No.00102 Lover's Knot

「ラバーズノット」モチーフのシードパールのアンティークジュエリー

『Lover's Knot』
シードパール ブローチ

アメリカ? 1900年頃
天然真珠、14ctゴールド
1,2cm×3,6cm
重量 3,1g
SOLD

左の画像は、ブローチを衣服に着けた際のイメージです。
ピンが隠れるので、真珠でできた紐の、美しい結び目だけが見えるデザインになります。一体どうなっているのか不思議に感じませんか?

実物大
←実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります
シードパール ブローチ アンティークジュエリー

このブローチで表現されているのラバーズノット、恋人結びです。複雑で簡単には解けない美しい装飾結びは、愛する物たちの強い相思愛の象徴なのです♪

さて、そのラバーズノットを表現したこの天然真珠のブローチなのですが、小さな物なのにすご〜く美しいと感じる何かがあるのです!!!♪視覚的にとても新鮮なイメージを感じて、その訳をずっと考えていたのですが、ようやく解りました!!♪

シードパール ブローチ アンティークジュエリー シードパール ブローチ アンティークジュエリー ラバーズノット
通常のパヴェ留めのシードパール ブローチ
SOLD
側面

シードパールのブローチは、左のブローチのように、通常パヴェ留めで天然真珠をセッティングします。半分にカットした真珠を覆輪や小さな爪で留めるため、金のフレームや土台がはっきり見えるのです!しかしながら『Lover's Knot』ブローチに使われているのは全部がそのままの真珠です。細い金の土台に、さらに細い針をたくさん蝋付し、そこに真珠を1つ1つ刺して隙間なく留めているのです。だから正面から見た時、金の地金が全く見えないのです!!!正面から見ると、真珠に金属線を通して連結させ、真珠の紐で形を作ってあるようで実に面白いでしょ!!♪

19世紀後期からエドワーディアンにかけて流行したシードパールのジュエリーは、ほとんどが天然真珠を半分にカットしたハーフパールが使われています。『Lover's Knot』は何とすべてが丸い真珠なのですから驚きです!!!♪ 僕はこういうデザインの天然真珠のブローチは今まで見た記憶がありません!!!

シードパール ブローチ アンティークジュエリー 裏

このブローチが、まるで1本の紐を結んだように立体的に見える重要なポイントは、金の土台を実際に立体交差した形状で作ってることです。立体交差させた土台に合わせて、天然真珠をうまくセットすることで、立体的な真珠紐のラインが表現されているのです!!!♪

シードパール ブローチ

しかも真珠の大きさにもご注目下さい!!

ご覧の通り、大きさがグラデーションになっています。左右とも一番端は少し大きめにしていたり、正面から見たときに奥側にある真珠は小さめのものを使っていたり。一方で手前に位置する箇所には少し大きめのものを並べたり。

金土台の立体的な形状に加えて、真珠の大きさにも効果的にグラデーションを付けることで、正面から見た人に、より立体感を感じさせるための視覚的効果を狙っているのです!!すごい計算ですね♪

天然真珠のブローチ側面
天然真珠(シードパール) ブローチ アンティークジュエリー
正面から見るとまん丸の真円真珠に見えますが、側面から見ると、それぞれ形に個性があります。ボタンパールや卵形、三角お結び型のようなちょっと変形の真珠まで、個性に合わせて向きを考えてセットしているのです。これが、アンティークジュエリーでしか使われていない天然真珠の証しにもなるのです!!♪

横から見ると、紐の結び目のような立体感が出るように、金の土台が作られていることが解りやすいですね♪

天然真珠(シードパール) ブローチ アンティークジュエリー 天然真珠(シードパール) ブローチ アンティークジュエリー
天然真珠(シードパール) ブローチ アンティークジュエリー 天然真珠(シードパール) ブローチ アンティークジュエリー
ラバーズノット・モチーフの天然真珠(シードパール)のアンティークジュエリー こんなに小さな天然真珠だけのブローチで、これほど美しいブローチがあるとは感激です!!♪
ハーフパールを使ったシードパールのジュエリーとはまた違う、新鮮な魅力を感じます!!♪こういう天然真珠の使い方をしたジュエリーがとても少ないのは、天然真珠が貴重で高価だった時代だからなのでしょう!!!

そういう意味では、このブローチは天然真珠の使い方が、当時として考えれないほどの贅沢な物なのです!!!!!♪
裏

フレームはすっきりしたとても丁寧な作りと仕上げです!!

中央に14ctゴールドの刻印があります。