No.00166 FULL MOON

青い満月のようなブルーシラーを放つ本物のムーンストーンのネックレス

クリアな美しさが際立つ、満月の光を閉じ込めたような幻想感と清涼感溢れるムーンストーンのネックレスです♪

 

天然ムーンストーンのアンティーク・ネックレス

『FULL MOON』
ムーンストーン ネックレス

イギリス 1890年頃
ムーンストーン、15ctゴールド
チェーン:40cm(ボックス型クラスプ付き)
石の大きさ:0.7cm×0.7cm〜0.5cm×0.5cm
重量:6.3g
SOLD

ムーンストーン ネックレス
←↑実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります
クラックやインクリュージョンがとても少なく、透明感溢れる上質なムーンストーンを使ったネックレスです。
ガーネットやアメジストなどの色の濃い宝石が人気だった19世紀中期とは違い、19世紀後期の洗練された時代らしい淡く幻想的な雰囲気が魅力です。ゴールドを使った作りが、このムーンストーンが上質な物として評価されていた証です。

 

ムーンストーンについて

ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー 青く幻想的な光を放つムーンストーンは「月光が結晶化した石」、「月光が閉じ込められた石」などとも言われ、不思議な力を持つ宝石として古来より愛されてきました。

独特の雰囲気がルネ・ラリックなどのデザイン性の高い作家からも好まれ、アールヌーボーの時代に特に人気になります。

現代でも人気の石ですが、実はムーンストーンとは異なる石が"ムーンストーン"と呼ばれて数多く出回っていることをご存じでしょうか?

本物のムーンストーンをきちんとご覧になったことはありますか?

外観が類似した長石類

ブルー・ムーンストーン。いかにも名前が良いですよね。

「ムーンストーン」はルースも含めてたくさん販売されており、珍しくはない宝石というイメージの方も多いかもしれません。現状を知らないまま、シラーのある石は全てムーンストーンだと思っていらっしゃる方も少なくないはずです。

ムーンストーンは長石類に属します。長石と言われてもイメージが湧く方は少ないでしょう。長石はアルカリ金属やアルカリ土類金属などのアルミノ珪酸塩を主成分とする三次元構造のテクト珪酸塩の一種で、これら複数の鉱物種を総称した呼び名です。だから長石と言っても、具体的に特定の石をイメージするのは無理です。

この長石類に属するサニディンあるいはアノーソクレースの中で、外観の美しいものが宝石としてムーンストーンと呼ばれています。ややこしいですね(笑)

鉱物学的なことはどうでも良いですが、この長石類の中にはムーンストーン以外にもシラーを持つものがあります。ラブラドライトやペリステライトなどです。

これらの石も美しければ宝石に分類されたかもしれません。しかしながら上質なムーンストーンは透明度が高いことに対して、ラブラドライトやペリステライトはシラーが出るだけで、インクリュージョンが多く透明感は殆ど感じられません。パワーストーンとしては成立するかもしれませんが、稀少価値と美しさを兼ね備えなければならない宝石としては成立していません。

実際ムーンストーンが宝石に分類されることに対し、ラブラドライトは準貴石とされています。

レインボー・ムーンストーンの正体

レインボー・ムーンストーンという名前をお聞きになったことがあるでしょうか?
それが何なのかご存知でしょうか?

ブルー・ムーンストーンがムーンストーンの一種なので、レインボー・ムーンストーンもそうだと思いますよね。でも、レインボー・ムーンストーンはムーンストーンではありません。

ラブラドライトを『レインボー・ムーンストーン』という名前で販売しているのです。詐欺まがいとしか思えません。ラブラドライトだって宝石ではなくても、シラーを放つ面白い石なのだから正式名で販売すれば良いのに、ムーンストーンの名を語る方が高い値段で売れるからでしょう。見た目や質は同じでも、ブランド名があるか否かで出せる金額が変わるのが、美的感覚がない成金思考の人たちです。現代は残念ながら、そういう人たちが主要購買層なのです。

【参考】ホワイト・ラブラドライトのアクセサリー(現代)

ホワイト・ラブラドライトは、間違ってブルー・ムーンストーンあるいはロイヤルブルー・ムーンストーンとして販売されていることもあるそうです。

ムーンストーンの中でも最上級の石にしか命名されないはずのロイヤルブルー・ムーンストーンが、安くてたくさん販売されることはまず有り得ないのですが、こういう状況にあるため、現代ではムーンストーンに安くてありふれた美しくない石というイメージが付いてしまったのです。

現代の市場で見るムーンストーンと呼ばれる石は、ムーンストーンではない可能性が高いことを知っておくべきなのです。

ムーンストーンのインクリュージョン

ムーンストーン ネックレス
アンティークのハイジュエリーに使用されるクラスの、本物の上質なムーンストーンはインクリュージョンが少なく透明度が高いです。それでも天然の石なので、拡大すると一部にはインクリュージョンがあったりします。画像左の石にご注目ください。
ムカデ・インクリュージョンが入った本物のブルームーンストーン

これは宝石学者が『ムカデ』と呼ぶ応力亀裂で、ムーンストーンの最も特徴的なインクリュージョンです。

本物のムーンストーンの証明と言えますが、だからと言って多すぎたら宝石として美しいとは言えなくなります。

現代においても、ムーンストーンはインクリュージョンがない物が良質とされています。

GIA(Gemological Institute of America:米国宝石学会)でも、「良質のムーンストーンは、ほぼ透明で、可能な限り内包物がないものです。内包物は、青色閃光を妨げてしまう可能性があります。」と定義しています。

もちろん、そのような透明度の高い石は非常に稀少です。

 

ムーンストーン ネックレス
ムーンストーン ネックレス
ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー

ムーンストーンのブルーシラーは角度に依るので、画像ではシラーが出ていない石もありますが、いずれも透明度の高い美しい石が使われています。

 

ムーンストーン ネックレス アンティーク

現代では低品質のホワイト・ラブラドライトがレインボー・ムーンストーンとして販売されるなど、あまり美しくもなく高価ではない石というイメージがついてしまったムーンストーンですが、透明度の高い上質なムーンストーンはこのネックレスが作られた当時も貴重で高価なものでした。それはゴールドを使った丁寧な作りからも分かります。1890年頃は既にジュエリーの大衆化が進行し、安価なシルバーやそれ以下のメタルを使ったジュエリーも数多く作られています。

オリジナルのアンティーク・チェーンと、ボックス型クラスプが付いています。ネックレスとしてはシンプルなデザインながらも、アンティークらしいクラスプがついているのも魅力ですね。



←↑実物大
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小比が分かります

幻想的なシラーと、透明感ある石の清涼感が何とも魅力的です。シンプルなので様々なコーディネートに合わせて楽しんでいただけます。シラーは角度によって変化するので、身につけた時がこのネックレスが一番綺麗な時だと思います♪

ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー ムーンストーン ネックレス ヴィクトリアン アンティークジュエリー

丸くカットされた満月のようなムーンストーンは、暗い場所では三日月が見えたりすることもあり、ムーンストーンには興味がなかった方にも新たな魅力を感じていただけるのではないしょうか。まさに月の光を閉じ込めたかのようですね♪

 

ムーンストーンを使った販売中のジュエリー

ロシアン ムーンストーン ブローチ ヴィクトリアン アンティークジュエリー ダイヤモンド 満月
『ロシアン・ルナ』
ロシアン ムーンストーン ブローチ

ロシア? 1880年〜1890年頃
ムーンストーン、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、極小ローズカットダイヤモンド、14ctゴールド、銀合金(銀:67.5%, 金:18.2%, 銅:14.1%)
SOLD