No.00266 CHIC |
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『CHIC』 コーネリアン ドロップ型イヤリング イギリス 19世紀後期 コーネリアン、天然真珠、15ctゴールド 長さ3,1cm 重量 4.8g(2つ合わせた重量) *** イヤリングの金具もオリジナル SOLD |
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アンティークの中でもありそうでない、コロンとした形が可愛らしいドロップ型のイヤリングです。上質なコーネリアンの鮮やかなオレンジ色と清楚な天然真珠の組み合わせは何ともシックでオシャレな雰囲気です。前後左右かなり揺れる構造になっており、360度が見所のドロップ型の石が存分に生かされた、どの角度から見ても着け映えするデザインになっています。 |
珍しいインタリオ以外のコーネリアンのジュエリー
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インタリオ以外のコーネリアン・ジュエリーは『ジューシー・ドロップ』でご説明した通りとても珍しいのですが、久しぶりに入荷しました。 しかもヘリテイジ初のイヤリングで、金具までアンティークのオリジナルなのです♪ |
ナポレオンの愛した宝石コーネリアン
![]() "Carneol-Kristalle Magic Stones" ©Dieter Weiher(selbst)(Mai 2002)/Adapted/CC BY-SA 2.5 |
コーネリアンはナポレオンが愛した宝石としても有名です。 |
![]() "Corsica Island" ©KOba-chan,UNEP GRID data GNV19(2004)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
フランス皇帝としてイメージが強いナポレオンですが、元々はジェノヴァ共和国支配下のコルシカ島に生まれ育った本来はイタリア人になったはずの人物でした。 16世紀にコルシカ島に移住した先祖はイタリアのトスカーナ州に起源を持つ古い血統貴族で、名前もナポレオーネ・ディ・ブオナパルテというイタリア人名の綴りでした。 |
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1768年、ジェノヴァがフランスにコルシカ島を住民たちに相談なく売却し、コルシカでは独立戦争が起こりました。ゲリラ戦を駆使して1年間戦ったものの、大国の軍隊には敵わずコルシカは降伏しました。ナポレオンが生まれる2ヶ月前ほどのことでした。 |
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ナポレオンの母マリアは女性でありながら兵士としてこの独立戦争に参加した、勇敢で誇りに満ちた女性でした。 1769年に生まれたナポレオンの名は、独立戦争で亡くなった叔父の名を取り付けられたそうです。"荒野のライオン"という意味のある立派な名前なのだそうです。 マリアはコルシカ人としてのアイデンティティーが強く、フランスに移り住んでからも終生コルシカ語を使い続けました。ナポレオンはそのような母を持つ人物でした。 |
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ナポレオンの父シャルルは独立戦争では当初、独立運動の指導者パスカル・パオリの副官を務めていましたが、敗戦後はフランス側に転向して判事の職を得、フランス政府から正式に古い血統の証明資格を認められたことでボナパルト家は晴れて貴族の仲間入りを果たします。 フランス貴族の身分を得た結果、ナポレオンをフランス本土の士官学校で学ばせることができるようになり、ナポレオンはフランス本土に留学することになりました。 |
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幼年期のナポレオンは節約を兼ねて読書に明け暮れた、無口で友達の少ない少年だったと言われています。 しかしながら実際のところはフランス貴族の子弟たちから馬鹿にされていたからというのが本当のところのようです。 コルシカ方言のイタリア語を話しイタリア風の暮らしをするコルシカ島出身のナポレオンは、コルシカ方言の混ざったイタリア風フランス語しか話せませんでした。 学校ではこの訛りを馬鹿にされ、ナポレオンが発音する自身の名前"ナポイオーネ"をもじり、"ラ・パイユ・オー・ネ"というあだ名を付けられていました。 「鼻先にぶら下がった藁」、「鼻の穴に突っ込んだ藁」などの意味があるのですが、ナポレオンのおかしなフランス語を馬鹿にすると共に、容姿の面で鷲鼻を馬鹿にする意図もあったようです。 民度が低い感じで私は苦手ですが、いかにもフランスらしい話ですし、フランス貴族らしいエスプリが効いていますね。 |
1792年、23歳のナポレオン・ボナパルト(制作1835年) |
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『Toi et Moi』で ご紹介した通り、ナポレオンの最初の妻ジョゼフィーヌも貴族の娘として生まれたものの、出身地はフランス領西インド諸島マルティニーク島で、植民地生まれでした。 フランス本土出身の貴族は、本土以外の出身者を植民地民として馬鹿にするのが当たり前でした。 |
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ジョゼフィーヌも結婚のために島からパリへ移り住みましたが、二人の子供をもうけた後、夫ボアルネ子爵からは田舎くさい服装や教養の無さを馬鹿にされ、結婚前の恋人とよりを戻され別居を裁判所に申し立てられるという屈辱的な目にあっています。
修道院での約2年間の修行の後、ジョゼフィーヌは様々な社交術を身に付けて洗練されたパリジェンヌへと見事な変貌を遂げ、その後の活躍はご存じの通りです。 |
ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(1763-1814年) |
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植民地出身のフランス貴族、そして本土の貴族から手酷いイジメを受けた経験。そしてその状態から頭角を現すことができたのは、たとえハンデがあってもそれを乗り越えることができる圧倒的な才能を持っていたからこそです。ナポレオンとジョゼフィーヌに共通するバックグラウンドであり、だからこそ二人は間違いなく魂の恋人だったと考えます。 |
![]() "Philosopher or priest of Delphi - Archaeological Museum of Delphi" ©Odysses(2007)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
さて、読書に明け暮れていたナポレオンが愛読したのが、古代ローマ帝国の著述家プルタルコスが著した『英雄伝(対比列伝)』や、哲学者・政治哲学者・作曲家のジャン=ジャック・ルソーの著作などでした。 |
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『英雄伝』は古代ギリシャ・ローマの著名な人物の伝記です。 文学・文化的価値のみならず史料としても評価が高く、古代ギリシャ・ローマ史研究の第一級の史料として扱われています。 |
![]() モスアゲート・インタリオ フォブシール イギリス 1820-30年頃 SOLD |
イギリスのルネサンス演劇を代表する劇作家ウィリアム・シェイクスピアも、主にこの『英雄伝』に基づいてローマ史劇たる『ジュリアス・シーザー』、『アントニーとクレオパトラ』、『コリオレイナス』などを執筆しています。
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『英雄伝』などで知った古代ギリシャ・ローマがナポレオンに大きな影響を与えたのは間違いありません。 ナポレオンはイタリアの血に誇りを持っており、1796年にジョゼフィーヌと結婚する27歳まではナポレオーネ・ディ・ブオナパルテを名乗り、サインなどもこのイタリア名を使っていました。 結婚を機にナポレオン・ボナパルトというフランス名に変更しましたが、常々ローマ帝国を指し「私は帝国を設立した種族だ。」と自慢し、「私はコルシカ人というよりはイタリア人もしくはトスカーナ人である。」と言っていたそうです。 自身がフランス人という意識はずっと低かったようです。 |
ナポレオン・ボナパルト(1769-1821年) |
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そんなナポレオンはかつての超大帝国であるローマ帝国に憧れ、復活させたいという野望を持っていました。 フランス皇帝にはなりましたが、それは最終目標ではなく大帝国を築くための足がかりに過ぎなかったのです。 |
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ローマ帝国を理想とするナポレオンの意識は、フランスという小さなレベルにはありませんでした。フランス革命が周辺各地に対する侵略戦争であるナポレオン戦争へと変化し始めるいきさつについては『ジョージアンの女王』で詳しくご紹介しました。増えすぎたフランス軍を養うためということもありましたが、ナポレオン自身が大帝国の構築を望んだということもあったのです。 |
![]() ゴールド、エメラルド、ガーネット、ペーストによるフレームは1724年 "Carnelian intaglio Prolemaic queen CdM Paris" © Marie-Lan Nguyen / Wikimedia Commons (2008)/Adapted/CC BY 2.5 |
そのナポレオンが特に愛用し、肌身離さず持ち歩いていたのがコーネリアンのインタリオ・フォブでした。 コーネリアンは幸福をもたらす石として古来より愛用されて来ました。 「倒壊した家の中にも、崩れ落ちた壁の下にも、コーネリアンを身につけた者はいなかった。」という古代の諺もあるくらいです。 |
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『ディアナ』でご説明した通り、古代ローマが力を失って以降は古代ギリシャから続く知の財産と共に、文化も中近東に移行しますが、中近東でもコーネリアンは特に指導者に相応しい石として知られていました。 イスラム教の祖ムハンマドがコーネリアンのインタリオ・リングを身につけていたことも有名です。 |
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熱心な読書家だったナポレオンは書物からこのような知識とインスピレーションを得て、自らの印章をカーネリアンで作らせたようです。 フォブは現在行方不明ですが、八角形で印銘にはアラビア文字で「しもべアブラハムは慈悲深き神に身をゆだねます」と刻まれていたそうです。 エジプト遠征(1798-1801年)でも肌身離さず持ち歩いており、この大切なフォブは、ナポレオンの最期まで忠実で愛情深いナポレオン崇拝者だった養女オルタンスに渡り、その息子ナポレオン三世に引き継がれていきました(背景はこちらも参照)。 |
古代ローマの様々なコーネリアン・インタリオ | ||
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これまでにお取り扱いした古代ローマの名品はヘリテイジの古代美術館にまとめています。古代美術についても傑出した魅力があるハイクラスの宝物しか扱っていないのですが、美術館を見ると、最も多く使われている石がコーネリアンであることが分かります。 |
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幸運のお守り、指導者の石、憧れの古代ローマに通ずる石としてナポレオンがコーネリアンを愛したのも納得ですよね。 そしてそれだけに止まらず、ナポレオンは最愛の妻、そしてゆくゆくは復活したローマ帝国の皇帝の妻となるジョゼフィーヌに相応しいジュエリーとして、コーネリアンの様々なジュエリーを贈っています。 |
結婚前のナポレオンとジョゼフィーヌ |
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皇后ジョゼフィーヌのために作られたコーネリアンとエナメルのパリュール(1808年頃) 【引用】V&A Museum © Victoria and Albert Museum, London/Adapted |
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古代ローマのコーネリアン・インタリオ・コレクションをご覧いただいて分かる通り、コーネリアンはオレンジ系の石で、様々な色の濃さや表情を持っています。天然の石で色を均一に揃えるのは至難の業で、皇帝の力を持ってしても色ムラはあるものの、古代の威光を感じさせる知的で荘厳な雰囲気のパリュールになっていますね。 |
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ジョゼフィーヌは『陽気な未亡人』と呼ばれたほど、明るくてお喋り好きな社交的な女性だったそうです。 こういう女性にはエネルギー溢れるオレンジ色がとっても似合いそうですね。 でも、なぜかインタリオ以外のコーネリアン・ジュエリーはなかなかないのです。 |
コーネリアンのデミ・パリュールを身に着けたフランス帝国皇后ジョゼフィーヌ(1763-1814年) |
オレンジ色の宝石
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アンティークジュエリーでオレンジ色の宝石を見ることは多くありません。 |
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女性用のオレンジ色の宝石で一番多いのが珊瑚です。 しかしながらコーネリアンと珊瑚では見た目に大きな違いがあります。 |
【参考】19世紀の珊瑚カメオのピアス |
![]() フランス 1900-1910年頃 SOLD |
![]() イタリア? 1890年頃 SOLD |
石であるコーネリアンは半透明なので、光が透けることによる透明感が楽しめるのですが、珊瑚は透明感はありません。 |
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どちらも魅力ある宝石なので、どちらが好きかはもはや好みによりけりという所ですが、無機質な石だからこその冷たく硬質な高級感ある質感や、透明なオレンジ色の中に現れる天然の石ならではのインクリュージョンはたまらない魅力があります。半透明な石は光の加減や角度によって表情をダイナミックに変化させることができるのも魅力の1つです。 |
デザインによる雰囲気の違い
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![]() "Egyptian - Necklace - Walters 571515 - Detail F " ©Walters Art Museum/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
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同じコーネリアン・ジュエリーでも、デザイン次第で雰囲気は大きく変わります。古代のデザインはどれも独特の雰囲気がありますね。現代で言うならばエスニックな感じです。私はわりと好きな方ですが、現代だと好む人を選びそうです。 |
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面白いのが同じドロップ型のピアスでも、ドロップのちょっとした形状の違いや他にどんな宝石と組み合わせるかで醸し出す雰囲気が全く異なることです。 右の『ジューシー・ドロップ』はシュッとした細長い雫型で、大人っぽさとオレンジ色ならではの明るく陽気な雰囲気のコラボレーションが魅力でした。 |
![]() コーネリアン ピアス イギリス 19世紀後期 SOLD |
ドロップ型コーネリアンの上には、より濃い赤みを持つコーネリアンがセットされており、思う存分コーネリアンの魅力を楽しめるポジティブなエネルギー溢れる宝物でした。 |
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一方で、今回のイヤリングは雫型のコーネリアンがコロンと可愛らしい形状です。 そして白い天然真珠との組み合わせになっており、落ち着いたオレンジ色を感じる、何ともシックな雰囲気なのです。 |
ドロップ型の美しいコーネリアンを2つ得る難しさ
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現代ジュエリーだと、使う石の外観を揃えることは容易です。 着色や脱色、合成など様々な科学技術を駆使して均質な素材を作れるからです。 しかしながら天然のままの素材を使うアンティークジュエリーの場合、同じものを2つ作る必要があるイヤリングやピアスで難しいのが色や質感、大きさの揃った宝石を用意することです。 |
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【参考】コーネリアンの破片 |
天然石であるコーネリアンは、色も模様も多様です。この画像ではかなり拡大していますが、ここから均質な質感を持つドロップ型のイヤリング用のルースを2つ得ようとするのがいかに難しいことかがご想像いただけると思います。 |
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こうしてカットされたコーネリアンは天然の石ならではの若干のインクリュージョンを含みます。左の画像は撮影用の均質なライトを当てているため、いまいち透明感が分かりにくいですが、実際にお使いいただく際は室内の自然光で撮った右の画像のような透け感が感じられると思います。 |
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実はこの透け感に伴う、若干のインクリュージョンが描き出す景色こそが、ジュエリー全体に高級感をもたらすのです。 |
均質すぎる素材の安っぽさ
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私もそうですが、ルネサンスやヘリテイジでアンティークをお求め下さるお客様は、現代ジュエリーはピンと来なくて一度も買ったことがないと仰る方も少なくありません。 このような絶対的な美的感覚を持つ方の場合、均質な素材にも違和感を感じる場合が多いと思います。 |
【参考】オレンジのアクリル樹脂のピアス |
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【参考】ガラスのピアス | 【参考】ガラスと金メッキのピアス |
宝石は例外もありますが、基本的にはインクリュージョンがない方が一般的には好まれます。完全無欠を極度に求める現代人の価値観に従って、アクリル樹脂やガラスなどの完璧に色も質感も均質でき、インクリュージョンも排除できる素材でアクセサリーが作られるようになりました。でも、どれも安っぽさしか感じられません。 |
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せっかく完璧に色も均一でインクリュージョンなどの欠点も無いなのに、なぜなのでしょうか。 |
【参考】オレンジのアクリル樹脂 |
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【参考】アクリル樹脂のケース | |
結局、この均質過ぎる見た目が違和感を感じさせるのです。工業生産品としては問題ないのですが、唯一無二の芸術性や高級感とは相反する性質だからです。 |
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本能に刷り込まれているものなのか否かは判然としませんが、あまりにも完璧すぎるものには人間は違和感を感じるようにできているのかもしれませんね。 このオレンジ色のアクリル樹脂でできたグラスも、せめて手吹きガラスで厚みや形状に手作りならではの多少の揺らぎがあれば少しは美しくも感じられたのかもしれませんが、違和感しか感じられません。 |
【参考】オレンジのアクリル樹脂のグラス |
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【参考】アクリル樹脂のアクセサリー | 【参考】ガラスのアクセサリー |
アクリル樹脂やガラスアクセサリーの安っぽさと違和感の原因は、工業製品ならではの均質過ぎる素材感と、手作りでは不可能な一切の揺らぎのない対称性の高過ぎる形状なのです。 |
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天然素材もインクリュージョンがあり過ぎるのは問題外ですが、適度なインクリュージョンは見るものに奥行きや自然の景色を感じさせてくれます。石の景色は大自然が表現するアートです。石の職人が確かな眼で選び出し、適切なカットを施した石だからこそ、その大自然のアートが活かされます。そしてそれこそが、上質な天然の石を使ったジュエリーならではの高級感につながるのです。 |
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天然の石で、色や質感をよくここまで揃えられたものだと感じます。 しかも、インクリュージョンも極めて少ない上質なコーネリアンです。 コロンとした愛らしい雫型も、成熟した大人の女性らしさを好むヨーロッパとしては非常に珍しいものです。 |
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Genも私も、ドロップ型のピアスやイヤリングは特に好きです。 私たち好みのスタイリッシュな雰囲気もさることながら、360度が見所だからです。 |
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このような360度どの角度から見ても美しいピアスやイヤリングには、当時オーダーした人の高い美意識を感じます。 ペンダントやブローチなどの他のジュエリーに比べて、ピアスやイヤリングは正面だけでなく後ろ側や横からも見えるジュエリーなので、ドロップ型が最も見栄えするのです。 |
『朝霧』 カルセドニー ドロップ型ピアス イギリス 19世紀後期 SOLD |
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恋多き男だったらしい(笑)Gen曰く、例えば二人でレストランに出掛け、相手と対面するテーブル席の場合は正面から見て一番目につくのが顔周りのピアスやイヤリングです。また、カウンター席やソファー席ではサイドから相手を見たときに、やはり一番ピアスやイヤリングが目につく訳ですが、ドロップ型ならどの席でもOKとのことです。 おまけにレディファーストで、レストランでは女性が先を歩くものですが、後ろ姿にピアスやイヤリングが揺れているのも素敵なんだそうです。なるほど(笑) |
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それにしてもコーネリアンはよく磨かれており、ピカピカで美しいです。 柔らかい樹脂はすぐに摩耗して白っぽくなってきますし、例え傷が付かぬよう丁寧に使っていたとしても経年劣化します。 樹脂に混ぜられた添加剤が表面に出てきて(ブリードアウト)白っぽくなったり、紫外線などで黄変したりもします。 高級素材を使って丁寧に作られたハイクラスのアンティークジュエリーのように、100年上経っても美しさを保つことはないのです。 丁寧に使えばずっと美しさを保つことができるアンティークジュエリーというのは、まさに"宝物"ですね。 |
オリジナルのイヤリング金具
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イヤリングの場合、120年以上もの時の経過の中でピアスに金具を取り替えられている場合も少なくありません。 しかしながらこのイヤリングはオリジナルの状態で上質な金具が残っていました。 |
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現代ジュエリーの量産のイヤリング金具だと、ネジ回し金具は同じようなデザインのものしかありません。 回しやすいようにギザギザが付いた、機能性のためだけのデザインです。 着けたら見えなくなるので、そんな部分にコストをかけたりはしません。 |
現代の一般的なイヤリング金具 |
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でも、このアンティークのイヤリング金具はわざわざお花の形で作られています。 花びらの形が滑り止めになるので、ネジを回しやすくするための機能も備えています。 見えない部分にまで行き届いた美意識が、さすがアンティークのハイジュエリーだと感じます。 |
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ちょっとしたことですが、それだけでもテンションが上がりますし、使うのが楽しくなっちゃいますよね♪ そして丁寧に手作りされた金具だからこそ良いのが、イヤリングの一番上の部分のデザインもオシャレなことです。 |
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現代の量産金具を使ったイヤリングの場合、一番安い作りだとこの部分はもはやデザインの施しようがありません。 |
【参考】現代の量産金具のイヤリング |
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【参考】現代の量産金具のイヤリング | ||
中央のイヤリングなんかはウン万円するプラチナ製のブランド物であるにも関わらず、この程度の作りです。デザインの手抜き加減には驚いてしまいますし、美意識なんてまるで感じられません。安物が「お値段なりね」という品質ならばしょうがないと言えますが、値段が高くても安物の作りというのが現代ジュエリーの問題なのです。 |
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これだけデザインにこだわって作っている様子なのに、なぜ揺れる部分だけ拘って一番上の部分にはデザインを施そうとしないのかが不思議でしょうがありません。 見えない部分ならば手抜きもまだ納得できますが、ここは見える部分なのに・・。 |
【参考】現代の量産金具のイヤリング |
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このイヤリングはゴールドのサークルの透かしに、控えめで清楚な天然真珠があしらわれたデザインが何とも見事です。 |
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『ジューシー・ドロップ』のようにコーネリアンだけのデザインだと元気はつらつのイメージになりますが、天然真珠と組み合わせるだけで一気にシックで落ち着いた、エレガントな雰囲気になります。 |
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イヤリングの金具とコーネリアンは、天然真珠のパーツを間に挟んで連結されています。 |
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短いチェーンのような構造になっており、揺れるポイントが4つもあるため、前後左右によく揺れます。 静止画像ではお伝えできないのですが、揺れ方が美しいのもアンティークのハイジュエリーの特徴と言えます。 そのための細かな作り込みが素晴らしいです♪ |
![]() ジョージアン ガスリーの紋章シール イギリス 19世紀初期 SOLD |
![]() ジョージアン フォブシール イギリス 1820年頃 SOLD |
古代ギリシャ・ローマ世界に憧れたヨーロッパ貴族はナポレオンだけではありませんでした。 『春の花々』などでもお伝えした通り、たくさんのイギリス貴族が莫大なお金を投じて古代美術を蒐集し、インスピレーションを受けて新たな美術品を作り出しました。 コーネリアンのインタリオもその知的な創作活動の一部なのです。 |
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このような、ヨーロッパ貴族にとって基本的な教養とも言える古代世界についてある程度の知識がある紳士ならば、この珍しいコーネリアンのイヤリングを見てあっと驚き、女性の深い教養と知性を感じ取ったことでしょう。 どんな美しいレディが使っていたのでしょうね♪ |
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アンティークのイヤリングの中では比較的小ぶりなサイズですが、鮮やかなオレンジ色で艶感もたっぷりあり、耳に着けるととてもよく揺れるのでアイキャッチ効果抜群、しっかりと存在感を放ちます。 洋服をシンプルにしてイヤリングを主役にするコーディネートでも十分に通用する、大人可愛いスパイスの効いた宝物です。 |