No.00114 シルバー・カットスチール |
アンティークのハンドバッグは1900年前後のメタルビーズやガラスビーズの物、アールデコのグリーン・クロコダイルは扱ったことがありますが、このバッグのように19世紀初期(イギリスで言えばジョージアン)のハンドバッグはこれが初めてです!! 以前に革のバッグでこの年代の物を一つだけ扱っていますが、革や布のような経年劣化する素材の物で、19世紀初期の物が良い状態で残っていることは極めて珍しいことなのです!!現代のような形のハンドバッグが作られ始めたばかりの時代に作られた、大変貴重なものです。まさにミュージアムピースと言える宝物で、滅多に仕入れられるものではありませんが、一度販売して委託で戻ってきたので今ここでご紹介することができるのです!♪♪ |
『シルバー・カットスチール』 ハンドバッグ フランス 1819-1838年(ホールマーク有) シルバー、布 大きさ 18cm×15cm 重量 100g SOLD |
このタイプのハンドバッグが作られ始めたばかりの、ハイクラスのものとして作られた、デザインと作りが揃ったハンドバッグです♪ |
18-19世紀のヨーロッパのファッションについて
フランスでは、1789年の革命前後で女性のファッションにも大きな変化がありました。 革命前はウエストをコルセットできつく締め、その下は大きく膨らんだドレスというスタイルでした。 革命期は女性の間でコルセットを外したファッションが流行しました。 革命後、上流階級の女性は胸の下から布がストレートに落ちる、エンパイアラインのドレスを愛用するようになりました。 "ディレクター・スタイル"、"エンパイア・スタイル"、"リージェンシー・スタイル"などと呼ばれています。 革命前のファッションだと、ウエスト周りの大きく膨らんだドレスのポケットに持ち物を入れておくことができました。しかしながらその後流行したタイトなシルエットのドレスでは、ポケットに物を入れて持ち運ぶことができません。そこで登場したのが『レチクル』と呼ばれる、現代のハンドバッグの原型です。 |
物入れを持つというスタイルが生まれ、レチクルが進化し、現代の形に近いものができて間もない時代に作られたハンドバッグです。それにも関わらず、全くデザインに古さを感じさせません。カットスチールのようにデザインされた留め金の銀細工は、むしろモダンな印象さえあります!!♪優れたデザインは時代を超越するのです♪ |
デザインだけではありません! このハンドバッグが如何にハイクラスの物として作られたかの証しです!! |
一見古い年代のカットスチールのような、珍しい彫金です!! |
中の布張りも良い状態です!蓋もちゃんと閉まります。 |
フランスのシルバーのホールマークが打たれています。メイカーズマークらしき刻印もありますが、詳細は不明です。 このハンドバッグは銀の金具の作りが素晴らしく、19世紀初期ならではの見事な彫金です。もし将来、布の部分が傷んだら、銀の金具を活かしてバッグを作るだけの価値は充分あると思います!! |
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