ロンドンのハイ・ストリートを視察
広大な自然の景色が広がっていたハムステッド・ヒースとは打って変わって、ここはロンドン市街です。この日はハイストリートの視察が目的でやってきました。NYと比べても、やはり世界の文化や経済の中心はロンドンだと感じるはずだから1回は見ておかなきゃダメだよとイギリス人ディーラー達に言われての視察です。みんなNYにも当然行ったことはあっての発言です。確かに私は活動が引きこもりすぎですからね〜(笑) 階級差が希薄、かつ洋装ファッションの歴史が浅い日本ではTPOに合わせて装いを変える意識が一般的に薄いのですが、ロンドンのハイストリートに並ぶ高級店では不相応な格好で行くと門前払いを喰らうと聞きます。実はブラック・エナメルの11cmピンヒールはこの時に備えてのものだったのでしたー♪まあ、世界中から観光客が集まる場所でもあるので、よほど酷い格好でなければ店内に入れてはもらえるようですが、一流の接客を体感できないと視察の意味がありませんからね。常連でない上に、買わない一見さんに一流の接客をしてくれるかは怪しいところですが、いかにも安い装いで高級店に入るような無礼な行動は美しくありませんしね。 |
||
なぜかマイアミTシャツの人がいますが、ここはアメリカではありません。もちろんイギリスです(笑)。 通りの正面に見えたショーウィンドウのマネキンが凄すぎて、イギリス人はこんな格好もしちゃうのかと思ったらヴィクトリアズシークレットでした。けったいな下着ファッションでも、スタイルも顔も抜群のエンジェルが着ると様になります♪買う一般人はいるのでしょうか。私は無理です。絶対に着こなせません!(笑) |
まだ午前中ですが、この時がロンドン滞在中で一番曇っていました。他は全部、快晴と言って良いくらいの青空でした。世界気象機関の定義に基づいた気象庁における観測上の定義によると、「快晴」とは空全体に対して雲の占める割合が1割以下の状態とされているようで、中学生の頃に理科で習った気もしますがまあどうでも良いです。だいたいロンドンはすごく晴れていました(笑) ちなみに左の画像に日本車がありますが、ここは日本ではありません。右の画像にはドイツ車も見えますが、ここはドイツでもありません。もちろんイギリスです。ロンドンは人種のるつぼとは聞いていましたが、本当に何でもありですね〜。 |
ロンドン市街も含めて、至る所に本物のお花が溢れています♪ステッキを持つイギリス紳士もカッコ良いですね。ステッキを使いこなすジェントルマンを本場で拝見できるなんて、ラッキーです♪ |
ステッキと言うことで一瞬このロッククリスタルのスワンを思い出しましたが、このスワンはステッキではなく傘の柄だそうです。Genがベルヴィー赤坂時代に偶然手に入れたという、ファベルジェの見事な作品です。TVや雑誌で紹介されるようになってから『ファベルジェ』がたいそうなブランドのようなイメージが世間一般に浸透したようですが、これはそれ以前に入手したものです。皆が注目するようになってから仕入れ始めるようでは才能あるディーラーとは言えませんから、さすがGenという感じです。でも、いろいろあって手放すはめになったようです(そういうのもさすがGenという感じなのですが)。 でも、過去だけを見て、残念がって終わるのもナンセンスです。お隣の店は何かなとちょっと見てみると、何とファベルジェのオーソリティ・ショップと言えるWartkiの隣に『FABERGE』の店がオープンしていました。思わず失笑です。現代ジュエリー業界の「今」が見えてくるという物です。日本でもアンティークジュエリー好きには有名なファベルジェですが、ワールドワイドで見ると本物のファベルジェと言うだけで驚くほどのプレミアム価格が付くほどブランド化しています。ピーター・カール・ファベルジェ(1846-1920年)自身は職人ではなくプロデューサーなので、職人を2千人くらいかかえて作品を制作していました。だから意外と品質もピンキリで、刻印があって本物であっても大したことない作品も存在します。それでも刻印があれば容易にプレミアム価格がつきます。日本人のブランド好きは異常ですが、西欧人でも自身の絶対感覚で良いものを見極めることができる人は少数派です。そこに目をつけたのが現代版「FABERGE」の仕掛け人です。存在は知っていましたが、ディスプレーを見てあまりのジュエリーのチャチさにひいてしまいました。検索してみればお分かりいただけると思いますが、アクセサリーというか、もはやオモチャです! でも、美的感覚がないと「FABERGE」の刻印があるからとか、人気の「エッグ」だからという理由だけで価値ある物という判断になるのでしょうね。商売人側にとっては、分かりやすくやりやすいのです。だから品質そのものではなく、ブランドのプロモーションにお金をかけるのです。モノ自体には値段分の価値がないので、中古になった瞬間価値が一気に低下する理由ですね。調べていただければすぐに分かるのですが、上のジュエリーも馬鹿高いです。鋳造カエルののっぺり感も失笑ですし、蜘蛛もジュエリーとは思えないちゃちな作りです。カール・ファベルジェはエポックメイキングなクリエイターというわけでもありませんでした。既存の良い物をたくさん集めて研究し、新たなクリエーションをプロデュースしたという言い方が妥当でしょう。日本の根付を相当な数コレクションして動物シリーズにつなげていますし、ギロッシュエナメルは技術的にピークだった18世紀の作品に学んで新たなクリエーションにつなげています。結局そのファベルジェも18世紀のギロッシュエナメルの水準には到達することができなかったと言われていますが、その努力は相当なものだったと思います。現代のファベルジェのエッグのエナメルを見ると、腹しか立ちません。 それにしてもWartskiの隣に店を構えるなんて、嫌がらせなのか詐欺的なのかよくやるな〜と思ったのですが、バックにいたのが資源が対象の世界的な専門的投資会社ポーリングハースト・リソーシズでした。儲けることが至上命題のやり方、納得です。恥とか詐欺まがいとか、そういう概念なんて無しです(笑) |
ロンドンの好景気を実感しつつ、アンティークジュエリー業界の衰退具合を目の当たりにしつつ、どろどろした世界を感じた後はリフレッシュに公園に寄ってみました。ロンドンは市街地であっても至る所に驚くほど大きな公園があり、緑が豊かで素晴らしいです。午前中は曇り空でしたが、既に青空に変わっています♪酒でも飲もうかと思いましたが、売店のラインナップがちょっとぼったくり価格な気がしたので珍しくオレンジジュースでした(笑)ジュースですらかなり高い印象だったのですが、物価高と言われるロンドンでは平均的な価格なのか、ぼったくりなのかは分かりませんでした。地元民っぽい人もたくさん買っていたので、案外平均価格のお店だったのかもしれません。ジュースにあまりお金を使いたくなかったので、翌日からはペットボトルに水道水を入れて持ち歩きました。ロンドンの水道水は飲用可だそうです。特におなかを壊すこともありませんでしたが、真似をするかは自己責任でお願いします(笑) |
上の画像で気になるのがやはりこの2点です(笑)晴れると即日光浴!!そして可愛らしいお花♪ 東京の公園だと、ちょっと広い所でも絶対に高層ビルがいくつか視界に入ってくるのですが、ロンドンの公園はそれがなくてよりリラックスできます。あまりにも広すぎて、帰り際にちょっと迷いかけました(照) |
ヒースロー空港でも飲んべえ > |