No.00083 Quadrangle(クアドラングル) |
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『Quadrangle』-四角形- 時代が移り変わると過渡期は、魅力あふれるデザインのジュエリーが多く存在します。この後期エドワーディアンのネックレスも、エドワーディアンの良さとアールデコの良さ、それぞれが混じり合った魅力があるのです♪ |
エドワーディアンはジュエリーの歴史上、最も天然真珠の人気が高かった時代で、プラチナがジュエリーに初めて使われ始めた頃でもあります。 このネックレスの主役である天然真珠は、変形ボタンパールと言えるような天然真珠らしい形状です。天然真珠は1つとして同じものがなく、形状だけでなく色、照り、質感、どれも個性があり、それぞれの魅力になっています。この天然真珠は天然真珠を見慣れている者にとっても、見たことがないような独特の質感があります。強い照りや輝きとも異なる、白い絹のような優しくて柔らかな光を放っており、それが何とも魅力的なのです。 真珠の頭頂部にうっすらと見える可愛らしいおへそも天然真珠らしくて魅力を感じます!♪おへそを避けて作ることもできたのでしょうけれど、おへそがこの天然真珠のチャームポイントと分かっていたからこそ作者はこのおへそをど真ん中に配置したのだと思います♪ 大半は貝殻の珠であり、安くいくらでも作ることができて美しくもない養殖真珠が、今では全く採れなくなってしまった天然真珠よりずっと高い値段で売られているなんてことは本来あってはならないことなのです!! |
エドワーディアンは天然真珠だけでなく、プラチナもジュエリー市場に出始めたばかりの非常に高価な時代でした。 左の画像にその特徴がよく出ています!表面の薄い部分だけがプラチナで、裏の大部分が金という、ゴールドバックと言われている作りです。プラチナの板と金の板を蝋付けして貼り合わせるのはとても面倒な細工ですが、それでもそうせざるを得なかったのは、プラチナが現代では考えられないほど高価な物だったからです!! 横から見るとお解りいただけるとおり、金属の土台はかなり厚みがあります。ペンダントトップの菱形の分から、丸いダイヤモンドをつないでいる部分の形状はナイフエッジと言います。金属を叩いて鍛えて加工しているため、同じ厚みの現代の鋳造品と比べて金属自体に強度があります。さらに十分な厚みがあるため、正面から見ると"ナイフエッジ"で繊細な印象なのですが、100年以上の年月を経ても使用できる強度があるのです。よく分かっていない"アンティークジュエリー評論家"がエドワーディアンは繊細で壊れやすいとコメントしているようですが、実際はこのように、理論を元に作られた確かな強度があるのです。ヘリテイジでは扱わないレベルの安物エドワーディアンジュエリーは違うかもしれませんが(笑) |
ペンダント上部は2重の四角形で、外側の縁にはミルを打たず、内側にだけミルを打っています。また、そこからダイヤの連結部までのナイフエッジの部分にもミルは打たれていません。これは手抜きをした訳では決してありません!! |
コンディションもパーフェクトです! |
← 天然真珠の裏を見ると、透かしの美しい台座にセットしてあるのが解ります!! ダイヤモンドの裏の窓も美しく、完成度の高い仕上げと素晴らしいゴールドバックの作りは、正にエドワーディアン・ジュエリーの第一級と言えるものなのです!!!♪ |
セーフティ付のボックス型クラスプはエドワーディアンからデコ初期の、オーストリア又はドイツのハイクラスのネックレスに付けられている場合が多いです。買い付けしたときはオリジナルのチェーンが付いていたのですが、あまりにも細くて使用に不安がありました。 チェーンのように、摩擦が避けられないパーツはたとえ強い金属であっても永遠ではありません。安心してお使いいただくため、チェーンのみ現代の耐久性に問題ない太さのプラチナに取り替えしています。クラスプはコンディションも問題なく、クラスプ自体にも価値があるのでオリジナルを取り付けました。 |
ミルも非常にハイレベルで、肉眼で見たときの繊細で緻密な輝きは心洗われます。 ここまで拡大してようやく確認できる通り、この美しいミルは頭が丁寧に丸くヤスリで仕上げられているのですから正に驚異の細工です!! |