No.00249 4 FACES |
4wayのウォッチキィ・ペンダント
ウォッチキィとして使わない時は回転させて、ネジ回しがフレーム内に収まるアイデアが素晴らしい、4つの表情を持つペンダントとして楽しめるウォッチキィです♪ |
『4 FACES』 |
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意外性&面白さ&見た目を重視した異例の回転式ウォッチキィ
このウォッチキィは回転式でネジ回しを収納したり、表裏の石が入れ替わることで全く異なる雰囲気になります。 |
本来は懐中時計のネジを回せれば機能的印は十分なはずなのに、機能とは関係ない装飾や動作機構が備わった、遊び心あふれるイギリス紳士らしい贅沢過ぎるウォッチーキーと言えます。 |
18世紀のハイクラスの懐中時計用
懐中時計&シャトレーン RUNDELL&BRIDGE社 英国王室御用達 イギリス 1790年頃 SOLD |
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懐中時計は古い時代ほど高価で、持てる人もより限られた数しか存在しませんでした。 この時計は1842年に閉店した王室御用達RUNDELL&BRIDGE社のデッドストック品の形で出てきた、コンディションもパーフェクトの奇跡の逸品です。 |
この時計が作られた18世紀は、時計1つで豪邸が一軒買えたと言われていたほど超高級品でした。 今の貨幣価値に換算すれば、ほんの小さな時計に3億円はくだらない価値があったということです。 左の絵画では、紳士が淑女に自慢げに懐中時計を2つ持っていることを見せびらかしていますね(笑) これは18世紀後期にフランスの上流階級で流行したダブルウォッチチェーン・スタイルです。 |
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『紳士と淑女』1778年 |
『忘れな草』 ブルー・ギロッシュエナメル ペンダント フランス? 18世紀後期 ¥1,400,000-(税込10%) |
『忘れな草』でもご紹介した通り、1770年〜1800年頃は歴史上もっとも繊細で緻密な細工が評価された異例の時代でした。 エナメルに関してもロシア皇帝御用達の天才プロデューサー、ファベルジェが憧れ、18世紀のエナメルを熱心に研究したことでも有名です。 |
ロシアン クラウン・ジュエリー(ブローチ&ペンダント) |
それによって完成したファベルジェの美しいエナメルは、現代では異様なプレミアム価格がつくほどヨーロッパでは人気があります。 |
『ファベルジェ』の名前は儲かると言うことで、フォト日記でもご説明した通り投資会社が商標権をユニリーバから買い取り、技術やスピリッツを受け継いでいるわけではない子孫をひっぱってきて御輿を担ぎ、ファベルジェ・ブランドを制作して高級品としてチャチなジュエリーを高値で販売して儲けているほどです。 |
ロッククリスタルの傘の柄 |
ロシア皇帝夫妻が愛した天才プロデューサー、ファベルジェの実力は間違いありません。 でも、そのファベルジェのエナメルも18世紀のエナメルには及ばなかったと言われています。 |
機能だけの部品レベルのウォッチキィ
『ステータス』でもご説明した通り、19世紀後期になると懐中時計も価格が下がり、中産階級でもちょっと頑張れば手に入れられるようになりました。王侯貴族にとってはつまらないレベルのものであっても、庶民にとっては一生懸命働いて手に入れたお金で手に入れる憧れの高級品です。 自慢したくてしょうがないアイテムなので、写真館で一張羅を着て取る写真では、懐中時計の所持を明示するウォッチチェーンが目立ったポーズでの写真がいくつも残っています。 |
一番安いクラスの懐中時計でも、到底普通レベルの庶民に買えるような代物ではありません。 庶民の中ではある程度お金を持つ人たちが買うものですし、彼らが頑張って手を出せるクラスのウォッチキィが付属します。 |
『真実の支持者』 イギリス 19世紀初期 ハイキャラット・ゴールド(15〜18K)、コーネリアン SOLD |
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【参考】スチールのフォブシール | 【参考】シルバーのフォブシール | |
安物か高級品かは、作りと素材を見れば判断できます。同じく懐中時計の付属品でもあるフォブシールの場合、『真実の支持者』でもご説明した通り高級品はゴールドと高価なストーン、その下のランクだとシルバー、もっと安物だとスチールなどのメタル素材になります。上のように並べるとその違いは明らかですね。ゴールドを使ったものでも、さらにその作りには天と地ほどの開きがあるものですが、ゴールドを使ったものの中でもジョージアンの最高級品である『真実の支持者』と並べると左2つはちょっと可哀想な感じでしょうか・・(笑) |
【参考】安物の懐中時計用のウォッチキィ | ウォッチキィにも同じことが言えて、安物はそれなりの素材と作りでしかありません。 安物ならば市場にはたくさん存在しますし、安物とは言っても現代の味気ないただの鍵と比べれば1つ1つ個性が感じられてある意味面白いものです。 |
【参考】安物の懐中時計用のウォッチキィ | 鍵束や円盤にいくつかのネジ回しが付いたキィを見ると、当時はいくつか規格があったらしいことが伺えますね。 鍵をなくした人のための鍵レスキューのようなものあったのでしょうか。 小さいものなので無くしやすそうですよね。 |
懐中時計&シャトレーン RUNDELL&BRIDGE社 英国王室御用達 イギリス 1770年頃 SOLD |
RUNDELL&BRIDGE社の懐中時計はデッドストック品だったので、専用のシャトレーンやウォッチキィに至るまで完品でした。 でもこれは通常は絶対にあり得ない、奇跡のようなものです。 |
鍵巻き式クロワゾネエナメル懐中時計 エナメル:スイス又はフランス 1840年頃 ムーブメント:フランス 1840年頃 SOLD |
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これだけ素晴らしい懐中時計であっても、170年を超える長い年月の間で、どこかのタイミングでオリジナルのキィは離ればなれになったようです。 このクラスの懐中時計にこのウォッチキィはあり得ないはずですから・・。 |
それでもスペアキーや、高価な作りでなくてもそれぞれに個性溢れるウォッチキィからは当時の人たちの様子も伝わってきて楽しいものです。 世の中には様々なジャンルのコレクターが存在します。ウォッチキィでありさえすれば何でもOKという人にとっては、集めて楽しいコレクションとなるのです。庶民の素人コレクターの場合、むしろジュエリーレベルの高価なものだと困っちゃいますよね。棲み分けが肝要なのです。 |
ヘリテイジでご紹介するウォッチキィの条件
ジョージアンの極上の彫金が施されたスプリットリングまでセットになっているのがとてもラッキーなことです。 このウォッチキィを見て、ペンダントとして下げたらジョージアンの彫金が施された素晴らしいゴールドジュエリーになると閃き、買ってきたそうです。 まさにその通りですね。 |
ウォッチキィ イギリス 19世紀初期 アメジスト、コーネリアン、ハイキャラットゴールド(15〜18ctゴールド) SOLD |
GENがアンティークジュエリーの仕事を始めた時から、美術品として価値が高くしかもジュエリーとして身に着けて美しい、楽しいアンティークジュエリーをご紹介したいという考えは一環しています。 古ければ何でも良いということは絶対に有り得ません。だからウォッチキィにもジュエリーとして作られたものと同じレベルの細部に至るまでの細工や高価な素材を要求しますし、身に着けて美しいデザインの美しさも必要です。 |
本来は懐中時計のネジを回すための道具です。 だから強度が必要なネジ回し部分は鉄でできています。 でも、高級な懐中時計に相応しい高級なウォッチキィは機能だけでなく見た目の美しさも重要視されていたので。わざわざゴールドを被せた作りになっています。 まさに使うための優雅な小物ですね。 これぞジョージアンの王侯貴族の美意識です。 |
でも、アンティークのウォッチキィ全てにそれが行き届いているわけではありません。 一応彫金されているものであってもそこまでの美意識は行き届いておらず、鉄が剥きだしであるものが大半なのです。 |
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【参考】扱わないレベルのウォッチキィ |
【参考】ヘイテイジでは扱わないレベルのウォッチキィ | |
ネジ回しの鉄が剥きだしのウォッチキィをペンダントとして下げるのはちょっと嫌ですよね。いくら他の部分が高価な素材だったとしても全体的に安っぽい印象になってしまいます。とは言え、やはりこのように細部まで気を遣うことができないウォッチキィは、彫金など他の細工もそれなりでしかありません。 |
コンディションが悪いものも駄目です。 壊れた汚いものは、ヘリテイジのお客様には身に着けてほしくありません! |
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【参考】コンディションが悪いジャンク |
これまでにお取り扱いしたウォッチキィのバリエーション
ウォッチキィ イギリス 19世紀後期 SOLD |
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これは19世紀後期のウォッチキィです。 懐中時計に必須のウォッチキィと、印鑑として使用するフォブシールの機能がこの1つに備わった、面白いタイプです。 インタリオがないと面白くないのですが、イニシャルに加えてベルトまで彫られており、19世紀後期のウォッチキィとしては珍しく彫金もインタリオも楽しめる作品です。 |
ウォッチキィ フランス 1830年頃 SOLD |
これはシンプルですが、ペンダントとしては愛らしく使いやすいデザインです。 小さいながらも19世紀初期ならではの彫金、丁寧な作りが施してるからこそペンダントとして使うことができるのです。 |
ウォッチキィ イギリス 19世紀初期 コーネリアン、15ctゴールド SOLD |
やはり基本的にはジュエリーとして楽しめるのは、懐中時計が特に高価だった時代に作られたウォッチキィが大半です。 ただのオマケではなく、王侯貴族がこだわりぬいて細部まで美意識を行き渡らせてお金をかけて作られたものなので、ジョージアンの金細工がバッチリ楽しめるのです。 これは表裏どちらも石がコーネリアンでした。裏表のない、立派な紳士がオーダーしたのでしょうか。性格が表れているようで楽しいですね。 |
その点で、4つもの異なる表情を持つ今回のウォッチキィは一体どんな人がオーダーしたんだろうと想像力を掻き立てられますね。 |
アルセーヌ・ルパン(1907年) | 変装が得意な江戸川乱歩の怪人二十面相や、フランスのアルセーヌ・ルパンを一瞬想像しましたが、一応紳士だけど泥棒だしイギリスでもないしな〜と何だかピンときませんでした。 しかしながらイメージぴったりのイギリス紳士がいたことを思い出しました! |
第11代ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド(1708-1781年) |
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッドは顔も地味ですし、通常ならば名前も聞いたことがない方がほとんどだと思います。 1708年に名門貴族に生まれ、15歳で父を亡くし男爵領と爵位を継承した大富豪です。 爵位を継ぎ、通常の貴族の師弟よりも若くしてグランドツアーに出ています。 |
-ローマ教皇領出禁事件-
スウェーデン王チャールズ12世(1682-1718年) | ロシア皇帝アンナ(1693-1740年) |
ロシアに行った際はスウェーデン王チャールズ12世を装い、ロシア皇帝アンナを誘惑しようとしています。変装くらいはしたのでしょうか(笑)いずれにせよ後にこれがバレて、ダッシュウッドはイタリアにあるローマ教皇領の出入り禁止を食らっています。 チャールズ12世はダッシュウッドより26歳年上、アンナは15歳年上。自分より26歳上のスウェーデン王のふりをして、15歳年上のロシアの女帝に挑むなんて無茶しすぎです。まあでも、うまくいけば周りにはかなり自慢になりますからね。 |
-ヘルファイア・クラブ-
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド(1708-1781年)42歳頃 | 若い頃から何不自由なく育ったダッシュウッドは、放蕩生活や風流人としても有名でした。 若手政治家や芸術家などとも親交を結び、様々な社交クラブも運営していました。 一番有名なのは『ヘルファイア・クラブ(地獄の火クラブ)』です。 いかにもけしからん感じのクラブですね〜(笑) |
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド(1708-1781年) | 1753年に友人からシトー会修道院の廃墟を譲り受け、豪華な大殿堂に大改装しました。 工事関係者には堅く口止めをした秘密の大殿堂です。 そこでヘルファイア・クラブの運営を開始し、イギリス中から有名無名の貴族、政治家、芸術家たちが集まりました。 その中には第4代サンドイッチ伯爵ジョン・モンタギュー、初代ウォートン公爵フィリップ・ウォートン、18世紀のイギリスを代表する有名画家ウィリアム・ホガース、ロンドン市長も務めた急進的ジャーナリストのジョン・ウィルクスなどもいました。 悪魔主義を標榜する秘密結社で参加者は修道士を気取り、ダッシュウッドが修道院長役を務めていました。 壮大なる大人のお遊びという感じですね。 |
サタニズムのペンタグラム | 悪魔主義、悪魔崇拝、サタニズムと聞くと何だか怪しげに聞こえますが、実際は理神論者が多く集まるクラブでした。 秘密結社だった上に閉鎖時に関連書類がすべて焼却処分されたため、クラブの正確な実態は分かっていませんが、余興のような感じで悪魔への乾杯や涜神的な行為をすることで既存社会を皮肉ったり、議論を楽しむ紳士のクラブだったようです。 |
理神論では一般に創造者としての神は認めますが、神を人格的存在とは認めていません。世界を超越する創造主ではありますが、その活動性は宇宙の創造の際に限られており、それ以後の宇宙は自己発展する力を持つと考えます。そこに、神の啓示の存在は否定されます。 奇跡や予言などの神の介入はあり得ません。欧米では一般的な、神に仕え天の御命に従うような考え方は存在せず、自身の物質的・身体的な発展と解決が重視されています。 ここまで聞くと、実はすごく現代の無宗教の日本人にはフィットする考え方な気もしませんか? |
『惨殺されるヒュパティア』(作者不明 1865年) |
宗教も解釈次第、運用の仕方次第だったりします。『ディアナ』でご紹介した通り、神を妄信する者によってヒュパティア事件のような恐ろしい殺人が起こることもあります。神の名を語れば無抵抗の罪なき女性を、神を信じなからという理由で惨殺しても全く構わないと本気で信じるおかしな行動です。 |
『マルティン・ルター』 開閉レンズ付き ゴールド リング ドイツ? 1817年 SOLD |
1517年にはあまりのカトリックの腐敗具合に、ドイツで宗教改革も起きています。 贖宥状を買えば全ての罪が許される、買わないと永遠の命は手に入らないなど、論理的に考えればすごくおかしな話ですよね。 |
フランスのユグノー戦争『サン・バルテルミの虐殺』(1572-1584年)フランソワ・デュボア作 |
『知性の雫』や『クラシック・ハート』でご説明した通り、フランスではユグノー戦争も起きています。フランスではカトリックがプロテスタントをユグノーと呼んだのですが、1562〜1598年の40年間近くにわたり、休戦を挟みながら内戦が発生しています。『サン・バルテルミの虐殺』だけでも、カトリックによって数千人ものユグノーが虐殺されています。 フランスは現代でも暴力が蔓延っており、イエローベストでは暴力的な警官隊によって市民が負傷したりフラッシュボールによって失明者まで出ていますし、毎年DVで3日に1人は女性が夫から殺害されているなど、昔からの国民性なのでしょうかね。 |
イングランド王ヘンリー8世(1491-1547年) | ヘリテイジの宝物をご紹介するために何度か登場してもらっているルネサンス時代のイギリス王ヘンリー8世ですが、一般的に有名なのは6度に渡る結婚歴です。 このヘンリー8世が次の女性と結婚するためにどうしても離婚したく、その障害となるローマ・カトリック教会から離脱してしまったのです。 それ以降、イングランド(イギリス)の統治者が教会の首長を務めるイングランド国教会がイギリス王室の教会となったのです。 イギリス王室最高のインテリと言われるだけあって、思考停止でとにかく言われたことを妄信するなんてさらさらない感じですね。 かと言って宗教を利用してローマ教皇レオ10世などのように贖宥状を発行しまくってボロ儲けしようという、大陸にありがちな動きもイギリスには見られないのです。 |
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド(1708-1781年) | そういうわけで宗教を妄信して自分の頭で考えない人たちとは一線を画す、自分の頭で考え、自身で己を高めていきたい、意欲あるインテリたちが集まる紳士クラブがイギリスで結成されるのは至極納得の流れなのです。 秘密クラブなのは、あまり堂々と神を否定すると時代的にもちょっと問題があったからでしょう。 悪魔信仰と言うのも紳士の遊び心、余興みたいなものだったのでしょう。 |
ヘルファイア・クラブの常連にはアメリカ合衆国建国の父の一人と称えられ、100ドル紙幣にも描かれているベンジャミン・フランクリンもいました。 雷と凧の実験で有名な人物ですね。この命がけの研究成果で、ロンドン王立協会の会員にもなっています。 勤勉性、探求心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物とされ、現代のアメリカでも尊敬されています。 このフランクリンは『フランクリンの十三徳』なるものものも考案し、実践していました。 |
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ベンジャミン・フランクリン(1706-1790年) |
<フランクリンの十三徳>
(引用元:「ベンジャミン・フランクリン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2019年3月3日(日) 19:01 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org) |
ル・ディスペンサー男爵フランシス・ダッシュウッド(1708-1781年) | ヘルファイア・クラブは名称が怪しげな上に秘密クラブだったので、いかがわしだけの集まりのようにおもしろおかしくスキャンダラスな扱われ方をしています。 でもその部分はほんのスパイスみたいなもので、実際の所はより良く生きるため、自身を研鑽していくための知的な集まりだったようにも見えます。 この大人の全力のお遊びクラブは修道院長(ダッシュウッド)が財務大臣に指名されたため、閉鎖となったようです。 政治的にも実力者だったというわけです。 |
ディレッタンティ協会 | これまでに何度かご紹介したディレッタンティ協会も、ダッシュウッドが古代美術に理解を示したグランドツアー経験者40名を集めて1734年に設立したクラブです。 王侯貴族や学者、芸術家の集まりで、王侯貴族が莫大な財力で優れた古代美術を蒐集し、パトロンとなって研究活動を支援し、芸術家の新たなクリエーションをバックアップするものです。 |
莫大な財力、高い知的教養、優れた芸術的センス、人を魅了するコミュニケーション能力、そして真面目な顔の陰からチラリと見せる楽しい遊び心。 ダッシュウッドに見られるような、最強のイギリス紳士らしい一瞬ごとに変化する多面的な魅力がこのウォッチキィには感じられるのです。 |
雰囲気の異なる石の魅力
2種類の全く異なる雰囲気の石が使われており、1つはブラッドストーンです。 ブラッドストーン独特の鮮やかな赤い斑点が全面に入った、印象的で上質な石です。 |
もう1つはちょっと禍々しくも見えるブラッドストーンとは正反対の印象となる、清らかな雰囲気のホワイトアゲートです。 完璧に磨き上げられており、ぴっかぴかで美しいです。 |
ホワイトアゲートの下地は朱色で、縁取りのように僅かに印象的なこの朱色の層が見えます。 |
どの方向から見ても、均一に美しい朱色の縁取りが見えます。清らかな白に、朱色の縁取りが栄えてとても印象的です。石の側面まで完璧に磨き上げられているので、光の当たり方によって艶めきが美しいです。 |
両面で異なるデザインの彫金
よく見ると雰囲気は似ているものの、彫金のデザインが両面異なることにお気づきいただけますでしょうか。実際に使う場合、どちらのデザインも優雅で美しいのでどちらを正面するか迷ってしまいますね。 |
普通だと気づくかどうか分からないくらいの些細な変化ですが、徹底的にこだわって作られた良いものはこのようなちょっとした気遣いに現れるものなのです。 |
肉眼では見えないほどの細かな彫金
このウィッチキィは彫金も見事です。 |
これはかなり拡大していますが、肉眼では見えないような極めて繊細な彫金には驚くばかりです。ここまでの仕事を施してあるなんて、さすが高価な懐中時計のために作られたものだけあるなと感じます。 |
逆側も同様に手抜きは一切ありません。 二面性はあれども、どちらが主役かという優劣は全くない完璧な作りです。 |
拡大しすぎるとむしろ無骨に見えるかもしれませんが、実物は大きくないのでこの彫金が繊細な輝きを放ち、とてもエレガントな美しさを感じます。 |
回転式を実現させるための立体的な構造
ウォッチキィとしての機能と、回転式という機能を実現させるためのよく考えられた立体的な構造になっています。 |
動作機構は200年近く経った今でもバネが効いており、パチンと気持ちよく収まります。 |
ペンダントとして下げている最中に、グラグラと傾いてネジ部分が出てくることはありません。 |
鉄のネジ回しをゴールドで覆った丁寧な作り
ネジ回し部分は強度が必要なため、鉄で作ります。 剥き出しだとペンダントとして下げるには安っぽくなってしまいますが、お金と手間をかけてゴールドで覆ってあり、高級感あるジュエリーとしてお使いいただけます。 |
懐中時計の付属品とは言っても、王侯貴族のためのこの時代のウォッチキィともなると素材も作りもジュエリーと同じと言えるんですよね。 |
こんな構造にしたいがために、通常のウォッチキィよりは大きくて存在感があります。わざわざこんなウォッチキィを作らせるなんて一体どんな人物がオーダーしたのか、非常にイギリス紳士らしい、遊び心や多面性を感じる特別な宝物です♪ |
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撮影に使っているような、作りが良いアンティークのゴールドチェーンをご希望の方には別売でお付け致します。いくつかご用意がございますので、ご希望の方には価格等をお知らせ致します(チェーンのみの販売はしておりません)。現代の18ctゴールドチェーンをご希望の方には実費でお付け致します。高級シルクコードをご希望の方にはサービスでお付け致します。 |