知られざるダイヤモンドの本当の魅力

輝きが美しいオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドのアールデコのピアス

 王侯貴族のためのアンティークのハイジュエリーは、美しさのためにはコストは二の次で作られます。一方で金儲けしか考えていない現代ジュエリーはコストを最優先に作られているため、美しさがかなり犠牲になっています。それらが"高級ジュエリー"として市場を占有した現代、私たちはダイヤモンドの本当の美しさに触れる機会がなくなり、その真のポテンシャルが知られざるものとなってしまいました。ダイヤモンドの真の美しさを見ることができるのはアンティークのハイジュエリーだけです。同じ素材でも、現代のダイヤモンド・ジュエリーに人を感動させる美しさはありません。なぜ古の王侯貴族たちがダイヤモンドに魅了されてきたのか、それは当時のダイヤモンド・ジュエリーを知れば強く納得できるはずです。

 

現代のダイヤモンドに魅力が感じられない理由

 なぜアンティークのダイヤモンドでなければダメなのか、感覚だけではなく、知識的にも納得して理解するにはきちんと現状を知る必要があります。

4Cの真実

現代のダイヤモンドの価値を評価するために使用される4C基準ですが、そもそもその妥当性を考えたことはありますか?

理想とされるカットの正体

 

現代のカットが平たい理由

 

アイデアルカットの弱い輝き

理想とされる現代のブリリアンカットですが、あくまでも数学的に理想なだけで、現実の美しさを定義したものではありません。   現代のダイヤモンドが薄くカットされる理由は、それが美しいからではなく、実はお金儲けのためでした。"理想のカット"は、それを隠すための宣伝文句に過ぎません。   底面のファセットの数が多く、反射光が分散するブリリアンカットは1つ1つの輝きが弱く、チラチラとしか輝きません。これは本来ダイヤモンドが持つ、パワフルな輝きとは言えません。

魅力がない量産の機械カット

 

稀少性の変化の歴史

 

価格統制の秘密

アンティークのダイヤモンドは古いスタイルのカットだから美しいのではありません。古いスタイルでカットしても、現代のダイヤモンドはどれも対称性が高く同じ形で、違和感を感じるほど無個性です。工業製品としか感じられず、そこに芸術的な美しさは存在し得ません。   ダイヤモンドが本当に稀少価値のある宝石だったのは、南アフリカでダイヤモンドラッシュが始まる1870年代より前であり、現代のダイヤモンドに稀少価値はありません。   稀少性がなくなれば価格も下落するのが経済の法則です。しかしながらダイヤモンドは市場統制により、例外が成功した稀有な事例です。南アフリカのダイヤモンドラッシュの初動に成功し、現代に至るまで様々な思惑で価格統制は続いています。

ダイヤモンドの内包物

 

現代の処理

   
透明で当たり前と思われているダイヤモンドですが、実は様々な種類の内包物があります。   カラーストーンのみならず、ダイヤモンドもアンティークの時代には存在しなかった様々な改質処理が当たり前に行われています(※詳細はルネサンスのページもご参照ください)。    

 

ダイヤモンドの本来の魅力を引き出すアンティークのハイジュエリー

 ヨーロッパの王侯貴族が世界を主導してきた時代の終焉と共に、アンティークジュエリーも終わりを迎えました。真に価値あるジュエリーが生み出されたのは第二次世界大戦の前まで、つまり1930年代までです。それまでは、長い歴史の中でダイヤモンド・ジュエリーは様々に進化してきました。業界が売りたいものを売る現代は画一的なダイヤモンド・ジュエリーしかありませんが、アンティークのハイジュエリーを見ると、ダイヤモンドは驚くほど多面的な魅力を持つ、芸術的にも面白い宝石であることが分かります。最先端の流行やテクノロジーを取り入れて作られる王侯貴族のハイジュエリーには、それぞれに時代背景を読み解くことができ、知的好奇心からも面白さがいっぱいです。

ダイヤモンドの多様な魅力を
引き出す様々なカット

 

カットの近代化で生まれた
プリンセスカットの原型

 

煌めきを強調する
トレンブラン

現代ジュエリーはカットが画一化し、たとえ変わったカットが使われていても、カットが主役の本末転倒でつまらぬものです。描きたい姿に合わせて、多様なカットを使いこなす。それが本来、ダイヤモンドを使ったアートのあるべき姿です。   プリンセスカットは戦後に発明され、1980年代以降に人気が出た新しいカットですが、実はアンティークの時代に既に原型が考案されており、当時の技術で実現させた作品が存在します。   ダイヤモンドの魅力の1つが、その強い煌めきです。それを強調するために、トレンブランという揺れる構造を持つ、高度な技術と莫大なお金をかけて作られたジュエリーが存在します。

高級品と安物で全く異なる
ローズカットの魅力

 

驚異の細工 (1)
クローズド・パヴェセッティング

 

驚異の細工 (2)
マイクロモザイク・ダイヤモンド

同じローズカットという名称でも、規格が決まっていないので厚みも様々です。ローズカット独自のミラーボールのような煌めきは、厚みのある高級な石のみが魅せる美です。   ダイヤモンドラッシュによって稀少性が低下し、王侯貴族にとって大きいことの価値が失せ始めた結果、神技の技術を駆使した驚くべき細工物のダイヤモンド・ジュエリーが生まれました。   1770年から1800年頃にかけて、王侯貴族が小ささを極めた美術工芸品に熱中した特異な時代がありました。それを彷彿とさせるダイヤモンドのマイクロモザイクは、並外れた美意識と感覚がないと理解できない、類を見ない神技の細工です。

大きさを重視する成金と
美しさを重視する王侯貴族

 

材料の価値だけではない
カットが困難なダイヤモンド

 

ダイヤモンドのカット
最大の難関は研磨工程

今も昔も成金は大きさばかり気にしますが、美しさを重視する古の美意識の高い王侯貴族は、たとえ石が小さくなっても美しさを追求しました。   宝石を材料の価値だけで評価するのは庶民の発想です。古のダイヤモンドが超高価だったのは、カットにかかる高額な人件費や技術料も一因です。   ダイヤモンドはラフカット後の、磨きが最も時間と根気を要する大変な工程です。それは現代人の想像を遥かに超えており、だからこそダイヤモンドに価値があったのです。

ダイヤモンドラッシュに伴う
カットの近代化

 

ダイヤモンドソウの発明で
実現した新しいカット

   
ダイヤモンドラッシュによってダイヤモンド産業に優秀な人材やお金が集まった結果、カットが近代化され、以前は不可能だった新たなスタイルのダイヤモンド・ジュエリーが生み出せるようになりました。   様々なカットは以前から存在しましたが、それはダイヤモンドの劈開性に添う範囲内でした。1900年の電動ダイヤモンド・ソウの発明により、劈開を無視した見たことのないカットが次々と考案され、上流階級を魅了しました。    



知られざるアンティークのダイヤモンドの魅力 by Gen

 


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