No.00176 クラシック・ハート |
とても珍しい、ロケット付きのハート型のピケ・ペンダントです♪ |
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『クラシック・ハート』 人気のハート型ピケのペンダントです。全面に象嵌が施された物と違って、身につけた時に派手になりすぎず使いやすいのが魅力です。 |
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<ピケの歴史>
イタリアで考案
ピケは1600年半ば頃にイタリアで考案され、主に教会の祭祀用具として作られていました。 |
フランスでの発展
象牙細密彫入りのピケの小箱 フランス 1780〜1800年頃 オリジナルボックス付 SOLD |
それがフランスに伝わり、技術が飛躍的に進化しました。最初に作られていたのは主に小物入れなどの箱です。 |
ユグノー戦争での迫害によるピケ職人の渡英
フランスのユグノー戦争『サン・バルテルミの虐殺』(フランソワ・デュボア 1572-1584年) |
1517年に神聖ローマ帝国で始まった宗教改革により、フランスでも1562〜1598年の40年間近くにわたり『ユグノー戦争』と呼ばれるカトリックとプロテスタントの内戦がありました。ユグノーとはカトリック側からのプロテスタントの呼称です。上の絵はフランソワ・デュボアによる『サン・バルテルミの虐殺』で、この時もカトリックによりユグノー数千人が虐殺されています。 |
『パリでのカトリック同盟の武装行進』(1590年)カルナヴァレ博物館 |
血なまぐさい歴史を重ねつつ、最終的にフランスでプロテスタントが非合法化されると、ユグノーの多くは改宗ではなくフランスを去ることを選びました。この時ユグノーの様々な職人たちが、その技術と共にヨーロッパ各地に移動することになったのです。 |
イギリスでのピケの流行
『知性の雫』 ドロップシェイプ ピケ ピアス イギリス 1860年頃 SOLD |
こうしてイギリスにもピケの技術が伝わりました。 それまでは小物入れなどの技法だったピケが、19世紀初期頃からジュエリーにも用いられるようになりました。 |
『白鷺の舞』 舞踏会の手帳(兼名刺入れ)&コインパース セット イギリス 1870年 SOLD |
南洋のウミガメの甲羅という素材としての面白さに加え、ピケのクラシックな雰囲気がイギリス人好みだったこともあり、ピケは1850年代から1880年代にかけて特に大流行することになります。 |
ハートのモチーフ
ご紹介しているこのハートのピケは、そんなピケ全盛期に制作されたものです。 |
上のハートペンダントは全体に象嵌細工が施されており、着けるとかなり華やかですが、ご紹介のペンダントは敢えて引き算したデザインのような、すっきりした印象が特徴ですね。 こういうシンプルモダンなピケは意外とありそうでないのです。どちらが良いかはお好みでと言う所ですね。 |
【珍しい特徴】ロケット付き
ピケ ブローチ イギリス 1870年頃 SOLD |
通常、ピケブローチの裏側はこのような形状になっており、ロケット等は付いていません。 |
先ほどのハート型ペンダントの裏側は立体的な形状です。コロンとしていて、可愛らしいです。 |
ご紹介のペンダントは、写真などが入れられるロケットになっています。現在入っているのは布です。このようなロケット付きのピケのペンダントは、44年間で初めての珍しいものです。写真については『プティ・バッグ』で歴史的背景をご説明していますが、実用的な写真撮影技術が開発されて、ヨーロッパに写真が熱狂的に普及し始めたのは1840年代のことです。デジタルでいくらでも誰でも気軽に写真を撮影し、プリントまでできる現代と違い、このペンダントが作られた時代は写真を1枚撮るだけでも一張羅を着て、お金をかけて撮影に臨んでいた時代です。そういう特別な物を入れるための特別なペンダントだったことが分かりますね。他には見たことがないので、特別にオーダーされたのかもしれません。 |
全体のコンディションも良好です。ピケは象嵌細工が一番の見所ですが、艶々に輝く『鼈甲』という素材自体の美しさもまた魅力の1つですね。 |
サイズ感を伝えきれるか分かりませんが、宝物をいろいろと並べて撮影してみました♪ |
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派手すぎず地味すぎず、使いやすいペンダントです。シックで品がありながらも、ハート型特有の可愛らしさを併せ持つのが魅力ですね♪ | ||
撮影に使っているような、作りが良いアンティークのゴールドチェーンをご希望の方には別売でお付け致します。いくつかご用意がございますので、ご希望の方には価格等をお知らせ致します(チェーンのみの販売はしておりません)。現代の18ctゴールドチェーンをご希望の方には実費でお付け致します。高級シルクコードをご希望の方にはサービスでお付け致します。 ピケについて詳しく知りたい方は下記のページをご覧下さい。 |