No.00148　大自然のアート

皆さんはこの模様を見て何を想像されますか？

これはデンドライトアゲート、別名ピクチャーストーン、ランドスケープストーン（風景画のような石）とも言われる石を使った作品です。自然が作り出した、想像力をかきたてる面白い模様が魅力で、古い時代から知的な貴族階級に特に好まれた石です。

『大自然のアート』
デンドライトアゲート　プレート

イギリス　19世紀後期
デンドライト・アゲート、ヘソナイト・ガーネット、シルバー
9,5cm×12,2cm
¥387,000-（税込10%）

デンドライトアゲートの模様は、不純物が偶然植物のような模様を作り出した大自然のアートです。世界に1つとして同じ模様はありません。

『ロスチャイルド家の手帳』
イギリス？　1760年頃
デンドライトアゲート、宝石、アイボリー、ゴールド

左はイギリスにあるロスチャイルドの城（邸宅）、WADDESDON MANORに展示されていたデンドライトアゲートの手帳です。まさかこういう素晴らしい物が見られるなんて予想もしていなかったので、思わず魅入ってしまいました。

ルビーやエメラルドも一応使われてはいますが、あくまでもデンドライトアゲートの引き立て役です。これぞ芸術作品です♪

デンドライトアゲートは、大自然が偶然に生み出した造形です。謂わば『神様の作ったアート』なのです。狙った大きさ、狙った造形で手に入ることはありません。

本作品に使われている石がいかに稀少な物か、サイズを比較するとお分かりいただけるのではないでしょうか。

アゲートの隙間に二酸化マンガンや酸化鉄が進入し、徐々に沈殿しながら樹木のように成長していくことでデンドライトアゲートの模様が形成されます。偶然が作り出す模様ですから、当然ながら世界に1つとして同じものはありません。その中でも本作品は、サイズと言い、造形の面白さと言い、よくぞ自然がこのようなアートを作り出したものだと感動します♪

裏から光を当てるとよりいっそうファンタッジクです！！♪実に想像力をかき立てられます。見ていて飽きることがありません。

このデンドライトアゲートがどれだけ珍しくて貴重な石なのかは、素晴らしいフレームを見れば一目瞭然です。フレームに配された美しくカットされたオレンジ色の石は、ヘソナイト・ガーネットです。ヘソナイト・ガーネットは高価なジュエリーにも使われる、ボヘミアンガーネットなどより希少価値がある美しい宝石です。それをこれだけの大きさで、且つこんなに沢山留めているのは驚きです！

しかも石の一つ一つを、わざわざ綺麗な形のフレームに留めている、手の込んだ作りです。フレームの最外周は、シルバーの美しい透かし細工になっています。相当なお金をかけてこの作品が作られたことは間違いありません。このデンドライトアゲートが如何に貴重で魅力ある石であるかの証しなのです。

フレームはシルバーですが、ヘソナイト・ガーネットの贅沢な使い方からして、お金がなくてゴールドにしなかった訳ではないと思います。これがゴールドだと、いかにも成金らしくセンスがない雰囲気になってしまいます。稀少でアーティスティックなデンドライトアゲートが台無しです。だから敢えてシルバーを使ったのだと考えています。現在は黒くなっていますが、お好みによってシルバークロスで磨けば酸化していない銀の色にすることも可能です。

ご覧の通り、石の裏側は表とは全く違う造形です。よくぞ最高の景色を楽しめる位置で、このデンドライトアゲートを切り出し断面を出せたなと感心します！♪
シルバーのフレームも充分な厚みのある、しっかりした良い作りです！！♪

下げられる金具がついています。大きさの参考までに、ネックスタンドに着用させてみましたが、これをペンダントにするのは無理でしょう。そのまま壁掛けもできますし、額装してお楽しみ頂くことも可能です。額装代は見積もりをお出し致します。

それにしても、この作品がどういう人たちの目と頭を楽しませていたのかも興味が尽きません。それこそ王侯貴族が贅沢な設えの部屋に、調度品の1つとして飾っていたのでしょうけれど、持ち主はこれを自慢しながら「私にはこのように見える」など、素敵なお客様と知的な会話を楽しんでいたのでしょうか・・・。