No.00068 サラセン人

ジョージアンの芸術的なオイスターシェル・カメオ『サラセン人』

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ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

『サラセン人』
ジョージアン オイスターシェル・カメオ ブローチ

イギリス 19世紀初期
オイスターシェル、オニキス、15ctゴールド
2,5cm×1,8cm
重量4,3g
SOLD

 一円玉ほどのとても小さなカメオですが、ベースの色がブルーグレーの独特な色であることと、裏にオニキスを当てて強度を出していますので、このカメオはジョージアンのオイスター・シェルを彫ったカメオに間違いありません!!
天然の牡蠣の殻を使うオイスターシェルは、小さい上にベースの部分がとても薄いため、オニキスなど固い石の上に乗せてフレームを作る場合が多いのです。

カメオを彫ることができるオイスターシェルは当時でもとても少なかったようで、作品数が非常に少なく、オイスターシェルカメオは滅多に見ることの無いカメオです!!!
通常は上部の白い層も薄いため、ドーム型の吹きガラスでカバーされている物が多いのですが、このカメオは白い層が厚い上、さらにその上に茶色の層を持つ三層の極めて珍しいオイスターシェルが使われているのです!!!!

ジョージアン オイスターシェル・カメオ
『サラセン人』

一番上の茶色の層を彫り残して、ターバンを冠ったサラセン人の濃淡ある髭と眉毛や瞳を巧みに表現した、実にアーティスティックなカメオです!!!♪
単に細部まで緻密に彫ったカメオはあっても、このサラセン人のカメオのような芸術性の高いカメオは、滅多に見られ無い希少性の高いカメオなのです!!!!

「サラセン人」とはキリスト教から見たイスラム教徒の呼び名で、貴族の紋章にも好んで使われたモチーフです。それは十字軍に由来することかも知れません。下の画像のウィロービー男爵家の紋章にもサラセン人が彫られています。

アンティーク フォブシール 紋章 サラセン人

紋章の構成要素として、上部の人頭部は『クレスト』と呼ばれ、一族で共有します(日本の家紋に似ています)。

”公爵の冠を被ったサラセン人”いうユニークなモチーフですが、紋章やパブの看板などによく使われています。エスカッシャン(盾の部分)には、斜め格子に細かい模様が彫ってあります。エスカッシャンの大きさは1cmくらいしかないので、いかに精緻な彫りか解ると思います。これは単なる技巧の見せつけではなく、意味があって施されているのです!

紋章の最下部に構成されたモットーは、ノルマン・イングリッシュ(フランス語に近い)で、
 Virtue sans peur
 恐れ無き徳
と書かれています。正式なものと少し異なっていますが、これはシールの持ち主が紋章を継承する際、モットーに変更を加えたものと推測されます(モットーは他の要素と違い、紋章の要件に含まれていません)。


ジョージアン オイスターシェル・カメオ
『サラセン人』
ジョージアン オイスターシェル・カメオ
『サラセン人』
側面から見ると、オイスターシェルとしては極めて珍しい、厚みのある三層の貝を巧みに使っていることがよく解ります!!
ベースの色は、画像のようなブルーグレーです。
裏 下にオニキスを敷いています。

ピンを取って金具を生かしてペンダント用の金具を作ることも可能です。見積もりをお出し致します。