ロスチャイルドのお城(2) お城の内部

ロスチャイルドの邸宅(ワデズドンマナー)の貴族の部屋の様子
ロンドン初買い付けで訪れたロスチャイルドの邸宅、ワデズドン・マナーの中です。11cmピンヒールでお城に入ろうとしたら、慌てた係の人から「マダ〜ム」と止められました(GENみたい笑)。絨毯が痛まないよう、ピンヒールは止めてほしいとのことでした。スニーカーも持ち歩いていたので、履き替えて入ります。このお城の中にある全ての物が、絨毯含めて価値ある古の遺産なのです。ちなみになぜ私が11cmもの高さの靴を履いていたかと言うと、イギリス人は背が高いイメージがあって、ちんちくりんな日本人に見えぬよう気合いが入りまくっていたからです。完全にバカです。バカなお上りさん丸出しです(笑)人種のるつぼと言われるロンドン、色んな人がいて、特に私が小さいということはありませんでした。

ワデスドンマナー 部屋 イギリス オックスフォード ロンドン ロスチャイルド
1Fは豪勢な設えの部屋が続きます。豪華と言うか、ケバケバしすぎてちょっと私には辛い感じです(笑)成金ゴチャゴチャ系は好みではないので、こういう部屋は正直落ち着かないです。

鼈甲 タイマイの甲羅 マザーオブパールの貝殻 ロスチャイルド 裁縫箱 マザーオブパール ゴールド
そう思っていたら、2Fからは色々な宝物が個別に展示されていました。さすがロスチャイルド家と納得の素晴らしい宝物の数々!♪
「触ってみて下さい」と、わざわざピケの材料タイマイの甲羅や、マザーオブパールとして使用する貝殻も展示してありました。分かりやすい♪右の画像のマザーオブパールとゴールドで作られた2つの小箱は、1740〜1760年頃に作られたおそらくドイツ製の裁縫箱です。マザーオブパールは幻想的な虹色の光沢が魅力です。画像だとその魅力が10分の1も伝えきれないのですが、実物は感動的な美しさでした。もともと素材も作りも最上質で、保存状態も良いので、200年以上も経っているとは思えないコンディションでした。

ルネサンス アンティークジュエリー マザーオブパール カードケース ルネサンス アンティークジュエリー マザーオブパール カードケース
でも、ふと思い出したのがこの「夢のように美しいカーブド・マザーオブパール カードケース」です。ルネサンスにて販売済ですが、実物の美しさと言ったら思わず溜息が出るほどでした。没頭してしまう、全ての感覚が遮断されて魅入ってしまう宝物でした。現在は本当に価値を理解し、大切にして下さる方の個人蔵となっておりますが、これがロスチャイルドの邸宅にあっても全く違和感がありません。自画自賛な感じですが、はっきり言ってこのカードケースの方が何倍も美しかったです。こういう「本当の宝物」を皆様にご紹介できること、そして心から喜んで頂けることも、アンティークジュエリー・ディーラーのやり甲斐の1つです♪

ロスチャイルドの城に展示された1600年頃のリモージュの宗教画 ロスチャイルド 手帳 メモ帳 ワデズドン モスアゲート デンドライトアゲート
そんなことを思いながらも、やはりロスチャイルド家のような存在でなければ手に入らない貴重な物も多く、まさに目の保養です。いや、ディーラーとしては、保養と言うよりも眼と感性を磨くための大切な学びの機会です!!

左は、1600年頃のリモージュのエナメルによる、永遠に色褪せることのない絵画です。この時代の芸術は宗教が関連する物が多いですが、無宗教の私にも感覚に訴えてくる荘厳さを感じました。鳩の構図も面白いですよね。エナメルとは思えない大きさがありました。それぞれの色ごとに焼成温度が異なり、700-900℃の炉で12時間以上、何度も焼いて作ります。今では作ることが不可能な芸術作品の1つです。

右は、イギリスで作られたと思われる1760年頃の手帳です。半貴石の1つであるデンドライトアゲートを、実にアーティスティックに使用した作品です。内部にはアイボリーのプレートがセットされており、ここにメモをとるのです。次のダンス相手は誰なのか、名前をメモするのに使ったりします。社交の場では、いかに素晴らしい手帳を使っているか、さりげなく見せてモテるのも大事ですからね〜♪この手帳はいかにもな宝石ではなく、面白い造形の奇石を使っていることにセンスの良さを感じますね。もちろん作りも最高です。この面白い石を使った、実にアーティスティックで贅沢な壁掛もカタログで販売中です。こういう大金持ちの邸宅に飾られていたのかしらなど、想像してしまいました。宜しければチェックしてみて下さい。

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