No.00104 虹色のアート |
石の奥深くから七色の幻想的な輝きを放つ、素晴らしい遊色効果(プレイオブカラー)のオパールです!!♪ |
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『虹色のアート』 オパール バーブローチ イギリス 1900年〜1910年頃 オパール、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、18ctゴールド 1,5cm×6,2cm オパールの大きさ 0,7cm×1,2cm 重量6,2g SOLD いや〜、指輪にしたくなるような美しいオパールですね!!♪ |
オパールと大英帝国
人類とオパールの歴史は古く、ローマ時代から高く評価されてきました。チェコスロバキアやハンガリーで産出されていましたが、供給量は少ない石でした。 |
ウォルター・スコット (1771-1832) |
ガイエルンシュタインのアン | 古来より愛されてきたオパールですが、実は不遇の時代があるのです。 18世紀から1880年頃まで、「不吉な石である」という信仰が広まり、忌み嫌われていたのです。この信仰はチュートン(ゲルマン)民族の迷信だと思われています。 不吉なイメージが強く広まってしまった結果、この期間のオパールのアンティークジュエリーはほとんど見かけることがありません。 |
そんな中、1870年頃に大英帝国の植民地オーストラリアで、上質のオパールが採れる大鉱脈が発見されました。その遊色効果の美しさは、それまでの採掘地であるハンガリーの人々が「そんなにきらめく石は見たことがない、本物ではない。」というほどだったようです。 大英帝国が、七つの海を支配する最大規模の繁栄を誇ったのがヴィクトリア時代です。経済を発展させ、軍事力を強化し、植民地を増やしてさらに経済の発展を図る。植民地で発見されたオパール鉱脈は、またとない経済振興のチャンスでした。 |
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オパールの不吉なイメージを払拭しないことには、オパールの需要が喚起できません。需要促進、輸出振興のために打たれた1手が、ヴィクトリア女王によるオパールのプロモーションでした。 女王が愛用し、さらに5人の王女の結婚の贈り物に使うなど、積極的にイメージの転換に取り組みました。ファッションリーダーである女王、王族や貴族がオパールのジュエリーを愛好することで、一挙にオパールの人気が高まったのです。 |
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取り尽くせばいずれ枯れますが、鉱脈が発見されたばかりの1880年代から1930年頃までは、特に上質のオパールが産出されていたので、イギリスのアンティークジュエリーの中に最上質の美しいオパールのジュエリーが見られるのです!植民地から上質な石が豊富に採れて、その中から選りすぐりの石を使ってジュエリーを作ることができるのですから当然ですね♪ |
アールヌーヴォー、アーツアンドクラフツの時代になると、さらにオパールは価値が高まりました。ジュエリーにおける「宝石」の位置付けは、価値観よっても異なります。従来から、価値の高い石を使ってジュエリーを作ろうという思想は多くありました。現代ジュエリーはほぼこの思想ですね。一方で当時、ジュエリーのデザインの中で、その石を使うと素晴らしくなるからその石を使おうという思想が、積極的に取り入れられるようになったのです。 このブローチのデザインをご覧ください。楕円形オパールの上下に、正方形フレームのダイヤモンドをセットした、シンプルかつシャープなデザインのバーブローチ。現代ジュエリーの原点と言えるような、シンプルモダンな優れたデザインです!!!♪アールデコ以前のジュエリーとは思えない時代の先取具合です! |
太陽光や白色光、光の角度によって驚くほど鮮やかに色が変化します。まさに、広大なオーストラリアの空にかかった虹が、そのままこの小さな1粒の石に詰め込まれたかのような美しさです♪♪ 最近ではオーストラリア鉱脈も枯れてきて、アンティークジュエリーに使われているような上質のオパールはとても少なくなってきています。 市場には、オパール薄片に石や樹脂を貼り合わせて遊色効果を高めた、おかしなものも出回っています。そのようなオパールしか見たことがない方は、このバーブローチを実際にご覧になったらきっと感動されると思います♪ |
充分な厚みのあるオパールであることが解ります。 小さな輪はセーフティー・チェーンを付けるための物です。 |