No.00106 フェズを被った男 |
『フェズを被った男』 イタリア(?) 1870年頃 硬くて彫りにくいアメジストを使って、見事なまでに人物を表現した、芸術作品と言えるクラバットピンです!!♪ 360度、完全に立体的な彫刻で、カメオというよりは頭像のミニチュアという方が相応しい作品です。紫色のアメジストが持つ雰囲気と、彫刻で表現された人物の表情が相まって、何とも表現し難い独特の魅力を放っています♪ |
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完全に立体的な造形は、あらゆる角度から眺めて飽きることがありません。 巨大な像と違い、手元でクルクル回して好きなだけ楽しめるのが良いですね♪♪ |
この人物が誰なのかは解りませんが、フェズ(トルコ帽)を被ったムーア人と推測されます。 ムーア人とはヨーロッパ側から見たムスリム(イスラム教徒)の呼称で、中世にスペインなどで接触のあった時代はベルベル人のことを指していました。近世になると、ムーア人はイスラム教徒一般のことを意味するようになりました。 |
オスマン帝国 第30代皇帝 マフムト2世(1785-1839) |
オスマン帝国の地図 | |
フェズは、もともとは現在のモロッコ辺りで用いられていた帽子でした。オスマン帝国がマフムト2世の近代化改革によって文官・武官共に洋装を取り入れることになった際に、従来ムスリムが頭に巻いていたターバンに変わるものとして導入されました。このような経緯があるため、オスマン帝国においてフェズは近代化のシンボル的存在として親しまれ、ムスリムだけでなくキリスト教徒やユダヤ教徒の間でも多く着用されることとなりました。 第一次世界大戦後のトルコ革命でオスマン帝国が倒れ、さらなる近代化を国是とするトルコ共和国が成立すると、かつて近代化のシンボル的存在であったフェズは皮肉にも旧体制のシンボル視されるようになり、着用すると逮捕されるくらい強い着用禁止令も発令されたため、絶滅状態になってしまいました。 かつてはハイカラおしゃれさんのシンボルだったのです。 |
立体的なピンの形状にピッタリと沿った、特注の素晴らしいアンティーク革ケースがついています!! |
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見ているだけでも楽しいですが、ジャケットの襟などに着けるとカッコ良いと思います。このような芸術作品は話題性十分、会話のとっかかりとしても面白いと思います♪ ピンキャッチは付属しておりませんが、ご希望の方には実費で18ctのピンキャッチをお付けします(金価格により変動します)。 |