No.00100 幕開けの華 |
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『幕開けの華』 |
ヴィクトリア女王の即位50周年(ゴールデン・ジュビリー)の儀式(1887年) |
みなさん最初のモノクロ画像に???と思われたでしょうか? ジュビリーエナメルのジュエリーは、ヴィクトリア女王即位50周年記念の年に作られた物です。夫アルバート公が1861年に亡くなって以降、その深い悲しみから女王は長い間喪に服していました。1887年、即位50周年記念の年に、ようやく黒い喪服を脱いだのでした。 |
ヴィクトリア女王 | 参考ジュエリー | |
ウィットビージェット ネックレス イギリス 1860年〜1870年頃 ウィットビー産ジェット(黒玉) SOLD |
『クラシック・ハート』 ピケ ハート型 ロケット・ペンダント イギリス 1870年頃 SOLD |
アンティークジュエリーがお好きな方ならその名をご存じの方も多い、ジュリアーノのエナメルジュエリーの影響もあり、明るく華やいだ雰囲気の中、透明感ある華やかで美しいジュビリー・エナメルが大人気になったのでした。 ジュリアーノとは、白もしくは黒いドットを使った独特のエナメルで一世を風靡したジュエリー作家です。 |
エナメルで表現された、青い艶やかな4つのオープンハートの中に燦然とクリアな輝きを放つオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド。透かしで表現された全体のデザイン。面積は少ないながら、色彩の華やかさを効果的に感じさせてくれるオレンジ色のエナメル。このブローチの軽やかで洗練されたデザインは、19世紀中期の装飾過多に落ちいった、重く垢抜けしないジュエリーとは全く別物に感じます!!♪ 細工をご説明するためにかなり拡大しているので、このブローチの繊細な雰囲気が伝わりにくいと思いますが、実物はとても繊細な雰囲気です。僕はこういう繊細で完成度の高いアンティークジュエリーこそ、日本人の女性に似合うのではないかと思っています!!♪ |
カルロ・ジュリアーノ (Carlo Giuliano 1831-1895)
作 エナメル ペンダント
制作年代 1880年頃 SOLD |
ジュリアーノは、ローマで古代のゴールド・ジュエリーのインスピレーションを得た作品で有名なカステラーニに師事し、1867年からロンドンで独立してロバート・フィリップスを始めとする著名なロンドンのジュエラー向けに製作を行いました。 |
ジュビリーエナメル SOLD |
これもジュビリー・エナメルのジュエリーです。 ご覧の通り、ジュリアーノのエナメルもジュビリー・エナメルも、白い艶消しのエナメル(オペイク・エナメル)に黒いドット、または黒のエナメルに白いドットを付けているのが普通です。 |
広い面にギロッシュエナメルを施したジュエリーはたくさんありますが、このブローチのエナメルはとても細い線です。画像では解りやすいよう、強い照明でエナメルを透かしているので、青いエナメルの地金にも模様が彫られていることがよく分かります。しかし実物はかなり注意深くみないと、まさかこんな細い線にギロッッシュエナメルが施されているとは気づけません。さらにそのブルー・ギロッシュエナメルの上に、白いドットを付けているのです!!!♪ |
エナメルの厚みを出すには、釉薬を重ねて焼き付けるという行程を何度も繰り返さなければなりません。この類い希なギロッシュエナメルは、約1mmしかない狭い線上に施してあるにも関わらず、何度も炉に入れてエナメルを積み重ねたらしく、半透明でありながらも厚みのある、目を見張る美しさなのです!!オレンジのギロッシュエナメルの地模様も珍しい物で、これも実に美しいエナメルです!!♪ |
オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドはとても上質な石が使われています。ダイナミックなシンチレーション(光の動き)や美しいファイヤー(虹色の輝き)を強く感じられる、アンティークジュエリーならではのダイヤモンドです!!♪ ダイヤモンドは6本の金の爪でしっかりと留められていますし、小さなハーフパールも覆輪留めで、とても丁寧な留め方なので、安心してお使い頂けます!この時代はダイヤモンドを留めるのに銀の爪を使うのが通常ですが、華やかな雰囲気が好まれたジュビリー・エナメルらしく金の爪にしたのかも知れません。 |
ダイヤモンドのカットは、ブリリアンカットよりもテーブル(平らな面)が小さく、ダイヤモンド全体の厚みがあります。現代の平たくて個性がなく、チラチラとしか輝かないブリリアンカットとは一線を画す、オールドヨーロピアンカットの特徴です!! |
裏も綺麗に仕上げてあります。 |
エレガントな形状の、とても丁寧な作りのストッパーが付いているのも良いですね!♪ |