No.00132 ジューシー・ドロップ |
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『ジューシー・ドロップ』 |
コーネリアンの歴史
コーネリアン"Carneol-Kristalle Magic Stones" ©Dieter Weiher.Die Steine gehören zu den Edelsteinen.(selbst)/Adapted/CC BY-SA 2.5 | コーネリアンはカルセドニーの中でも赤色や緋色の石を指します。色は石に微量混ざっている鉄が由来ですが、この力強い赤い色は古代より人類から愛されてきました。 |
最も古いものだと紀元前5000年〜紀元前4000年の新石器時代まで遡り、パキスタンのメヘルガル遺跡から穴が開けられた物が出土しています。 紀元前2500年頃のメソポタミア文明の王家の墓からも、コーネリアンを使った首飾りが発見されています。 |
【非売品】古代ローマの発掘品 | 左は古代ローマの遺跡で発掘された、コーネリアンのインタリオ・リングです。 シャンクが鉄なので特に腐食が酷いですが、発掘された指輪はこのように石以外の部分が傷んで出てくる場合が多いのです。だから古代のインタリオ・リングは、ルネサンス時代や18世紀などに、その時代の様式で作り替えられているのです。 |
ナポレオンとコーネリアン
カイロのナポレオン | 宝石愛好家で有名なナポレオン・ボナパルトですが、その彼が特に愛用し、肌身離さず持ち歩いていたのがコーネリアンのインタリオ・フォブでした。 コーネリアンは幸福をもたらす石として、古来より愛用されて来ました。「倒壊した家の中にも、崩れ落ちた壁の下にも、コーネリアンを身につけた者はいなかった。」という古代の諺もあるくらいです。 |
フォブは現在行方不明ですが、八角形で印銘にはアラビア文字で「しもべアブラハムは慈悲深き神に身をゆだねます」と刻まれていたそうです。 エジプト遠征(1798-1801年)でも肌身離さず持ち歩いており、この大切なフォブは、ナポレオンの最期まで忠実で愛情深いナポレオン崇拝者だった養女オルタンスに渡り、その子ナポレオン三世に引き継がれていきました(背景はこちらも参照)。 |
妻ジョゼフィーヌのために高価な宝石のジュエリーを作らせたり、離婚に際してコレクションの一部を贈ったことでも有名なナポレオンですが、その中にはコーネリアンの豪華なパリュールも存在します。 |
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コーネリアンのパリュールを着けたフランス皇后ジョゼフィーヌ(1763-1814年) |
女性のジュエリーでコーネリアンが使われたものは殆ど見ることがないにも関わらず、これだけのパリュールを見ると、ナポレオンがいかにコーネリアンが好きだったのかが伝わってきますね。 コーネリアンのような、エネルギー満ちあふれる独特のオレンジ色を持つ石は他にはありません。ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなどのメジャーな宝石では表現できない、独特の魅力ある雰囲気を作ることができる石なのです。たくさんジュエリーが作られなかったのがもったいないくらいですね。 |
ピアスには2石ずつコーネリアンが使用されています。緋色の石と、ドロップ型の明るいオレンジでバリエーションを出している所にセンスの良さを感じます。 こういうシンプルなデザインは古いイメージになることがなく、時代を超えたデザインですね。そうは言っても、シンプルながらも現代の鋳造品とは異なる作りの良さや、プラスチックとは違う程よい重さも魅力です♪ |
横 | ドロップ型のピアスは360度どこから見ても美しいのがの魅力です♪ |
撮影用の白テントの中で撮った画像だと分かりにくいのですが、実際には強い光を当てなくても美しい透け感があります。こういう美しさは、半透明な宝石のジュエリーならではですね。 19世紀初期の大きすぎて使いにくいドロップ型ピアスと異なり、小ぶりで重くもなく、日常的にお使いいただきやすいと思います♪ |