ロスチャイルドのお城(1) -フォト日記・初投稿-
これはロスチャイルドの邸宅、ワデズドン・マナーです。所謂ロスチャイルドのイギリスのお城です。私がロンドンへ初の現地買い付けに行った5月と6月は、『The SEASON』と言われる貴族の社交の季節です。普段は天候に恵まれないイメージのロンドンが、1年で最も季節に恵まれ、街中に花が咲き乱れる時期です。いつもは地方にある領内のお城で生活している貴族たちが、この美しい時期、一斉にロンドンに集まって社交を繰り広げるのです。もともと天候には恵まれるシーズンですが、私の滞在中はずっと青空続きで、今までこれほど晴れが続いた時はなかったとロンドンの住民も驚いていました。澱んだ曇り空の下だとお城も陰鬱な雰囲気がしそうですが、この日もスカイブルーの美しい青空の元、迫力のお城の光景です♪ |
©google map |
このロスチャイルドのお城は、ロンドンからオックスフォード方面に向かって車で1時間半ほどの郊外にあります。実はこれまで、私はイギリスどころかヨーロッパ自体、一度も行ったことがありません。海外へ渡航すること自体、中学2年生の時に修学旅行で韓国の釜山に貨物船で行った1回しかありませんでした。 |
【引用】WADDESDON A Rothschild house & Gardens/ Garden walks & maps |
お城は広大な敷地の一画にあります。これは全体の地図なのですが、何となく広さは伝わりますでしょうか。フリーウェイを走りながら車窓から、羊や馬が草を食む長閑な田舎の景色を眺めつつ到着したのが、広大で豊かな緑溢れるこの土地です。The SEASONになると、このお城に貴族のご子息ご令嬢たちが集まり、昼は馬に乗ってお庭を散策したり、咲き乱れる花を見ながら語り合い、暗くなれば夜明けまで飲んで社交を繰り広げるのです。 |
100年以上前に作られたジュエリーであれば、どんな物でも「アンティークジュエリー」と呼ぶことができます。ヴィクトリアン後期以降のジュエリーの大衆化が進んだ時代に作られた、庶民向けの粗雑なジュエリーであってもです。ヘリテイジはアンティークジュエリーの中でも、歴史的、文化的、芸術的に価値ある特に優れた物しか扱いません。一億総中流と言われる現代日本人ではとても想像できないほどの財力を持ち、教養と知性溢れる当時の王侯貴族たちが、特別なオーダーで当時の最高クラスの職人に作らせたジュエリーです。 当時の王侯貴族がどういう生活をしていたのか・・?そういうクラスの品物を扱うアンティークジュエリー・ディーラーになるなら、座学のお勉強だけでなく、実際にこういう場所に来て見て暮らしぶりを想像し、文化を理解しないとダメだよ〜とイギリス人ディーラーに連れてきてもらったのがこのロスチャイルドのお城なのです。優れたアンティークジュエリーは、物を理解して優れた物だけを扱うディーラーからしか仕入れることはできません。このため、仕入れ元のイギリス人ディーラー達も、ジャンクを扱うようなディーラー達と違い知識は広く深く、文化的な教養レベルもとても高いのです。誇りを持ってアンティークジュエリーを扱っています。だから、日本でみなさんにその大切なアンティークジュエリーをご紹介する私にも、知識だけでなくイギリス貴族の文化的理解も高めてほしいと思うのは当然なのですね。なんてありがたい仲間でしょう。Genが42年もかけて築き上げてきた信頼と実績のおかげなのです。私もそのHERITAGE(知識や文化的な遺産)をしっかり引き継いでいかなくては!! |
近くで見ると物凄い迫力でした。中は当時の設えと共に様々な調度品なども展示してあり、美術館として見学することができます。歴史的建築物の保護を目的としてイギリスで設立されたボランティア団体、ナショナル・トラストが現在維持管理を行っています。見学は時間制にしてむやみやたらに人を入れない、敷地内は自家用車NGにして送迎バスを走らせるなど、古い物を大切にして後世に伝えていくイギリス文化にも触れることができました。 |
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