No.00077 REGARD

ジョージアンの葡萄モチーフのREGARDのロケット・ペンダント

『REGARD』
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント

イギリス 1820年頃
ルビー、エメラルド、ガーネット、アメジスト、ダイヤモンド、18ctゴールド
2,7cm×2,1cm×1cm
重量 5g
SOLD

アンティークジュエリーが好きな方ならすぐにお気づきになられた通り、秘密のメッセージを込めたアクロスティック・ジュエリー『REAGARD』のペンダントです。宝石の頭文字でREGARD(敬愛)のメッセージを表しています♪

Ruby
Emerald
Garnet
Amethyst
Ruby
Diamond
実物大
←↑実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

 

【アクロスティック・ジュエリーの歴史】

フランス王妃マリー・アントワネット(1755-1793)

宝石で秘密のメッセージを伝えるアクロスティック・ジュエリーは、マリー・アントワネットとフランスのジュエリーデザイナーJean-Baptiste Mellerio(1765-1850)が発明したと言われています。最初に制作されたのは、フランス語"J'adore"(大好き)のメッセージを込めたリングでした。

ナポレオン・ボナパルトもこのジュエリーが好きで、最初の妻や2番目の妻にも贈っていたそうです。このアクロスティック・ジュエリーはイギリスでジョージアン時代に人気を博し、ヴィクトリアン時代に大流行しました。代表的な『REGARD』や『ADORE』の他、より個人的なメッセージが綴られたりもしたそうです。贈った人と贈られた人だけが分かる秘密のメッセージ。とてもロマンチックで、流行したのも頷けますね。

 

ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント アンティークジュエリー

REGARDはメッセージジュエリーの中でも特に人気があったため、かなりたくさんの数が作られています。産業革命で余裕ができた、新興の中産階級からのジュエリー需要拡大を受けて作られた、ヴィクトリア時代後期のガラクタのような酷い低レベルの物まで様々なレベルが存在します。

雑誌のアンティークジュエリー特集で『REGARD』が繰り返し紹介されたせいか、日本では売れ筋商品となってしまい、ロンドンで多くの日本人ディーラーが品質関係なくリガード・ジュエリーを買い漁りました。その結果、石が汚くて粗末な作りの物までもが値上がりしてしまったのです。ブラッカムーアやカメオも同様の現象が起きており、向こうでは不思議がられたり、笑いのネタになっています。

リガードでさえあれば国内でとにかく高い値段で売れるからと言って、僕は粗製濫造の高いだけでつまらない物は絶対に扱いません!!このロケット・ペンダントのような優れたリガードでないと扱う意味がありませんから!! 

このリガード・ロケットペンダントは、粒金などジョージアンならではのハイグレードな金細工が施された逸品中の逸品です!!♪王侯貴族の特権階級だけがジュエリーを身に付けることができたジョージアンの時代ならではの作品です。

神技と言える金細工をご覧いただくために拡大画像を掲載していますが、実物は1円玉より一回り大きいくらいのサイズしかないことをイメージしてご覧下さい!実物はかなり繊細で愛らしいイメージです。

ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント 拡大 ベースの部分は、日本の金工に於ける『魚子仕上げ』の技法とほぼ同じ細工で、極小の点を無数に鏨(タガネ)で打って美しい艶消し仕上げにしているのです!!♪

無数の点は一見ランダムに打っているように感じるかも知れませんが、ある程度計算して打たないと、点がつぶれてしまうので、非常に高度な技術を持った職人でなければ出来ない細工なのです!!!
実物の魚子は肉眼では見えないほどの超極小の点ですから、正に神業です!!
これほどの魚子仕上げは、ジョージアンの金細工でも滅多に見ない高い水準の仕事です!!

ベースの部分には魚子の他に三日月のような模様も彫金されていますが、これもまた珍しいものです!

葡萄の房は、1mm以下の極小粒金をいくつも積み重ねて立体的に表現しています。これほど小さな粒金を蝋付けするのは、現代では出来ない極めて難しい技術なのです!!もちろん接着剤で付ける訳ではないんですよ(笑)。蝋付けは金と金を溶接する技術ですが、約1000度の熱で溶ける金よりも低い温度(約700度)で溶ける金蝋(合金)を蝋付けする物どうしの間に挟み、700度の熱を加えると金蝋だけが溶けるので溶接出来るのです。このような極小の粒金は、一つだけでも正確な場所に付けるのは至難の技なのに、連続して付ける場合は一つを付けてその側にもう一つを付ける時に熱が伝わり、先に付けた粒金が外れてしまうので普通なら出来る訳が無い仕事なのです!!

葡萄の茎の部分にもご注目ください!恐ろしく繊細な線を彫ってあるのですが、これもルーペで大きく拡大して見ないと全く分からない細かさです!!こういう仕事は他人に見えても見えなくても関係なくて、とにかく職人のプライドに関わる細工なのだと思うと、本当に感動しちゃいますね!♪

アンティークの中にはどのようにして作ったのかが解らない仕事が沢山あり、興味が尽きません!こういう、もの凄い技術で作られたジュエリーを見ていると、現代の数は数百万から1千万円以上もするブランドジュエリーが如何にくだらない物かが分かるというものですし、アンティークジュエリーの優れた物ほど安い物は無いと思います!

ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント
表と裏両方の縁に多数の粒金を付け、それぞれの周りに二本の金線を縒った縒線を蝋付けしてあるのにも驚きです!!!一体どれだけの手間をかけて作ったのか?現代では到底考えられない手間のかけ方には、本当に感動するばかりです!!
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント
葡萄の葉の彫金も見事ですし、立体的に粒金で巧みに表現した葡萄の房も秀逸です!!♪西洋では葡萄は日本以上に縁起物の植物とみなされています。元々ツルが伸びる植物は生命力の象徴とされていますが、さらにたくさんの実をつける葡萄は「豊穣」「多産」「生命力」の縁起物とされてきました。子孫繁栄だけでなく、縁結びや夫婦円満の縁起物でもあったようです。宝石に込められたREGARDに加えてのこの素晴らしい葡萄モチーフ、このペンダントを贈った方の愛する人への想いをひしひしと感じますね♪♪
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント 裏
裏側も裏側と思えないほど、徹底して細工が施されてあります。繊細で美しい打ち出し、粒金と縒線による巧みな細工は、裏側だとは思えない素晴らしい細工です!!♪
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント 裏

ジョージアンのアンティークジュエリーと言えども、裏までこれだけ立体的で美しい造りの物は滅多にあるものではありません!!
だから小さくても見事な存在感と高級感を感じるのです。実際に身につけた時の、ジュエリーとしての見栄えは相当なものだと思います。 

時には裏を出して下げても誰も裏だとは思わないこと請け合いですね♪(笑)

バチカンも全周に彫金を施した作りは、見事というしかありません!!


ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント 内部 ロケットの部分にはガラスはついておりません。
ジョージアン REGARD ロケット・ペンダント

上記撮影に使っているような、作りが良いアンティークのゴールドチェーンをご希望の方には、別売でお付け致します。いくつかご用意がございますので、ご希望の方には価格等をお知らせ致します(チェーンのみの販売はしておりません)。

現代の18ctゴールドチェーンをご希望の方には実費でお付け致します。 高級シルクコードをご希望の方にはサービスでお付け致します。