No.00109 優雅な羽の小箱

ジョージアンのメアンダー模様の彫金ゴールド・ロケット・ペンダント

『優雅な羽の小箱』
ジョージアン ゴールド ロケット・ペンダント 

イギリス  1820年頃
15ctゴールド
2,5cm×1,9cm
重量 5,1g
SOLD

ゴールドだけで作られた、圧巻の細工のロケットです♪!とても小さなものなのに、これだけ大きく拡大しても粗が見えるどころか、ますます高度な技術で作られたことがよりはっきり解ってぞくぞくして来ます!!♪

デザインもまた素晴らしい!!!♪
西洋文化の原点、古代ギリシャを象徴するメアンダー模様をメインにした気品に満ちたデザインは、ゴールドという素材の風格をさらに高めた美しさです!!!♪
実物大
←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

 

メアンダー模様 天然真珠 リング アンティークジュエリー メアンダー模様 ローズカットダイヤモンド リング アンティークジュエリー

メアンダー模様は、大きく蛇行を繰り返しながら流域に豊穣をもたらしてきた、メンデレス川(古名マイアンドロス)に由来しています。繁栄豊穣の象徴、不滅のエネルギーの象徴として、古代ギリシャ人が「メアンダー文様」として描くようになったのが始まりです。

この模様は古代ローマや後世のヨーロッパでも広く用いられました。建築はもちろん、左のようにジュエリーのデザインにも取り入れられています。

アールデコ 天然真珠 リング
イギリス 1920年頃
SOLD
ローズカット・ダイヤモンド リング
フランス 1820〜1830年頃
SOLD
ジョージアン ゴールド ロケット・ペンダント 
このロケットはゴールドだけで作られていますが、縦方向に彫金でデザインが施されています。彫金技術だけで、デザインごとのゴールドの質感を全く表現し分けており、見事と言うしかありません!!

2列のメアンダー模様は打出ではなく、地金から彫り出した上で、表面が磨かれて輝いています。一方で、溝の部分はマットな表面に仕上げられています。このマット仕上げはどうやったのか、皆目検討がつきません。現代だと相当細かい砂などの微粒子をコンプレッサで吹き付けるなどありそうですが、これだけ細かい領域に均一に施すのは機械でも不可能です。

いずれにせよ、メアンダー模様と下地部分の段差が大きく、しかも表面の質感もうまくコントロールされているからこそ、模様がより立体的に浮き上がって見えるのです!!♪

模様の左右の領域は、浅い溝にした上で、極小の点をタガネで無数に打ったマット仕上げをしています。この視覚効果により、メアンダー模様のラインが印象的に惹き立つのです!!!♪

このロケットは19世紀ならではのスーパーハイレベルの彫金が施されていますが、一番の見所は中央部分の彫金です!!

たくさんの柔らかい鳥の羽が舞っているような、何とも優雅な雰囲気の模様。
僕は43年間もこの仕事をやっていますが、このような彫金は今まで見たことがありません!!!!!!♪これだけの超繊細な彫金は、肉眼でははっきりとは見えません。作者もルーペで拡大しながらの極めて難しい彫金だったと思います!!!!!!
連続した曲線だけで、この優雅な模様を彫り出しています。最終的に隙間なくデザインを仕上げるイメージ力の高さ、一度の失敗も許されない作業における集中力。圧巻です!!

この羽模様も表面が磨かれて光沢があるので、二列のメアンダー模様の間で、美しく幻想的に浮かび上がるのです!!!

ジョージアン ゴールド ロケット・ペンダント 

ロケット・ペンダントの場合、彫金は表側だけのものが殆どですが、これは何と表裏とも完全に同じ彫金が施されています!!!♪これだけ珍しいパターンで、かつ超難度の高い彫金を両面に施していること、少なめに抑えた金の使い方からしても、金が非常に高価だったジョージアンの時代に作られた物に違いないのです!!!♪

普通のロケット・ペンダントよりも薄型なので、実際に下げて使うには使いやすいと思います。

ジョージアン ゴールド ロケット・ペンダント 

このロケットペンダントはジョージアンの物だけに、元々は首からではなく、シャトレーンなどに下げる目的で作られた物だとおもいます。

だからバチカンが付いていないのです。
でも、これをお買い上げ頂いた場合は18金でバチカンを作って、ペンダントとして下げられる状態でお渡し致します(販売価格に加工代込み)。

シャトレーン
英国王室御用達 RUNDELL&BRIDGE社
イギリス 1770年頃
ハーフパール、18ctゴールド、ギロッシュ・エナメル

シャトレーンは18世紀から19世紀にかけて男女を問わず使われた独特の装身具で、日常生活の中で使う小物をいつも使えるように下げておくための物です。

左は僕が10数年前に扱った素晴らしい時計付のシャトレーンです。
ロケットペンダントの内部

ヨーロッパでは昔から、愛する人をいつでも身近に感じることができるよう、古くはミニアチュールや髪の毛、今でも写真などを持ち歩く文化が根付いています。ロケットのジュエリーが多いのもそのためです。

日本人にはあまり馴染みがない文化ですが、こういう素晴らしい金細工のロケットは、単にジュエリーとしてだけでなく、写真や何か小さな想い出のある物を入れて使うのも楽しいとおもいます♪

ジョージアン ゴールド ロケット・ペンダント 

中央の超繊細で優雅な羽模様は、光の当たり方で柔らかな輝きが変化するので、手に持って見ているだけでも楽しいのです!!!♪アンティークジュエリー自体、HPのカタログだけで伝えきれるものではないため、どの宝物も実物の方がもっと良いと仰っていただくのですが、こういう、質感や輝きが特徴の金細工はその最たるものだと思います。

このロケット・ペンダントのような、石やエナメルを使っていない純粋な彫金物は、ある意味玄人好みの一般受けしないジュエリーです。でも、僕はこういうスーパーハイレベルの彫金こそアンティークジュエリーだけの醍醐味だと思っていますので、これからもこういう極めて希少価値の高い彫金物は、探し続けたいと思っています♪!!!