No.00092 花籠 |
『花籠』 |
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ピンキーリングにしかできないような非常に小さな指輪ですが、一体どうやって作ったのだろうと、不思議でしょうがない部分があるのです! 実物を見ても、眼の良い人が目をこらさないと気がつかないくらい細かな細工ですが、拡大画像を見ればお解りになるのではないでしょうか? そうなんです!繊細な格子状の模様が見えるでしょ。 これが僕にはいったいどうやって作ったのか、不思議でしょうがないのです!!! 最初は彫金としては不自然に感じる部分があるので(細かさからすると、立体的かつ滑らか過ぎる驚異の仕上具合)、エナメルかとも思ったのですが、45倍の実体顕微鏡で見るとエナメルではないことが解ったのです! |
高性能の顕微鏡で見てようやく分かる、見事な彫金です♪!でも、職人が通常使う倍率の拡大鏡で見ても、よく見えない程の細かな格子模様を果たして彫ることが出来たのかと思うと?????なんです!!彫金するための細い刃物はどうしたのか謎ですし、さらに彫金した後の表面をどうやって仕上げたのかも謎です。 |
この指輪のシャンクには、3カ所ホールマークが打たれています。1つはフクロウです。オーダー品、又は19世紀初期以前の古い年代に作られたため制作時に刻印がなかったものか、フランス以外の国で作られたものが、フランスに輸入された際に刻印された物だということなのです。残り2つの刻印は詳細不明です。各国のオークション会社や、工房などの刻印の可能性があります。刻印を打つようなオークション会社は一定レベル以上の良いものしか扱いません。摩耗具合から言っても、この指輪が古い年代かつ良いものとして扱われてきた証でもあるのです。 |
格子状の見たことのない繊細な細工と表面の摩耗具合、それにベゼルの薄さと細いシャンクなどの特徴。そして、これだけの手間と高度な技術の割に、使われている金の量が少ないのは、イギリスで言えばジョージアン末期(19世紀初期)の金が非常に高かった時代に制作されたからである可能性が高いのです!! |
この指輪には、誰にでも分かりやすい宝石は一切使われていません。しかし驚異的な細工が施されています。このような指輪は、細工の価値が理解できる上級者向けの宝物と言えるかもしれません。 |
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着用画像は小指ですが、かなり指が細い方であれば薬指でも大丈夫ですし、サイズ変更も可能です。退色しないエナメルの性質と、純度の高い金のおかげで200年くらいの時を経た現在でも鮮やかで美しい色を保っています。一見して古いものには見えません。こういう「自分だけに分かる良いもの」、「見える目がある人にだけは分かってもらえる」良いものは、派手なジュエリーとは全く別の楽しさと満足感がありますね♪ |