No.00005 A Lily of the Valley |
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『A Lily of the Valley』 ヨーロッパ 1880年頃 |
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さらにハーフパールの花で葉と枝が束ねられてあり、その花が、ハートの左下からちょこんと顔を出しているデザインにセンスの良さを感じます!♪ |
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裏と側面の拡大画像をご覧になれば解る通り、このブローチは作りがとても丁寧です。相当に腕の良い職人が作ったんだろうなと感じます!!♪ |
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側面の透かしは糸鋸で挽いてヤスリで仕上げている筈ですが、完璧で美しい仕上げには感服です!♪ 鈴蘭の花の後部はU字型の金線でつないであります。これは可憐で美しい見た目と、耐久力を両立させるための細工なのです!! ここまで気を遣った細工は、アンティークジュエリーでも相当高価な物でなければ見ない仕事なのに・・・・。素晴らしい!!♪ |
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立体感ある作りが良いですね♪ |
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【参考】ヨーロッパにおけるスズラン
ヨーロッパの厳しい冬を暮らしてきたケルト人にとって、スズランは『幸せの象徴』、『春を祝福する花』として古くから大切にされてきました。もともとは森に自生していましたが、16世紀に入ると栽培も行われるようになりました。 |
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1561年、当時11歳だったフランス王シャルル9世は、側近から『幸福をもたらす花』としてスズランの花束を贈られ、とても喜んだそうです。 10歳で即位した幼い王様でした。幼少期に結核に罹り病弱でしたが、先王だった兄フランソワ2世も先天性の持病を抱え、16歳の若さで脳炎で早世しています。そのような背景から、実際の年齢より遥かに繊細な心を持っていたのかもしれません。以降、「宮廷のご婦人たちにも幸せを分けてあげよう!♪」と、毎年スズランを贈るようになったそうです。 これがフランスにおける、5月1日の『スズランの日』の始まりとされます。 |
ヨーロッパでは「スズラン舞踏会」という若い人だけの舞踏会が開かれていました。男性はラペルホールにスズランを一輪さしたりボタンとして装飾したりして、女性はスズランがモチーフの純白のドレスを身にまとって踊っていたそうです。多くの恋や愛が芽生える場でした。 この貴族の習慣が、次第に民間人にも広がっていきました。19世紀になると、庶民の間でもスズランの花が贈られるようになりました。森で摘んできたスズランを束ねて、愛する人に贈るいう習慣は今でも続いています。 イギリスのキャサリン妃の花嫁のブーケもスズランでした。「純粋」「愛らしさ」「幸福が訪れる」という花言葉を持ち、上品で清純なイメージがあるスズランは、まさに女性にピッタリのモチーフです♪ |