族
『紳士と淑女』

フランス 1870年頃
¥ 380,000-(税込8%)

王侯貴族の社交では、恋愛は超重要なものでした。

淑女が紳士に様々なメッセージを送るために扇言葉が編み出されましたし、それを美しく伝えるための優雅な扇も王侯貴族のために制作されました。

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

一方でジュエリーに意味を込めて、愛の証として贈ることもあります。

相手に愛を示すために編み出された様々な様式が各時代に存在します。

実はこのブローチも、ただの美しい翼ではなく愛の証として制作された作品なのです。

<美しいジュエリーによる様々な愛の証>

秘密のメッセージを伝える 〜アクロスティック・ジュエリー〜

マリー・アントワネット フランス王妃

宝石の頭文字で秘密のメッセージを伝えるアクロスティック・ジュエリーは、ご存じの方も多いでしょうか。

当時のファッションリーダーだったマリー・アントワネットが、ジュエリー・デザイナーのジャン=バティスト・メレリオ(1765-1850)と共に編み出したと言われています。

最初に制作されたは、フランス語で「大好き」を伝える"J'adore"(大好き)のリングでした。

ナポレオン・ボナパルトもこのジュエリーが好きで妻たちにも贈っていたそうですが、ジョゼフィーヌには婚約指輪としてトワエモア・リングも贈っていますね。

フランス王妃マリー・アントワネット(1755-1793)
宝石言葉による秘密のメッセージが籠もったジョージアンのREGARD(敬愛)ロケット・ペンダント ジョージアン リガード パイナップル REGARD ロケット・ペンダント アクロスティックジュエリー アンティークジュエリー
『REGARD』-豊穣の葡萄-
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント
イギリス 1820年頃
SOLD
『REGARD』-富のパイナップル-
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント
イギリス 1820年頃
SOLD

アクロスティック・ジュエリーはイギリスでもジョージアン時代に人気を博し、ヴィクトリアン時代に大流行しています。秘密のメッセージは2人にしか分からない個人的で解釈不能な場合も多々ありますが、代表的な言葉としては『REGARD(敬愛)』や『ADORE(敬愛)』が存在します。

上のジョージアンのロケットペンダントはどちらもハート型のREGARDですが、決まった型の範囲内でそれぞれに個性を出していることが分かると思います。右はモチーフとしてパイナップルが使われており、この時代らしいですよね。

これは委託販売だったのですが、GENがパイナップルと言ったら、持ってきたお客様がこれはアザミだと主張されていました。当時の文化を知り、理解できていないとアンティークジュエリーの真の価値は理解できないんですよね。昔の日本人にとってはバナナも高級フルーツでしたが、今では安いフルーツというイメージになっています。パイナップルも現代日本では驚くほど買えるので、現代の常識や感覚だけで考えると「パイナップルなんかじゃないっ!」と言ってしまうでしょうね。

理解してもらえないと相応しい愛され方を持ち主にしてもらえないので、私は今後もありったけカタログに説明を書きます(笑)

愛の錠前 〜パドルロック〜

摂政皇太子として有名なイギリス王ジョージ4世の若い頃

イングランド1のジェントルマンと言われるほど魅力と教養に溢れ、たくさんの女性との恋愛でも有名なジョージ4世が活躍した時代に編み出されたのがパドルロックです。

南京錠技術の発達とタイミングが合ったことで、当時の優れた金細工職人の技術で作られたのが、錠前の形をしたパドルロック・ジュエリーです。

錠前でロックする強い愛を示しています。

イギリス国王ジョージ4世(18-20歳頃)
パドルロック キャッツアイ アンティークジュエリー パドルロック ルビー アンティークジュエリー パドルロック ガーネット アンティークジュエリー
『愛の錠前』
パドルロック ペンダント
イギリス 19世紀中期
SOLD
『愛の錠前』
パドルロック ペンダント
イギリス 1850年頃
SOLD
『愛の錠前』
パドルロック ペンダント
イギリス 1850年頃
SOLD

ヴィクトリアン後期になるとジュエリーの大衆化が進んで、低レベルのジュエリーも多くなります。ファッションリーダーである王侯貴族の文化が民衆にも浸透していくことで、同じ系統のジュエリーでも全然レベルが違うものが手作りながらも大量生産されていくのですが、過去に扱ったパドルロックを並べてみました。

さすがにヴィクトリアン初期〜中期くらいまでの、王侯貴族のオーダーによるパドルロックはいずれも作り、デザイン共に素晴らしいです。そして、同じスタイルでも宝石やちょっとしたデザインの違いで、かなり雰囲気が変わることも分かります。

愛を表す色として赤系統のルビーやガーネットを使うのは定番ですが、キャッツアイが相応しい女性とはどんな方だったのでしょうね。しかもキャッツアイの周りには贅沢にダイヤモンドが輝いています。知性と美しさを兼ね備えた魅惑の女性を想像してワクワクしてしまいます。

スタイルがある中でも、このように個性に合わせてバリエーションがあるのが楽しいジュエリーです。ジュエリーの数だけ、それぞれの男女にとっての大切な愛があるのです♪

愛しています、忘れないで 〜勿忘草をくわえる鳩〜

わすれな草 ペルジャンターコイズ トルコ石 リング アンティークジュエリー

ヴィクトリアンには可憐で青い勿忘草をペルジャンターコイズで表現したジュエリーも流行しています。

勿忘草自体、「愛しています、ずっと私を忘れないで下さい」という愛の証のジュエリーで、左のようなリングを始めとして様々なジュエリーにモチーフとして使われています。

その勿忘草をくわえた鳩のブローチも、典型的な愛を伝えるジュエリーです。

『FORGET ME NOT』
忘れな草 トルコ石 リング
イギリス 1880年頃
SOLD
忘れな草をくわえる鳩 ゴールドブローチ アンティークジュエリー 忘れな草をくわえる鳩 ブローチ シルバー アンティークジュエリー
『勿忘草をくわえる鳩』
鳩 ゴールド ブローチ
イギリス 1830年〜1840年頃
SOLD
『勿忘草をくわえる鳩』
鳩 シルバー ブローチ
イギリス 1840年頃
SOLD
忘れな草をくわえる鳩 ゴールドブローチ アンティークジュエリー 大英博物館 忘れな草をくわえる鳩 ゴールドブローチ アンティークジュエリー 大英博物館
【参考】大英博物館蔵のブローチ 【参考】大英博物館蔵のブローチ

鳥と花のモチーフと聞くと、その組み合わせだけでもう何を作っても美しくなりそうなものですが、生き物をジュエリーで表現するのがいかに難しいかが分かる例ですね。

左の飛びそうにない鳩ももちろんヘリテイジでは扱わないレベルですが、上の2つの大英博物館蔵も扱えるレベルではありません。

上左はコンディションが問題です。

いかにヘリテイジが厳選した上質な物を扱っているかがお分かりいただけますでしょうか。

【参考】扱わないレベルのブローチ
忘れな草をくわえる鳩 ゴールドブローチ アンティークジュエリー 大英博物館

左の大英博物館蔵も、お金をかけて作られた物であることは分かりますが、トルコ石がウジャウジャしていてデザインにセンスの良さが感じられないので扱わないレベルです。

日本人の名家の知り合いにも、「保管の問題や継ぐ人がいないという理由で美術館に寄贈したいけれど、数も多いし展示物としては見応えがない、美術館には向かない細かいものをどうしようか困っている」と話す人がいたりします。

美術館はやたらめったら寄贈されても困るんですよね。受け取っても展示されず倉庫に封印されます。

特にジュエリーに関しては今でも使って楽しめるので、ヘリテイジが扱っている品物の方が美術館より優れていることが多々あるのです。特に19世紀以降のジュエリーはそうです。

古い時代、特にルネサンス期の優れたエナメルなどは、一般人が見ることのできるのは美術館くらいなので、見に行く価値があります。

【参考】大英博物館蔵のブローチ

あなたの虜です 〜ウィッチズハート〜

ウィッチーズハート(魔女のハート) ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー クリスティーズ ウィッチズハート ギロッシュエナメル ブローチ アンティークジュエリー ヴィクトリアン
『Bewitched』
イギリス 1880年頃
¥680,000-(税込8%)
【参考】ウィッチズハート
イギリス 1890年頃
2006年にクリスティーズに出品
ウィッチズハート(魔女のハート) ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー マザーオブパール ルビー

ハートの一番下を左右どちらかに捻った形のウィッチズハートも典型的な愛の証です。

魔女のハートと言う名称のこのジュエリーに込められた意味は"Bewitched"です。

「まるで魔法をかけられたかのように、貴方の魅力の虜です!!♪」という愛のメッセージです。

愛らしい見た目と分かりやすさもあって、ヴィクトリアン後期に大流行したらしく、低レベルのものもたくさん作られています。

そういう現代でも作ることができるレベルのアンティークジュエリーはヘリテイジでは扱いません。2人の愛にとっては価値あるものだったのでしょうけれど、それらはもう役割を終えています。

王侯貴族の特別なオーダーで作られた優れたジュエリーは美術品としての価値があるので、特別な2人ための役割を終えても遺していきます。

ウイッチズハート ペンダント
イギリス 1890年頃
SOLD

2つの魂を1つに 〜Toi et Moi〜

トワエモア『貴方と私』 リング アンティーク・ジュエリー 天然真珠 ダイヤモンド 婚約指輪
『Toi et Moi』
エドワーディアン(ベルエポック)トワエモア リング
フランスもしくはイギリス 1910年頃
¥880,000-(税込8%)

Toi et Moi
あなたと私

あなたと私を表現する同じ大きさの宝石をクロスオーバーさせたリングです。

トワエモア『貴方と私』 リング アンティーク・ジュエリー ダイヤモンド 婚約指輪 トワエモア『貴方と私』 リング アンティーク・ジュエリー 天然真珠 ダイヤモンド 婚約指輪
トワエモア エンゲージリング
フランス 1910年頃
SOLD
トワエモア エンゲージリング
フランス 1900年〜1910年頃
SOLD

「2つの魂が1つになる」、つまり結婚してくださいという婚約指輪ですね。まだお金がない軍人だった1796年にナポレオンがジョゼフィーヌに、サファイアとダイヤモンドのトワエモアリングを贈っていますが、特に流行したのはフランスのベルエポックとイギリスのエドワーディアン頃です。

<象徴主義の時代を反映したラブ・ジュエリー>

ウイング・ブローチ

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

この翼を模したスタイルのジュエリーは1880年頃に流行しています。

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー 天然真珠 ダイヤモンド ハート ピンクトルマリン 天然真珠 ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
天然真珠&ダイヤモンド ウイング ブローチ
イギリス 1880年頃
SOLD
ピンクトルマリン&天然真珠 ウイング ブローチ
フランス 1880年頃
SOLD

左はハートをかたどった非常に凝った作りですし、右はピンクトルマリンという如何にも愛を示す美しいピンク色の石を使っています。
これらのウイングブローチがラブジュエリーであることは一目瞭然ですが、一体何を表しているのかすぐに分かりますか?

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
GENが以前に制作したイメージビジュアルに答えは載っていますが、これはキューピッドの翼です。言われれば納得できますが、ちょっと分かりにくいですよね。西洋美術史に詳しい方ならばご存じだと思いますが、ウイングブローチが作られた時代はちょうど象徴主義が流行った時代です。

象徴主義

ギュスターヴ・モロー 象徴主義

象徴主義とは、1870年頃に起こった特定の文学運動および芸術運動などを総称する名称ですが、絵画においてはこの時代、印象派と平行して象徴主義派が存在しました。

人間の内面や夢、神秘性などを象徴的に表現しようとするのが象徴主義派で、その先駆者であり代表的な画家がギュスターヴ・モローです。

ギュスターヴ・モロー(1826-1898年)ギュスターヴ・モロー美術館蔵
ギュスターヴ・モロー 象徴主義 オイディプスとスフィンクス 出現 サロメ 聖ヨハネ ギュスターヴ・モロー 象徴主義
『オイディプスとスフィンクス』(1864年)メトロポリタン美術館蔵 『出現』(1876年)ギュスターヴ・モロー美術館蔵

モローの作品は何となくでも見たことがある方は多いと思います。左の絵については、モローはスフィンクスを若い女の姿で表現し、伝統的な物語を「男」と「女」の葛藤として描き出したほ表されています。

右はモローの最高傑作であり、傑作中の傑作と賞される『出現』です。モローが50歳の時に制作し、1876年にサロンに出品して賛否両論を巻き起こした、聖書の一場面を描いた作品です。

サロメがヘロデ王の前で踊り、その褒美として洗礼者ヨハネの首を求めたとされる場面ですが、斬首された聖ヨハネの首をサロメの目の前に出現させるという、非常に象徴的かつ幻想的な表現がなされています。

墓堀りの死 カルロス・シュヴァーベ 印象主義

Wikipediaの象徴主義の項目で出てくるのは、カルロス・シュヴァーベによるこの『墓堀りの死』です。

毎日を精一杯に仕事をして生きる中、訪れる突然の死。

それは悲しみでもなく、嫌なものでもなく・・。

『死』への畏れ、畏敬の念のようなものが象徴的かつ美しく表現されており、強い感銘を受ける作品です。

『墓堀りの死』カルロス・シュヴァーベ(1866-1926年)

キューピッドが愛の矢を射に来たことを告げるウイング

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
同時代の象徴主義派の表現手法が分かれば、このウイングが意味する所も一目瞭然ですよね。
矢を射るキューピッド

キューピッドが空を舞い、あなたに愛の矢を射るためにやってきたのです。

大好きです。

矢を射るキューピッド

どうか愛の矢に撃たれて、あなたも僕のことを好きになってください。

キューピッドの矢 ジャボットピン アロー アンティークジュエリー

同時代に、キューピッドの矢の方を模したラブ・ジュエリーも存在します。

こちらは可愛らしさと言うよりカッコ良い感じなので、女性から男性の方に贈る、同じ意味の愛の証だったのかもしれませんね。

『キューピッドの矢』
アロー(矢)の形のジャボット・ピン
イギリス 1880年頃
¥185,000- (税込8%)

<愛を示すための贅沢にお金をかけた作り>

素材使い

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

メインストーンに使われた天然真珠は白く美しく、少しピンク色の輝きを放つ照りの良い上質なものが使われています。

同じコランダムでもサファイア以上に貴重で高価な石がルビーですが、愛の情熱を示すためにピンク色のルビーがこれまた贅沢に使われています。ルビーは色が濃い石とやや薄い色の石がありますが、合成や現代の人工処理石とは違う、天然のままで美しい貴重なルビーの証と言えるのです。

撮影のためにライトを強く当てているので色の違いが目立つかもしれませんが、実際には気にならない程度のものです。

天然真珠 ボタンパール

天然真珠は横から見ると扁平のボタンパールなのが分かります。

これも天然真珠らしい、天然真珠ならではの形です。

球形の天然真珠の方が高価だからケチったのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは意図してのボタンパールです。

天然真珠 アンティークジュエリー ネックレス ダイヤモンド 大珠 エドワーディアン

天然真珠のネックレスに使い場合は、当然ながらどの角度から見ても円に見える球体の方が美しいです。

『プレシャス・パール』
エドワーディアン 天然真珠 ネックレス
イギリス 1910年頃
SOLD
現代の球形の養殖真珠のリング

しかしながら例えば指輪のように、セットすると高さが出るジュエリーの場合は球体だとデザイン的にヘンテコな印象になってしまいます。さらに実際に着用している際、どこかにぶつけて破損してしまうリスクも高まります。

トワエモア『貴方と私』 リング アンティーク・ジュエリー トワエモア『貴方と私』 リング アンティーク・ジュエリー
『Toi et Moi』
エドワーディアン(ベルエポック)トワエモア リング
フランスもしくはイギリス 1910年頃
¥880,000-(税込8%)

高さがあまり出ない方が良いものには、明らかにお金をかけて作られた貴族のオーダー品であっても意図してボタンパールが使われています。

脱色、染色して一見全て同じに見えるよう、基本的には全て調色処理してしまう養殖真珠に見慣れ、その工業製品的な価値観に洗脳されていると想像しにくいかもしれません。

本来、真珠の美しさに必要なのは形だけではありません。

色、照り、艶、質感、このどれもが美しさにとって重要なのです。球体だけどこれらの要素1つでも駄目だと綺麗には見えません。

無選別かつ無処理の現代の養殖真珠
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
愛を示すために最大限の真心と、できる限りの財を投じて作るこのウイングのブローチに相応しい真珠が、この白く美しい最高のボタンパールということなのです。

まるで本物の翼のような立体的な形状

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
この作品はウイングブローチとしては素材だけでなく、作りも過去最高と言える素晴らしい作りです。羽ばたいて舞い降りてきたかのような、全体的に緩やかに内側に湾曲した形をしています。
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
さらに、羽の一番上の部分を厚くして、まるで本物の羽のように立体感を出してあるのが素晴らしいです。
聖ミカエルとドラゴン ラファエロ・サンティ

左は長年美術界のお手本とされてきた画家、ラファエロによる聖ミカエルです。

翼と言えば確かにこういう立体的な形状ですが、これを金属で立体的に美しく表現するのは想像以上に難しいことです。

『聖ミカエルとドラゴン』ラファエロ・サンティ画(1504-1505年)ルーブル美術館蔵
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー



この作品は翼の肩の部分の高さだけでなく、羽1枚1枚にも高さの差や形状を変えて細かく翼を表現しています。

宝石をセッティングする台座への気遣い

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

アールデコより前の時代では、例外はあるものの基本的にはダイヤモンドには白い金属、カラーストーンはゴールドでセッティングする暗黙の了解のようなものがあります。

このウイングのブローチを見てみると、ダイヤモンドのフレームは白く、ルビーはゴールドカラーなのが分かりますでしょうか。

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
硫化して黒ずむ性質があるシルバーは衣服を汚すことがあるため、シルバーを使ったジュエリーでも高級品はゴールドバックの作りになっています。もちろんこのブローチも後ろ側は全面がゴールドです。
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
どうなっているかと言うと、ルビーの部分は全てゴールド、ダイヤモンドの部分はシルバーに薄いゴールドバックの作りにして、それらを綺麗に蝋付けしてあるということなのです。美しさを実現するための手間を惜しまない、驚くべき手の込んだ作りです。

宝石のセッティング

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

ケチったジュエリーならば、カラーストーンは覆輪や爪留の部分だけをゴールドにするのですが、このルビーはフレームも、オープンセッティングになった裏の窓もゴールドなので、ゴールドの色味を反映してより鮮やかなピンク色に煌めいています。

一方で、ダイヤモンドの部分は底部の薄い部分を除いて銀で出来ているので、ゴールドの黄色い色味を反映せずクリアな色で上質なダイヤモンドらしく美しく煌めきます。

ゴールドフレームの濃く鮮やかなピンク色のルビーと、シルバーフレームのクリアなダイヤモンドがコントラストとなってお互いが惹き立て合い、印象的に美しいのです。

ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー

ダイヤモンドは驚くべきことに、翼の肩の部分に使われた3石ずつの小さなローズカット・ダイヤモンドを除いて、全てオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドです。

この時代はまだ電動の研磨機やダイヤモンド・ソウは発明されておらず、ダイヤモンドのカットは手作業による手間と時間がかかる大変なものでしたから、余程の高級品でなければこれほどまでにたくさんの高級なオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドは使いません。

いずれもオープンセッティングなっており、さらに羽1枚1枚をイメージした縁取りがされており、それぞれの羽に低差もあるため、より一層どのダイヤモンドも美しく輝くように感じられるのです。

部分拡大

オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドは小さくても厚みがありますし、カットも奇麗です。

大きな石の下、翼の肩の根本には肉眼では気がつかないような極小のローズカット・ダイヤモンドが付けられています。こういうことをしていることが、本当のハイグレード・ジュエリーの証なのです。




ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
天然真珠を頂くルビーの台座のゴールドのフレームも実に見事です。
ウイング ブローチ アンティーク・ジュエリー
オープセッティングの窓の開け方も非常に丁寧で、完璧な仕上げがしてあります。ブローチのピンもすべてオリジナルなので、優美な曲線のピンが付いています。

インスピレーションが湧く着けて楽しいブローチ♪

キューピッドの翼 ラブ・ジュエリー ウイングブローチ 着用写真 キューピッドの翼 ラブ・ジュエリー ウイングブローチ 着用写真
清楚なホワイト1色の中にルビーの色を際立たせて印象的に♪ 曇り空もしくは夜空の中に強く羽ばたく、愛らしく美しい翼♪
キューピッドの翼 ラブ・ジュエリー ウイングブローチ 着用写真

こういう立体的でモチーフが分かりやすいブローチは、コーディネート次第で表情をがらりと変えるので、使ってとっても楽しいジュエリーです。

ジャケットの襟やコートの胸元、ストールなどだけでなく、様々な普段のお洋服にも楽しめると思います。

どういう角度、どういう位置に付けるのかでも印象が変化しますし、他のネックレスやブローチとも組み合わせやすいサイズです♪

ハイネックの首元に舞い降りた愛の守護天使♪

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