No.00110 愛のシャムロック |
|
||||
『愛のシャムロック』 ダイヤモンド ギロッシュエナメル ブローチ アイルランド 1880年頃 オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ローズカットダイヤモンド、レッド・ギロッシュエナメル、シルバー&ゴールド(15〜18ct) 3,4cm×2,5cm 重量 6g SOLD 厚みがある印象的なレッドエナメルと、上質なダイヤモンドを贅沢かつ美しく配した、高価な作りのシャムロック・ブローチです♪ |
日本でも馴染み深いクローバーは、ヨーロッパが原産の多年草です。 江戸時代に、オランダからガラスの器を輸入する際の梱包材として使われていたため、「白詰草」という和名が付けられました。公園でもよく見かける雑草のイメージが強いと思います。 可愛らしい形やラッキーアイテムの印象があるため、ジュエリーでもわりとよく見かけるモチーフですが、高価なジュエリーに使われる印象はない方が多いと思います。 |
聖パトリック(387?-461年) | アイルランドの国章はハープ、国花はシャムロックです。 聖パトリックの命日、3/17はアイルランドの祝日です。シャムロックを身につけたり、ミサに行く伝統が何世紀も前から受け継がれており、シャムロックはアイルランドの大切なシンボル的存在なのです。 |
聖パトリックはシャムロックの3枚の葉をそれぞれ、父なる神、子イエス・キリスト、聖霊に例え、それらが1つの茎でつながっていることを示して三位一体を説きました。 17世紀、アイルランドではイングランドにより、アイルランド語とカソリックの信仰を禁止された状態にありました。抑圧に対するナショナリズムの表現としてシャムロックを身に付けることが行われたりもしましたが、その弾圧下、19世紀には身につけることで捕まって処刑されることもあったそうです。 アイルランド人にとって、シャムロックにそういう特別な意味があることが解れば、このように特別にお金をかけて作られたシャムロックのブローチが存在するのか理解しやすいのではないでしょうか。 |
ゴールドに放射状の繊細精緻な細い線を彫った、実に美しいレッド・ギロッシュエナメルです。エナメルは通常よりかなり厚みがあり、釉薬を塗って炉で焼く作業を何度も繰り返したはずです。赤いエナメルに十分な厚さがあり、さらに下地の金を反映しているからこその実に美しい色合いです♪ エナメルの中央には上質なオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドがあしらわれ、外周にもオープンセッティングの上質なローズカットが配されている、実に贅沢な作りです。 |
横からご覧いただくと、より立体感を感じていただけると思います。ギロッシュエナメル部分は下地のゴールド自体も凸状に作られており、そこへさらに厚くエナメルを塗っているので、平面にエナメルを厚塗りする以上に立体感が出ているのです!!♪ |
オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドは、いずれも台座に高さを出して留めてあります。 |
裏を見ると、ローズカットダイヤモンドの窓の開け方がキリッとした美しい仕上がりです。茎の部分まで完璧です♪こういう完成度の高い仕事が、良い物として作られた証しなのです!ピンはセーフティ付です。 |
シャムロックはアイルランドの人々にとって幸せの象徴でもあり、婚約の際に恋人に贈ったり、母親が子供にお守り代わりに渡すこともあるそうです。 シャムロックは通常緑色ですが、このブローチはハート形の葉っぱが赤いエナメルで表現されています。キリストの血、情熱の赤・・。貴族の特別なオーダーで作られたはずのこの素晴らしい作りのブローチは、愛する人への贈り物だったのかもしれませんね♪ |