No.00251 愛の誓い

非加熱ルビー&サファイアのヴィクトリアンのダブルハートのエンゲージメント・リング


非加熱ルビー&サファイアのアンティークのダブルハート・リング(婚約指輪) 『愛の誓い』
ダブルハート リング(エンゲージメント・リング)

イギリス 1870年頃
サファイア、ルビー、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、18ctゴールド
ベゼル(フェイス)1,3cm×1,4cm
重量4,3g
サイズ 14号(変更可能)
※天然サファイア&天然ルビーの鑑別証付
SOLD
←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります
今では貴重な非加熱の石であることはもちろんのこと、宝石鑑別所の所長も褒めてくれた美しい色のサファイアとルビーがあしらわれたリングです。それもその筈、ダブルハートはエンゲージメント・リングとしてヴィクトリアンに最も人気があったモチーフです。人生最大のプレゼント、婚約指輪として作られたからこその、最上質のサファイアとルビーが使われたハイクラスのリングなのです。

 

普遍の愛のモチーフ『ダブルハート』

愛し合う2人を表す2つのハートと、その上には愛らしいリボン。これ以上にない、可愛らしくて愛に満ちあふれるモチーフですね♪♪
ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー 愛のモチーフはいろいろなスタイルがありますが、この可愛らしいダブルハートはいつの時代も高い人気があります。
ブリストル・レッドグラスのダブルハート・ブローチ アンティークジュエリーブリストル・レッド・グラス ブローチ
イギリス 19世紀初期
SOLD

ブローチのモチーフとしてもよく見かけます。

小さなジュエリーに『2人の愛』を表現し、それを着けてオシャレするのはとても楽しいことですね♪

左はジョージアンのブローチですが、ロマンティックなものが流行したヴィクトリアンには特に流行しています。

ラピスラズリのダブルハートのブローチ フランスのアンティークジュエリーラピスラズリ ダブルハート・ブローチ
フランス 1870年頃
SOLD

『愛』はどの時代、どの地域にも存在する普遍的なものなので、国は問わず人気があったようです。

そして愛のカタチが様々であるように、ジュエリーにおけるダブルハートの表現も様々です。

ウィッチーズハート(魔女のハート) ペンダント&ブローチ アンティークジュエリー『Bewitched』
ウィッチズハート(魔女のハート) ペンダント&ブローチ(ロケット付)
イギリス 1880年頃
SOLD

ハートの中にハートを表現するダブルハートの変化形のようなものも存在します。

定番モチーフだからこそ、決まった型の中で自分の愛をどう最大限に表現するのか一生懸命に考えるのです。

愛する人を想う真心が伝わってきますね。

リングより大きなサイズとなるブローチの場合、宝石の大きさの制約上、オープンハートのデザインが多いです。

その場合も使う素材は様々です。

これはあまり質の良くない天然真珠とターコイズ、シルバーで作られた安物のダブルハートのブローチです。

アンティークジュエリーの市場には安物、ミドルクラスのもの、ハイクラスのものまで様々あります。

【参考】安物のダブルハート・ブローチ(19世紀後期)

これはダイヤモンドは使われているものの、そこまで作りは良くないミドルクラスのブローチです。

でも、これを作った恋人たちの最大限の愛の籠もったジュエリーは、その2人にとっては最高の宝物です。

それで良いのです。

2人にとってはそれで良いのですが、その後の身内でも何でもない世代の私たちにとっては2人の個人的な愛自体はあまり関係ありません。

【参考】中級品のダブルハート・ブローチ(19世紀後期)
ムーンストーンのダブルハートのブローチ アンティークジュエリームーンストーン ダブルハート・ブローチ
イギリス 1880年頃
SOLD

だからこそ実際に使って楽しんだり、見て心を癒してもらうためにヘリテイジでご紹介するジュエリーは、美術品としても優れたハイクラスのものだけを厳選しているのです。

このダブルハート・ブローチも作りはもちろんのこと、幻想的な雰囲気のムーンストーン、クリアで上質なローズカットダイヤモンドという素材からも上質なものとして作られたことが分かります。

上質なムーンストーンを歩留りの悪いハート型に2つもカットすること、そしてそのムーンストーンの優しく幻想的な雰囲気を邪魔しないように敢えてオールドヨーロピアンカットではなくローズカットのダイヤモンドが選ばれていること。

ミドルクラスと比べても、ハイクラスの作品は何倍もお金と手間をかけて作られているのです。

グリーン・カルセドニーのダブルハートのブローチ アンティークジュエリー『美しき愛』 ダブルハート・ブローチ
フランス以外のヨーロッパ 1916年
カルセドニー、サファイヤ、ルビー、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、シードパール、18ctゴールド(2カラーゴールド)
SOLD

これは、珍しいグリーンカルセドニーを見事にカットして、ダブルハートを表現しています。

一見派手さはありませんが、2カラーゴールドの作り、パドルロックとキーを下げた気の利いたデザイン、上質なシードパールのフレームにもハイクラスのものとして作りが現れています。

この大きさの、貴重で綺麗なグリーン・カルセドニーが手に入ったからこそ実現したデザインですね。

ハートの上にはわざわざサファイアとルビーで男女が表されています。

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

今回のリングは上質なサファイアとルビーでダブルハートが表現されています。

大きさのあるブローチでは不可能なことです。

ダブルハートの婚約指輪

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

2つの心が1つに結ばれる・・。
ダブルハートは特に19世紀において、婚約の際の人気モチーフとして愛されてきました。

きっとこのリングも婚約指輪だったのだと思います。

裏

結婚は一世一代の大きなイベントです。

だからこそ婚約指輪には最大のお金が使われるわけで、このリングの高価な素材や手間をかけた丁寧な作りにも納得なのです。

戦後日本の婚約指輪事情

ライフスタイルが変化しているとは言え、大半の人にとって結婚は一生に一度くらいしかない大切な慶事です。

その時に贈る婚約指輪は超重要アイテムで、それが原因で喧嘩になることもあるようです。

【参考】現代の婚約指輪
オーストラリア産オパール・リング アンティーク『神秘なる宇宙』
オパール リング
イギリス 1880〜1900年頃
SOLD

本当に優れたアンティークジュエリーはそれを作らせた一人の人物の世代だけでなく、代々の持ち主すべての幸せに何度も関わってきた、まさに『尊い宝物』となれるのです。

古い時代からジュエリー文化が続いてきたヨーロッパでは、母から受け継いだ大切な婚約指輪を婚約者に渡すことはごく自然なことです。

しかしながら日本には続いてきたジュエリー文化がなかったため、代々伝わるジュエリーもなければ、男女共に優れたジュエリーを選んだりオーダーするための判断の基準も持ち合わせてはいません。

そこで、戦後日本でうまくやったのがダイヤモンド業界でした。『財宝の守り神』でご説明した通り、1870年頃から南アフリカでダイヤモンドラッシュが起きる以前はダイヤモンドは稀少性の高い価値ある宝石でしたが、予想を遙かに上回る埋蔵量のせいで生産調整しないと価格が暴落しかねないほどでした。もはやよほど大きさがあって、しかもクリーンなダイヤモンド以外は稀少性などない時代となっていったのです。

ろくに価値などないダイヤモンドを高値で売って、錬金術的に楽してボロ儲けしたいww

ダイヤモンド・ジュエリー業界にとって、戦後の日本は宝石やジュエリーに関して全く知識も見る目もない、純粋な生まれたてのヒヨコちゃんのような存在でした。もっともらしい宣伝文句でうまく価値観を植え付けてやれば、無価値なものを大喜びで高値で買うようになるはずです。目が肥えた人が多い欧米では不可能な儲け方ができる、めちゃくちゃ美味しい市場として目をつけられてしまったのです。

「婚約指輪はお給料の3ヶ月分」
この言葉は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは日本だけの話で、こんな意味不明な判断基準は他国には存在しません。

現代では日本も価値基準が多様になってきたので、こんな宣伝文句をまともに鵜呑みにする割合も減少はしていますが、とりあえずその人に買えるだけの高価なものを渡さないと「私ってそんなに安い女なの?(怒)」と婚約者から怒られてしまいます。もしくはモヤモヤされてしまうようです。成金思考の女性は質が高いものではなく、価格が高いものをプレゼントされれば満足なようです(笑)

ヘリテイジのHPを読んでくださる方はこのような価値基準とは無縁で、自分の感性で判断できる方がほとんどだと思います。でも、残念ながら生まれながらの才能に恵まれず、良いものを見て感性を養いながら育つ経験すらもできなかった物差しを持たない人々は、どうやってジュエリーを選べば良いのか分からないのです。

そういう人々にとって判断基準となるのがダイヤモンドの大きさです。買える予算内で最も大きなダイヤモンド・リングを婚約者にプレゼントすることなります。選ぶのが面倒くさい男性にとってもメリットですね(笑)

戦後日本は大半の人が見合いをしてでも結婚していました。家と家がつながる結婚は、人生で一番お金を吐き出してくれるイベントです。本人はもちろん、親だって可愛い子供のためならと追加でいくらでもお金を出してくれる、業界にとってはめちゃくちゃ美味しいタイミングなのです。

【参考】現代の婚約指輪

作りの良さやデザインの美しさなんて入る余地はありません。

大きさだけならば誰が見てもすぐに違いが分かります。

大きさだけでしか判断できない者同士、女性間でも高い物か安物かでマウンティングし合うのでしょうかね。

私は(この指輪の値段に見合う)高い女なのよ。負けたくない、勝ちたいと思う一般的な女性心理を煽る作戦。

ベルエポックの精神を表現したポスター(1894年)ジュール・シェレ

『グランルー・ド・パリ』でベルエポックのパリにおける、中産階級の女性による大衆消費のお話をしました。

1871年の普仏戦争の敗戦後、フランスにも遅れていた産業革命が到来し、見事に復興を遂げたパリは19世紀末から第一次世界大戦が勃発する1914年までの間、大いに栄えました。

ベルエポック(良き時代)と言われる大繁栄です。

ボン・マルシェ百貨店(1887年)

安いという意味のボン・マルシェ百貨店も大いに賑わいました。派手なショーウィンドウと大安売りの季節物で客を呼び込む手法は中産階級のご婦人方に大ヒットし、巨大で立派な店舗には毎日たくさんの客が押し寄せました。戦後の中産階級の日本人女性も何をどこで選んだら良いのか分からないので、とりあえず百貨店で買っておけば安心と思い込んでいたのと同じ現象ですね。ベルエポックのパリも戦後日本も、消費の中心は中産階級へと移っていました。

このベルエポックの時代に、エミール・ゾラによって『ボヌール・デ・ダム百貨店』という小説が出版されています。

ボン・マルシェ百貨店やルーブル百貨店を始めとする、パリの様々なデパートを綿密に取材して書かれた小説で、買い物依存症や窃盗症に転落していくご婦人方も描写されています。

ルーブル百貨店(1877年)

豪華な店内に所狭しと並べられた大量の魅惑的な商品と、現代の小売店の商法にも通じるバーゲンなどの近代的商法によって婦人客を食い物にし、容赦ない価格競争によって近隣の老舗商店を押し潰しながら発展していく、消費社会の権化とも呼ぶべき「百貨店」という存在の実態を克明に描いていることが高く評価されています。

何だかこれも戦後日本とイメージがかぶります。

ボヌール・デ・ダム百貨店(エミール・ゾラ 1883年出版)
エミール・ゾラの肖像(マネ 1866年)

19世紀後半には既に、百貨店と窃盗症を関連づける医学所見がいくつも発表されています。

百貨店の手に届く所に魅力的な商品を並べ、方向感覚を失わせるような設計は、女性の理性を麻痺させるように作られていると指摘されていました。

ゾラは小説の中で、百貨店に客が押し寄せる様子を「消費信者のための消費の大伽藍」と表現しています。

婚約指輪の大きいだけのダイヤモンド信仰も、ダイヤモンド業界に洗脳された信者による滑稽な教典のように感じます。

でも、うまく消費と金儲けには結びついているんですよね〜(笑)

ヨーロッパは19世紀末には既にこのような経験をし、業界はどうやって大衆心理をコントロールして消費を先導したら良いのか分かっているのです。

戦後日本でも、美味しい場所としてそれが実践されただけですね。

高度経済成長期のそれが実践されたとみなすならば、ヨーロッパと比べて100年近くも日本は遅れているというわけです。勝てる気がしません(失笑)

でも、ベルエポックの時代にゾラのように大衆消費を冷めた目で見る知識階層や上流階級がいたのと同様、日本にも同じような目で見る人たちは存在しました。

フランス人だから、日本人だからと、国全体で一纏めに捉えようとするのは乱暴です。

どこにでも色々な価値観の人がいるわけですね。そんな人たちのお陰で、今でも真に価値あるアンティークジュエリーが相応しい人たちの元で大切にされて残っているわけです。

エミール・ゾラ(1840-1902年)

上質な石を使ったハイクラスのダブルハート・リング

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー
そんな中で、次のオーナーを捜してヘリテイジの元にやってきてくれたこのダブルハートのリング。見ていて愛おしくなっちゃいます♪
ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

今回のリングは上質なサファイアとルビーでダブルハートが表現されています。

サファイアは相手への誠実さを象徴し、ルビーは情熱や愛を象徴し、この石の組み合わせは特に人気がありました。

現代でも特に魅力を感じる組み合わせですよね。

もちろんこの時代のハイクラスのリングなので、サファイアもルビーも天然非加熱ながら、とても美しい色を呈する石が使われています。150年近い年月歴代オーナーから愛用されてきたので、サファイアもルビーもモース硬度9のダイヤモンドに次ぐ硬い宝石といえどもこれだけ拡大すると表面に多少の摩耗はあります。宝石鑑別所の所長曰く、特にサファイアは石自体がとても綺麗な色をした、本当に上質な石ということでした。
裏

摩耗のない裏側から見ると、それがよく分かりますね。

各ジュエリーのアイテムの中で、リングが一番ダメージを受けやすくコンディションが悪いものが多いです。

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

そんな中では肉眼では気にならないレベルの摩耗ですし、モース高度10のダイヤモンドを除いて、リングで石がキズ1つないパーフェクトコンディションだった場合、フェイクでないかをむしろ疑うべきなのです。

左はアンティークジュエリーを扱うロンドンの高級店で販売されているダブルハート・リングです。

何だか作りに違和感があったのでよく見ると、2011年製とのことでした。

アンティークジュエリー市場の枯渇が進んでいるため、ヴィンテージどころか"アンティークジュエリー風"のリプロダクションを販売する店も非常に多くなっています。

老舗の高級アンティークジュエリーの店を標榜しているのにプライドはないのかと思ってしまいますが、アンティークジュエリーといえども現代ジュエリー同様、大抵は金儲けができれば良い人たちがやっているので気にしないのでしょう。もはや創業時のスピリットなどないのです。

【参考】1.28ctダイヤモンド&ルビー ダブルハート・リング(2011年)
$22,484.85、£17,500(約263万円)

それにしても高いですね〜。ルビーも天然非加熱の記載はないので、本物のアンティークジュエリーのルビーと違って価値が低い石のはずなのですが(笑)

ダブルハートは現代でも欧米で超人気モチーフで、価格も高い傾向にあります。だからリプロで作っても割が合うというわけです。

現代の科学技術を使えばダイヤモンドだっていかようにもカットできます。

アンティークっぽく見せるために小さなブリリアンカット・ダイヤモンドはキューレットがカットされていますが、手作業による個性や揺らぎが感じられないから見て違和感を感じるのです。

高いなりに一応はそれなりに丁寧に作ってあるので、これがもし本物のアンティークジュエリーとして販売されていたら、デザインやキューレットのカットの有無でしか判断できない人は騙されると思います。

【参考】1.28ctダイヤモンド&ルビー ダブルハート・リング(2011年)
$22,484.85、£17,500(約263万円)
【参考】ヴィクトリアン・スタイルの色違いのダブルハート・リング

これも別の店のリプロダクションです。どれだけダブルハートが人気モチーフなのかが伺えます。本物の高級アンティークジュエリーでしかもコンディションの良いリングは滅多に存在しないので、こういうリプロダクションは存在しても良いと思っています。

問題なのは、それが本物のアンティークジュエリーとして販売されていることも少なくないことです。今回ヘリテイジとして初めてダブルハートのリングをご紹介するにあたり、いろいろと調査してみるとその他のジュエリー以上にフェイク・アンティークジュエリーとみられるものが多く存在して驚きました。

【参考】リプロのダブルハートリングの裏側

所詮、古のハイクラスのアンティークジュエリーほど手をかけることはできません。

昔より便利な道具はあるかもしれませんが、コスト面と技術面の双方の観点から、昔の優れた職人レベルの作りは不可能です。

表以上に裏側は手が抜かれやすい部分なので、裏側を見ると特に分かりやすいと思います。

リボンの部分を見ると、ダイヤモンドの裏の窓の開け方は最悪です。

パンチかドリルで適当に丸く開けただけですね。

裏

石ころやデザインではなくまず『作り』が大切だというのは、アンティークジュエリーの善し悪しどころかフェイク・アンティークジュエリーかどうか判断するにも重要な部分です。

どれだけ手間と技術をかけて作られているのか・・。

人の手と人の想い。それは優れた手仕事によって作られた、ハイクラスのアンティークジュエリーならではのものなのです。

【参考】鋳造で量産する現代のダイヤモンド・リング

高級ブランドも含め、現代では大半のジュエリーがただの大量生産の工業製品です。こんなのを着けるくらいならば何も着けない方がマシだと感じます。だから現代ジュエリー業界は「売れない」「売れない」と喘いでいるのでしょう。モノづくりの方向性が間違っていると思います。ジュエリーに求めるのは、安さや工業製品的な美しさではないのです。

珍しい全てゴールドの作り

側面

このリングはダイヤモンドが使われているにも関わらず、全てゴールドの珍しい作りです。

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

通常であればサファイアとルビーはゴールド、ダイヤモンド部分はシルバーでセットするものなのです。

饅頭菊のようなダイヤモンド・リング オーストリアのアンティークジュエリー『Winter Flower』
ダイヤモンド リング
オーストリア 1880年頃
SOLD
『MODERN STYLE』でもご説明しましたがダイヤモンドを使う場合、クリアなダイヤモンドにゴールドの色味が反映せぬよう白い金属でセットするのが通常です。
デマントイド・ガーネット&ダイヤモンドのナイフエッジのバーブローチアンティーク・ジュエリー
『Demantoid Flower』 
デマントイド・ガーネット&ダイヤモンド バーブローチ
イギリス 1880年頃
SOLD

色石はゴールドの色を反映した方がより鮮やかに見えるので、色石部分はゴールドでセットするのが慣例です。

手間がかかるのにこのようにわざわざ2種類の金属を使うなんて、コストは二の次の完全に美意識の世界です。

ブルー・ギロッシュエナメル&天然真珠&ダイヤモンドのヴィクトリアン・ブローチ アンティークジュエリー『循環する世界』
ブルー ギロッシュエナメル ブローチ
イギリス 1880年頃
SOLD

その点では、慣例に従わずわざわざシルバーより高いゴールドの素材ですべて作るのも、また別の意味で何らかの強いこだわりを持って、お金をかけて作られたものであると言えるのです。

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

サファイア、ルビー、ダイヤモンドで作られたリングは時々ありますが、ここまでゴールドをたっぷりと感じられるリングは滅多にありません。

日本人の肌にはゴールドは馴染みが良いですし、ハイクラスのアンティークジュエリーならではの気品ある雰囲気は、決して成金のような雰囲気を醸し出すことはないので安心してゴールドを楽しめると思います。

ロシアン・アヴァンギャルドなサファイアとルビーのアンティーク・リング『ロシアン・アヴァンギャルド』
ルビー&サファイア リング
ロシア 1910年頃
SOLD

ヘリテイジはこだわりを持ってコストは二の次で作られたハイクラス以上のものしか扱わない高級店なので、むしろ普通ではないものをたくさんご紹介してきました。

この『ロシアン・アヴァンギャルド』も、実はダイヤモンド含めて全てゴールドで石留されています。

でも、この作品のメインはゴールドではなく、美しく上質なルビー&サファイア、そしてアーティスティックで見事な造形美です。

ダイヤモンドももちろん小さいながらかなり上質ですが、ダイヤモンドがメインのジュエリーではないため、控えめな印象になるよう、またゴールドで描かれた美しい線の流れをプラチナで途切れさせぬよう、ダイヤモンド含めてゴールドでセッティングしたように感じます。

ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー 同じ素材でもここまで個性が異なるのは、それぞれ特別にオーダーされたハイクラスのアンティークジュエリーならではであり、持ち主たちを想像することもできて楽しいですよね。
ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー

おめでたい婚約に合わせて華やかにしたかったのか、オーソドックスなダブルハートというモチーフながらより二人だけの特別な個性を出したかったのか、作りとは違う部分なので明確に結論を出すことはできず、想像は尽きません・・。

愛し合う二人のこだわりですね。

なんてハッピーなリングなのでしょう♪

ゴールドの贅沢でしっかりした作り

側面 ダブルハート リング(エンゲージメント・リング) アンティーク・ジュエリー
シャンクはゴールドを贅沢に使った、とてもしっかりした作りです。
裏 裏
ベゼルの裏も丁寧な作りですし、全体にしっかりしたとても良い作りです。裏側のゴールドのフレームもダブルハートの形状なので、何だか綺麗な裏側を見ているだけでも楽しくなってしまいます。

宝石鑑別証

天然サファイアとルビーの宝石鑑別証
天然サファイアと天然ルビーの鑑別証をお付けします。

 

サファイアとルビーのダブルハートリングの着用イメージ

2つの重なり合うハートの上にリボンが乗ったデザインはとても愛らしい雰囲気です。

存在感があり、デザインに加えて天然で美しいサファイアとルビーが楽しめるリングは、現代では婚約指輪という用途にとどまらず、オシャレを楽しむリングとして相応しい宝物だと思います♪