No.00001 キューピッドとヴィーナス

 

この作品はヘリテイジでご紹介する記念すべき最初の宝物です

アールクレール=透明な芸術

キューピッドとヴィーナスのアールデコの芸術的なリバースインタリオ・ペンダント

ロッククリスタル(水晶)のリバースインタリオとカリブレカットは、20世紀初頭に於けるジュエリーの花形役者!!♪

 

ロッククリスタル リバース・インタリオ ペンダント
軽やかな美を感じる透明な芸術こそ、日本人の琴線に触れるのです!!♪

透明な素材のジュエリーは洋服の色によってイメージが違う楽しい物なのです!!♪

 

ロッククリスタル リバース・インタリオ ペンダント
ファンタジックなリバースインタリオと、美しい曲線のカリブレカットのサファイアのコラボが素晴らしい!!♪

 

アールクレール

-透明な芸術-

ロッククリスタル リバース・インタリオ ペンダント 僕はこういう美しい透明感が魅力のアンティークジュエリーは、昔から大好きなんです!!♪(どうやら石田さんもそのようですが・・(笑))

三十年ほど前、僕が最初の大失敗で赤坂見附の店を手放し、代官山の友人のマンションで再起を期して、資金稼ぎにアンティークのグラス専門のギャラリーをやっていたことがありました。その時のギャラリーの名前がフランス語で『アールクレール(透明な芸術)』だったのです。

リバース・インタリオとは水晶などの透明な石の裏にインタリオ(カメオのような浮き彫りとは逆の沈め彫り)を彫ってある物を言います。

19世紀中期から後期に人気のあったエセックスクリスタルは、ドーム型で厚みのある水晶に深くインタリオを彫り、それに彩色した言わば立体細密画と言える物で、これはまるで水晶の中に立体物が入っているように見える不思議な細工が魅力です!(画像A)

そして1920年代に登場する、このロッククリスタル リバース・インタリオ 『キューピットとヴィーナス』は、板状の水晶に裏からインタリオを浅く彫ってあるので、透明感のある繊細で美しい
ジュエリーと言える作品なのです!!♪
A

透明な素材なので、着ている洋服の色で様々な変化を楽しめるのも魅力ですね!!♪

手に持って裏から光りを当てて見る楽しみは、プリカジュールエナメルのようでもあります!♪

ロッククリスタル リバース・インタリオは、プラチナが本格的に使われるようになる1920年頃から作られるようになるのですが、ファッションもシャネルのような現代のブランド物と変わらぬ物が作られるようになった時代だけに、モダンな感覚でハイジュエリーとして身に付けて楽しめる、美しいインタリオであることが最大の魅力なのです!!!♪

プラチナのフレームの一番外側に小さな天然真珠をプラチナ線でつないでありますが、このやり方もエドワーディアン〜アールデコ初期ならではの物なのです!

その内側に極小のローズカットダイヤモンドをセットして、4カ所にそれより少し大きめのオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドをセットしてあるのも、デザイン状の良いアクセントになっています!♪


ロッククリスタル リバース・インタリオ ペンダント

そして一番内側に施された、実にエレガントで美しい曲線のカリブレカット・サファイアは、舞台の名脇役と言える存在感でとても重要な役目を果たしているのです!!

美しい曲線に合わせてサファイアをカットするだけでも極めて難しいのに、それをレール状のフレームで留めるのは至難の業なのです!!!

「非常に高度な技術が使われている」というヴァンクリーフの数百万円もするミステリー・セッティングなぞは、このような繊細で美しいカリブレカットに比べれば技術的には容易いことなのです!!

セットする石の大きさも全然違っていて、何がミステリー・セッティングなもんかと笑っちゃうしかないですね(笑)

こんなに美しいセッティング方法なのに、なぜ現代ジュエリーでは見ることがないのか?カリブレカットがあまりにも難しい技術だからなのです。でも、素晴らしい美意識を持つ当時の人たちは、難しい技術だからと言って技術をメインにするのではありません。この高難度で美しいカリブレカットを、あくまでも脇役として使うのが美意識とセンスの良さではありませんか!!♪

まあ、世界中の歴史ある超高級な宝石店、カルティエ、ブシュロン、ティファニーなどすべての店で、1930年代以前のような価値ある美しいジュエリーが作られなくなった今、このロッククリスタル リバース・インタリオのようなハイクラスのアンティークジュエリーは、すべての現代のジュエリーの上に位置する宝物なのです!!!♪

ハリーウインストンなどは論外で、石だけの価値しかない単なるガラクタなのです(笑)



『キューピットとヴィーナス』
ロッククリスタル リバース・インタリオペンダント

イギリス 1920年代
ロッククリスタル(水晶)、カレブレカット・サファイア、天然真珠、ローズカットダイヤモンド、プラチナ
3,2cm×2,7cm(本体のみ)
プラチナチェーン 37,5cm
SOLD

←↑実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

これはルネサンス時代のヨーロッパ最初期の金箔工芸で、リバースインタリオに金箔を貼った貴重な作品です!!
これより古い年代ではロッククリスタルのリバースインタリオは見たことも聞いたこともないので、これがジェリー史上最初のリバースインタリオかも知れません!!! どうぞこの貴重な作品の全容をご覧下さい。 
そしてこのようなミュージアムピースを、ジュエリーとして身に付けられる楽しさも感じていただきたいです♪!


ロッククリスタルのリバース・インタリオ 

透明な水晶の縁のカットにもご注目ください。
単に面取りしてあるだけではなく、綺麗にカットしてあるのが解ります。

アールデコのリバースインタリオとしては可なり深い彫りなので、無骨な違和感を感じさせぬようにと、縁まで手間をかけて美しくカットした完成度の高さです!!♪

ハイクラスのアンティークジュエリーのロケットのガラスも面取りが施してありますが、この面取り加工が高級感を出す為に重要なポイントなのです!

このリバースインタリオの水晶の面取りは、単なる面取りというよりも宝石の精緻なカットと言えるレベルで、今まで見てきたあらゆるアンティークジュエリーの中でも群を抜く美しさがあります!!♪

このペンダントを斜めから見た時に、このカットした縁がキラリと輝く様子に何とも言えない魅力を感じます!♪

ミルも極めて繊細精緻なレベルの高い仕事ですし、細部まで徹底して気を遣った素晴らしい細工は、いつまで見ていても飽きないのです。

 

ロッククリスタルのリバース・インタリオ 裏

この石の裏の穴をよ〜く見てください!これを見ただけでも解るのです!!
如何にこのロッククリスタルのリバース・インタリオが1920年代の第一級のジュエリーとして作られた作品かが・・・・・。