No.00362 HALO |
【HALO】 |
プラチナの後光さす天然真珠の3つのしらほし♪ ♪
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左はホワイトバランスが上手くいなかったので、色調は他の画像をご参考ください。実物でしか分からないプラチナの光輪の神々しい輝きと、上質な天然真珠の光沢を少しでも感じていただければ嬉しいです♪ |
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『HALO』 |
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ゴールドより700℃以上高い融点を持つプラチナは、融かして加工する技術が確立された1905年頃からジュエリーの一般市場に出てきましたが、高温がかけられない天然真珠は真珠セメントでセットするのが通常でした。プラチナの覆輪でセットしたシードパールは前代未聞で、恐らく作者にしかできない神技です。 |
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見事な視覚効果デザイン、照り艶が抜群の天然真珠、神技の細工の3拍子が揃っており、その特別さはネジ式のピアス金具にも現れています。キャッチを何度も回転させる必要があり、着用には器用さとかなりの手間がかかりますが、絶対に落とさないための金具はそれだけの価値がある証です。まさしく唯一無二の至高のピアスです♪ |
この宝物のポイント
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1. 他にはない天然真珠のみの3連ピアス
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ありそうでない、天然真珠のみでデザインした3連ピアスです。 |
1-1. ダイヤモンドのイメージが強い3連ピアス
時代ごとの3連ピアス
ジョージアン ローズカット・ダイヤモンド ピアスイギリス 1830〜1840年頃 SOLD |
ベルエポック ローズカット・ダイヤモンド ピアスフランス 1910年頃 SOLD |
『Bright things』アールデコ ダイヤモンド 3連ピアス イギリス 1930年頃 SOLD |
これまでにいくつか揺れる3連ピアスをご紹介していますが、時代を問わず、宝石はいずれもダイヤモンドです。揺れる構造と、輝きを最大の魅力とするダイヤモンドとの相性が最高だからという理由は、ご説明する必要すらないでしょう。 |
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天然真珠のみでデザインされたピアス
天然シードパール ピアスイギリス 1840年頃 SOLD |
『Sunflower』天然真珠 フラワー ゴールド・ピアス SOLD |
フリンジ ピアスイギリス 20世紀初頭 SOLD |
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3連ピアスは宝石が主体のジュエリーと言えます。天然真珠のみでデザインしたピアスは宝石そのものと言うより、凝ったデザインに重点が置かれているのが通常です。真珠は揺れてもダイヤモンドのような大胆な変化はしません。アンティークのハイジュエリーは、宝石の魅力を最大限に惹き出すデザインをしますから、揺れることを前提にしたデザインは殆どしません。 その意味で、シードパールのフリンジ・ピアスはとても珍しいです。10年前にGenがご紹介した際も、「ありそうでないのが天然真珠 フリンジ ピアスです!♪」とご説明しています。 HERITAGEでは厳選した最高級品のみをご紹介しているため、どの宝物も特別な特徴を持っています。それ故に"普通"や”通常"が分かりにくくなっていますが、宝石が天然真珠のみの3連ピアスはあり得ない存在なのです! |
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1-2. ダイヤモンドとの組合せが多い天然真珠ピアス
正装用の華やかな天然真珠ジュエリー
シードパール ネックレス&ブローチイギリス 1880〜1900年頃 SOLD |
シードパール フラワー ブローチイギリス(GUBSON社) 1880〜1900年頃 SOLD |
ピアス以外ならば、天然真珠のみでデザインされたジュエリーは多く作られています。シードパール・ジュエリーは、1つのカテゴリーとして確立しているほど人気がありました。しかしながらピアスに関しては、天然真珠が主役でも、脇石にダイヤモンドを使用するのが通常です。 |
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1-2-1. デザインが主体の天然真珠ピアス
『スズラン』イギリス 1860年頃 SOLD |
『マーガレット』イギリス 1880年頃 SOLD |
『Future Design』イギリス 1900-1910年頃 SOLD |
フラワー・ピアスフランス 1910年頃 SOLD |
天然真珠をメインストーンにした、"デザインが主役"のピアスの脇石はダイヤモンドが通常です。華やかさをプラスし、顔まわりに目線を集めるのに効果的だからです。社交界では、注目を集めたい場所に視線を誘導するのも極めて重要です。そのためにはお金も手間も惜しみません。 |
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1-2-2. 宝石が主体の天然真珠ピアス
バロック天然真珠ピアスイギリス 19世紀後期 SOLD |
天然真珠ピアスイギリス 1880年頃 SOLD |
天然真珠ピアスイギリス 1910年 SOLD |
イヤリングスウェーデン 1920年頃 SOLD |
宝石主体の天然真珠のピアスやイヤリングでも、高確率でダイヤモンドと組み合わされています。左のバロック天然真珠ピアスは後の時代に金具が取り替えられていますが、元々は後ろから留めるフック式金具で作られていたようです。つまり少し揺れる構造です。「揺れるピアスにはダイヤモンドが必須!」というのが常識でした。 |
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天然真珠 デミ・パリュール(ブローチ&ピアス)フランス or イギリス 18世紀末〜19世紀初頭 SOLD |
これだけ真珠感が満載の宝物でも、華やかさをプラスするために随所に小さなダイヤモンドが散りばめられています。 |
今回の宝物 |
エドワーディアン 天然真珠ピアスイギリス 1910年 SOLD |
右は、天然真珠の3連ピアスと見ることも可能です。どちらもプラチナにゴールドバックのエドワーディアンの作りですが、右の宝物は今回の宝物より少しだけ後の時代のものです。右の宝物はダイヤモンドが随所に使用されており、デザインとしては、最高の天然真珠を生かすための普遍かつ定番のものです。 その点で、プラチナが出始めた最初期にデザインされた今回の宝物は、方向性が特殊です。 |
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2. 未来的なデザインと納得の作り
2-1. 天使の光輪のようなプラチナの輝き
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この宝物は静止画像ではなく、揺れ動く実物を見ると天然真珠とプラチナというシンプルな構成に納得できます。 |
2-1-1. プラチナの七変化
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純度の高いプラチナは黒く見える性質があります。光の当たり方によっては、かなり黒く見えます。一方で光を全反射する際は、白く硬質な輝きを放ちます。同じ白い金属でも、温かみのあるシルバーとは受ける印象が全く異なります。このピアスは構造上、着用者の動きに合わせて常に揺れ続けます。絶えず七変化し、プラチナの輪が強烈な光を放ちます。これが夢のように美しく、印象的なのです!♪ |
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2-1-2. ダイヤモンドと区別がつかないほどの強い輝き
どちらも完璧に磨き上げられている最高級品に限りますが、プラチナとダイヤモンドは同じ光を放つことができます。アンティークのハイクラスのプラチナ・ジュエリーで見ることができる、金属光沢と金剛(ダイヤモンド)光沢のコラボレーションは実に美しいものです。シルバーやゴールドとは異なるプラチナならではの性質を生かしたものであり、アンティークの時代は各金属の特徴を最大限に惹き出すデザインを心がけてことがよく分かります。現代ジュエリーのように、全く同じデザインで色(金属)違いなんて本来はあり得ないことです。 |
シルバーの特徴を生かしたデザインと細工
『森の賢者』S.モーダン社 フクロウ ホイッスル イギリス(ロンドン) 1903年 SOLD |
『エレガント・リボン』シルバー・カードケース イギリス(チェスター) 1903年 SOLD |
磨くのは大変、面倒くさい。或いは手入れするのが楽しいと感じることもできます。黒ずむ性質があるのがシルバーです。この性質と彫金が組み合わさることで、経年と共に彫金の陰影がハッキリと浮かび上がってくる魅力があります。彫金と相性が良く、銀器と言えば彫金細工と言えます♪ |
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ゴールドの特徴を生かしたデザインと細工
『4 FACES』4way 回転式ウォッチキィ・ペンダント イギリス 1830〜1840年頃 ¥255,000-(税込10%) |
『ゴールド・オーガンジー』ペリドット&エナメル ネックレス イギリス 1900年頃 ¥1,000,000-(税込10%) |
『芸術には自由を』セセッション カボション・サファイア&ダイヤモンド ブローチ ウィーン 1900年頃 ¥770,000-(税込10%) |
金位の高いゴールドは経年変化がなく、最初から"完成した状態"で表面を作り込みます。模様を彫金したり、表面の質感を整えたりします。現代の成金が好みそうな、大面積でのツルピカの状態はあまり好まれなかったようで、ハイジュエリーで見ることはほぼありません。 |
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表面を滑らかにして強く輝かせるプラチナ・ジュエリー
『愛の白鳥』スワン バー・ブローチ イギリス 1923年 ¥950,000-(税込10%) |
![]() 『Transition』エドワーディアン アクアマリン バー・ブローチ イギリス 1900〜1910年頃 SOLD |
プラチナはゴールドとは逆なのが面白いです。とにかく表面を完璧に滑らかに磨き上げて、最大限に光を反射するようデザインされる傾向があります。 プラチナの表面を磨き上げたシンプルなバー・ブローチも、まさにそうです。 |
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プラチナの細工も多様ですが、磨き上げて輝かせるものが主流です。 ミルグレイン、グレインワーク、爪留など、半球状の粒を完璧に磨き上げます。フレームも磨き上げます。 こうすると肉眼ではダイヤモンドの輝きなのか、プラチナの輝きなのか、拡大するまで判別不可能のレベルとなります。 |
| 『勝利の女神』 アールデコ初期 ガーランドスタイル ダイヤモンド ネックレス イギリス or フランス 1920年頃 ¥6,500,000-(税込10%) |
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アンティークジュエリーの中でもトップクラスの細工物の場合、信じられないほど極小のダイヤモンドを使うこともあります。 このような場合、極小ダイヤモンドなのか、プラチナのグレインワークなのか、目を凝らしても肉眼では分からないほどです。 ジュエリーの輝きとして見た場合、判別は不可能と言えます。 上質なダイヤモンドと区別がつかぬほどの強い輝きというのが、プラチナ最大の魅力と言えます。 |
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『新時代の花』モダンスタイル ダイヤモンド ピアス イギリス 1910年頃 ¥1,500,000-(税込10%) |
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2-1-3. プラチナだからこそ実現した天使の光輪
1905年頃から画期的な新素材としてジュエリーの一般市場に出回り始めたプラチナは、それまでできなかった表現を可能にしました。エドワーディアンは、ダイヤモンドと同等の輝きを放つ性質を利用した、様々な表現のプラチナ・ジュエリーが創造されました。 |
![]() ![]() 今回の宝物 |
『永遠の愛』エドワーディアン ダイヤモンド ペンダント&ブローチ フランス? 1910年頃 ¥1,220,000-(税込10%) |
ダイヤモンドで実現可能な表現では意味がありません。莫大な財力を持つ王侯貴族にとって、お金さえ出せば実現できるものに価値などないのです。 ダイヤモンドでは不可能な表現の方向性として、1つは微細さを追う細工です。ダイヤモンドでは実現不可能なサイズの極小ミルグレインやグレインワークであったり、極細のナイフエッジによる"線"の表現です。 もう1つの方向性が、今回の宝物のように大きな面積や複雑な形状で輝かせることです。当時このサイズ、この形状でダイヤモンドをカットすることは不可能でした。この宝物が放つ天使の光輪は、まさにプラチナでしか実現できない輝きなのです。 |
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『天空のオルゴールメリー』アールデコ 天然真珠&サファイア ネックレス イギリス 1920年頃 ¥1,230,000-(税込10%) |
面で輝かせるプラチナのフラット・ラインは、金属としてのプラチナそのものが画期的で、超高価で憧れの的だった出始めの時期ならではのものです。 ハイジュエリー市場でプラチナが一般化してくると、王侯貴族のためのプラチナ・ジュエリーは透かし細工や微細なミルグレイン、複雑に揺れる構造など、高度な細工技術を追う方向となっていきました。 |
『Quadrangle』-四角形-エドワーディアン 天然真珠 ネックレス オーストリア? 1910年頃 SOLD |
『ストライプ』エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント イギリス 1910年頃 SOLD |
| 中間期にはフラット・ラインを効果的にデザインしつつ、ミルグレインの繊細な輝きを取り入れた宝物も作られています。 |
プラチナ最初期の面反射を駆使したデザイン
![]() ![]() 今回の宝物
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『ALL WHITE』イギリス 1910年頃 SOLD |
『Future Design』モダンスタイル 天然真珠&ダイヤモンド ピアス イギリス 1900〜1910年頃 SOLD |
『プラチナの面反射』を主役としてデザインした宝物は、プラチナ最初期のごく限られた期間しか作られていません。ちょうどモダンスタイルの時代と重なります。アールデコより前の時代なのに、アールデコより遥かに未来的に感じられるのが不思議ですし、それが最高に魅力的です。 一見シンプルに見えて、設計も作り込み物凄いのも特徴です。中央の宝物はダイヤモンドの爪留の数からも分かりますし、右の宝物は「The Modern Sytle」と呼びたいほど、雫パーツの独特なフォルムが完璧です。今回の宝物の後述いたします。 |
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高そうに見せるためだけにデザインされた安物
モダンスタイルは私が最も心惹かれるデザインですが、玄人向けとも言えます。一見しただけでは、多くの人には価値が分かりにくいのです。時代と共にアールデコの方向に向かっていったのは理由があります。 プラチナの価格が落ち着いてくると、ダイヤモンドと同等の輝きを放つ性質を、「高そうに見える」ことに利用した安物も作られるようになっていきました。 |
![]() 【参考】安物 or 現代のフェイク |
【参考】イリュージョン・セッティング(20世紀前半) |
左のように、実際よりダイヤモンドが大きく見えるよう、フレームを無駄に大きく作った安物が多く作られています。『バター・カップ』などと呼ばれます。意味があってバター・カップがデザインされたハイジュエリーも存在しますが、市場の殆どは、単に大きく見せて割高で売ってボロ儲けしようとする安物です。ナイフエッジではなく、単なる棒状の板で上下を連結していることからも明白です。 右は『イリュージョン・セッティング』と呼ばれます。フレームに対してダイヤモンドが貧相なサイズです。プラチナのフレームにファセットを作ることで、ダイヤモンドの面反射を再現する技法です。みみっちくて、かえって安っぽさと自己顕示欲の強さが引き立つのでやらない方が良いように私には感じるのですが、本物のハイジュエリーに憧れがあっても買えない人にウケたようで、今でも結構な数が出回っているようです。 |
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イリュージョン・セッティングのダイヤモンド・ジュエリー(現代)【引用】THE DIAMOND STORE MAGAZINE / ©THEDIAMONDSTORE.CO.UK |
アンティークジュエリーの安物は買う価値がありません。 技術的に、現代でも作ることが可能です。そのようなものは新品を買った方が摩耗もなく安心ですし、アンティークとしてのプレミア価格も乗っていないので安いです(笑) 拡大すると「うわっ!!」と感じますが、遠目で見ると確かにダイヤモンドは大きく見えます。但し、バレた時に恥ずかしいです。 |
イリュージョン・セッティングのダイヤモンド・ジュエリー(現代)【引用】THE DIAMOND STORE MAGAZINE / ©THEDIAMONDSTORE.CO.UK |
ジュエリーは単なる見た目の美しさだけでなく、「良いものを身につけている」と言う満足感や自信をもたらしてくれることが重要です。実際のところ、後者の方がより重要と言えるほどです。満たされた気持ちや、確固たる自信は"人そのもの"を魅力に満ち溢れさせ、美しく魅せてくれます。ジュエリーの真髄は、着用者こそが主役です。ジュエリーは着用者に対して、主役を惹き立てるための名脇役であるべきです。 だからブランドが主役となるジュエリーや、石ころが主役となる成金ジュエリーはそもそもの"在り方"が間違っていますし、イリュージョン・セッティングのような「バレたら恥ずかしい」系のジュエリーも着用者を美しく見せるどころか、マイナスの方向にしか働きません。 |
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『Eros』 |
20世紀初期は従来のヨーロッパ貴族が力を落とし、イギリス貴族も新興成金の割合がさらに増え、アメリカも含めて新興成金がますます社交界で幅を効かせていく時代でした。 差別化するために、美意識の高い人のジュエリーは、一目瞭然で分かる細工の凄さを追うようになったとも言えます。 |
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類似品がないのは、この宝物が宝石的にも細工的にも容易に作れないからです。 魅力が強い宝物ですが、モダンスタイルのプラチナ・ジュエリーは残念ながらごく僅かな期間しか作られませんでした。 神々しいまでに輪っかが強烈な光を放つ、このアイデアに惚れ惚れします!♪ |
2-2. 時代の過渡期モダンスタイル・ジュエリーの魅力
2-2-1. 日本美術の影響による『線の美』
【アングロジャパニーズ・スタイル】ウィリアム・ワットのためのサイドボード(エドワード・ウィリアム・ゴドウィン 1876-1877年)"Godwinsideboard" ©VAwebteam at English Wikipedia(26 OAugust 2008)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
1854年の開国後、ヨーロッパにもたらされた日本美術は大きな影響を与え、西洋デザインを勢いよく進化させました。 革新的な影響の1つとして、欧米人が『線』や『空間(間 / ま)』を使った表現の美しさに気づいたことです。 アングロジャパニーズ・スタイル(英和スタイル)と呼ばれる試行錯誤の段階を経て、モダンスタイルという新たな様式が確立しました。 |
| ナイフエッジ | フラットライン | |
『L'eau』オパール ロング・ネックレス イギリス 1900年頃 ¥3,300,000-(税込10%) |
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| 『草花のメロディ』 サファイア&天然真珠 ネックレス イギリス 1900年頃 SOLD |
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『線の美』の表現手法として駆使したのが、ナイフエッジとフラットラインです。どちらも『線』の表現ですが、方向性が真逆なのが面白いです。ナイフエッジは極限まで存在感を消し、宝石など他の部位を際立たせる効果があります。フラットラインは太めの線を平坦に磨き上げることで、一瞬だけ線がピカリと光り強く印象に残る効果があります。 |
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ナイフエッジ
ナイフエッジそのものは、新たな技法ではありません。日本美術が影響する以前から、ヨーロッパのハイジュエリーでは定番の技法です。しかしながら、日本美術の影響の前後で明らかにデザイン上の変化が起きています。 |
| 日本美術の影響以前 | 影響後 |
『ダイヤモンド・アート』ジョージアン ダイヤモンド ブローチ イギリス 1830年頃 SOLD |
『PURE LOVE』エドワーディアン ピンクトルマリン ネックレス イギリス 1900年頃 SOLD |
日本美術の影響以前は、ナイフエッジは脇役に過ぎませんでした。左のジョージアンの宝物の場合、植物の茎がナイフエッジです。日本美術によって『線』の美しさを意識するようになると、右のように、『線』を宝石と並ぶ主役としてデザインしたハイジュエリーが現れるようになります。 |
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『Lily of the valley』スズラン ブローチ イギリス 1880年頃 SOLD |
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日本美術が影響後の時代でも、鈴蘭ブローチの茎に施されている通り、前者はハイジュエリーにとっては"やって当然"の細工として見ることができます。 |
『シンプルイズベスト』ペリドット ネックレス イギリス 1910年頃 SOLD |
一方でナイフエッジを強調するデザインは以前には見られなかった傾向であり、当時の社交界の人々にとっても画期的かつ目新しいデザインとして映ったことでしょう。 魅力が強いからこそ様々なハイジュエリーに取り入れられ、流行して一定数が制作されました。 |
フラットライン
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フラットラインに関しては、以前は見られない新発明の表現技法です。 |
| ナイフエッジ | フラットライン |
『キラキラ・クロス』天然真珠 バーブローチ イギリス 1880年頃 SOLD |
『虹色のアート』オパール バーブローチ イギリス 1900〜1910年頃 SOLD |
モダンスタイルが流行したのは、1900年前後の短い期間のみです。センス良くフラットラインを駆使したデザインが見られるのも、この期間となります。同じゴールドのバー・ブローチでも、驚くほど印象が違うのが面白いです。 |
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【国宝】太刀 銘備前国包平作(名物大包平)(平安時代 12世紀)"大包平, Okanehira " ©SLIMHANNYA(30 June 2020, 16:03:47)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
金属を磨き上げて面反射するアイデアは、日本刀にインスピレーションを受けたと想像します。静と動。静謐の暗闇の中に閃光を放つ、武士道独特の冴え渡る極限の美しさ・・。 |
| フラットラインをデザインした宝物 | |||
| 黄金の輝き | プラチナの輝き | ||
『黄金に輝くアンフォラ』イギリス 1900年頃 SOLD |
『草花のメロディ』ネックレス イギリス 1900年頃 SOLD |
![]() ![]() 『新時代の花』 イギリス 1910年頃 ¥1,500,000-(税込10%) |
『ストライプ』エドワーディアン 天然真珠&ダイヤモンド ペンダント イギリス 1910年頃 SOLD |
モダンスタイルの流行は、時代的にはジュエリーの最高級金属がゴールドからプラチナに移行するタイミングでした。だから両方の金属でフラットラインの技法を見ることができますし、素材によって輝きの印象も異なります。 |
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2-2-2. プラチナのフラットラインを主役にした特殊性
フラットライン&ナイフエッジをデザインした宝物
| ゴールド | プラチナ | |
『Samurai Art』イギリス 1900〜1910年頃 SOL |
ガーランドスタイル ネックレスイギリス 1890年頃 SOLD |
エドワーディアン アクアマリン ネックレスイギリス 1910年頃 SOLD |
『線』の美しさに気づいたことで、モダンスタイルの時代にはフラットラインとナイフエッジの両方をデザインした作品も制作されました。デザインが特に重視された時代だけあって、凝ったものが多いです。1つ言えるのは、ジュエリーは宝石が花形の存在ですので、あくまでも宝石を最も美しく魅せるために設計されています。 |
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凝ったデザインのフラットライン
![]() ![]() 『黄金に輝くアンフォラ』 縞瑪瑙 ペンダント イギリス 1900年頃 SOLD |
『STYLISH PINK』ピンクトルマリン ペンダント イギリス 1900年頃 SOLD |
フラットラインが特に凝った宝物と言えば、このような宝物がありました。宝石も主役の1つです。フラットラインそのものと言うより、総合的なデザインが主役と言えるでしょう。 |
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異例のデザイン
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他のハイジュエリーと比較すると、明らかにフラットラインを主役とした例外的デザインと解ります。 純粋なプラチナの輝きを最大限に印象付けるデザインです。 プラチナが画期的な新素材として社交界を驚かせた、まさにその瞬間だからこそ創造された宝物と言えるでしょう。ゴールドの時代ではあり得ず、プラチナを見慣れてきても作られることはない、まさに奇跡の瞬間に生まれた宝物なのです。 |
2-3. 宙に浮いて見える視覚効果の作り
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肉眼で見ると、一番下のパーツは輪っかの中に天然真珠が浮いているように感じます。 そう見えるよう計算して、素材と構造が設計されています。 天然真珠を固定するゴールドのパーツに注目すると、白い天然真珠とプラチナに比べて色が暗いので、そもそも目立ちにくいです。 |
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天然真珠は裏側からゴールドの芯を刺し、真珠セメントで固定しています。それをプラチナにゴールドバックの円環の裏側に、ゴールド・ワイヤーで4箇所を蝋付しています。ワイヤーと言うと柔らかそうに聞こえますが、ワイヤー・ドローイングで丁寧に作られており、しかも曲率を付けて固定しているのでかなり強度があります。この取り付け方は、視覚的にも意味があります。 |
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『幸せのメロディ』ダイヤモンド ブローチ イギリス 1880年頃 SOLD |
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同様の技法が見られるのが、この宝物です。100年以上の使用に耐える最高級ブローチとして強度と美しさを両立するため、裏側を3箇所、ゴールドの金具で連結されています。 正面の白い金属はシルバーで、裏側の作りはゴールドです。裏側の画像で、3箇所のU字の連結金具がお分かりいただけるでしょうか。 |
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U字金具だと、直線の金具で連結するよりも奥まった位置になります。だから左のように、陰になって気配を消すことが可能です。まるで宙に浮いているようにも見えます。見た目通りの作りだと耐久性に不安を感じますが、ナイフエッジやU字金具を駆使した作りなので、安心してデザインを楽しむことができるのです。 |
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『山海の恵み』葡萄 ペンダント イギリス 1920年頃 SOLD |
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| U字金具を使う技法もハイジュエリーでは基礎かつ定番であり、これによって優れたデザインと耐久性を両立するのです。 |
| 【参考】作りを手抜きした成金用の量産ヴィンテージ・ジュエリー | |
【参考】ダイヤモンド ブローチ(1940年代) |
【参考】ダイヤモンド ブローチ(ブシュロン 1940年代) |
ジュエリーの主要購買層が美意識の高い王侯貴族から新興成金に移行すると、このような技法も失われていきます。金具だけ金属の色を変えたり、曲率を付けたシャープな金具を取り付けるなど、手間や技術がかかることは優先的に省かれるようになりました。コストがかかるからです。 成金(庶民)は美しさや芸術性の高さよりも、とにかく安いことを重視します。「できるだけお安く!!」、それでいて高そうに見えることを要求します。日本も戦後は洗脳によってとにかく安いことが正義する意識が植え付けられ、赤字にしかならないほどの安さを押し付けてくる人は一定数存在します。大企業と下請けの中小企業に限った話ではなく、個人レベルでも当たり前に存在します。それが無言の圧力ともなり、多くの優れたモノづくり技術と精神が失われていきました。現代の商売人と一般顧客の『安さ信仰』は、一種のカルトと言えるでしょう。誰かが犠牲になっても自分さえ得すれば良いという考え方ですが、他者を奴隷扱いし搾取している自覚がありません。時代が下るごとにモノの品質が悪くなるのは、当然の結果なのです。 |
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| 【参考】現代の成金用の量産ジュエリー | |
ダイヤモンド・ブローチ(カルティエ 現代)¥3,628,800-(税込)2019.2現在【引用】Cartier HP / PLUIE DE CARTIER BROOCH |
ダイヤモンド・ブローチ(ブシュロン 現代)¥9,306,000-(税込)2019.2現在【引用】BOUCHERON HP / WOLF BROOCH |
量産するための鋳造(キャスト)は、型離れの観点からシャープな作りが不可能です。しかも叩いて鍛えたりせず、ただ金属を溶かし固めただけなので強度もありません。補うために金属が多く必要です。それを「貴金属をタップリ使っているから高級です!」と誤魔化すのです。 金属のちょっとした量の違いより、高度な技術を持つ職人の人件費の方が遥かに高くつきます。製造コストの安さを感じ取れる人は、現代ジュエリーを見て安っぽく感じるのは当然なのです。高価だったとしても、その内訳の多くは広告宣伝費やチヤホヤ要員の人件費に過ぎず、モノそのものの価値は幻影です。 |
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一見するとシンプルで簡単そうに見えても、現代の量産高級ジュエリーではやらない技術と手間がかけられています。だからこそ、強い魅力を放つことができるのです。 |
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表面を磨き上げて強い面反射を放つプラチナに対し、ゴールドのU字金具は輝いて主張せぬよう作られています。奥まった位置にあるため、肉眼では円環の中心に天然真珠が浮いているようにも感じられます。 |
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実際に着用すると、肌馴染みが良いゴールドはほぼ見えなくなります。 本当に天然真珠が宙に浮いているようです!!♪ この視覚効果は独創性あふれる驚きのアイデアと、アンティークの高度な職人技あってこそ実現できるのです♪ |
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2-4. シンプル・ラグジュアリーな覆輪留め
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この宝物は、上2つのハーフパールのセッティングも特徴的です。 ミルが施されていないプラチナの覆輪留めのハーフパールは、見た記憶がないほど珍しいものです。 |
2-4-1. ハーフパールを使った一般的なプラチナ・ジュエリー
『楽園の乙女』ウィッチズハート ハーフパール ブローチ イギリス 1900年頃 SOLD |
天然真珠の人気の高まりと共に、19世紀後期はハーフパールのジュエリーが一世を風靡しました。 最高級の金属だったゴールドと相性抜群だったこともあり、多くは天然真珠とゴールドのみでデザインされています。 |
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20世紀初頭にプラチナの時代になっても、依然として天然真珠は至高の宝石でした。ただ、画期的な新素材として一躍憧れの的となったプラチナはダイヤモンドとの相性が抜群だったため、プラチナ・ジュエリーは天然真珠だけでデザインされることがほぼなく、ダイヤモンドと組み合わせてデザインされました。 |
| 天然真珠まるごと | ハーフパール |
『白い花のバスケット』フラワーバスケット型 ペンダント&ブローチ イギリス 1910年頃 SOLD |
『永遠の愛』ガーランドスタイル ペンダント&ブローチ フランス? 1910年頃 ¥1,220,000-(税込10%) |
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天然真珠のセッティングにご注目ください。丸ごと使用する場合も、ハーフパールとして使用する場合も爪や覆輪ではなく、一般的には金属の芯を刺して、真珠セメントで固定しています。 その理由はプラチナの融点です。プラチナが長い間ジュエリーに応用されなかった技術的な課題として、融かすことができる高温を実現できなかったことがあります。金の融点1,064℃、銀の融点962℃に対し、プラチナは1,769℃です。 ようやくプラチナを局所的加熱で蝋付できるようになっても、周囲への熱伝導は避けられません。鉱物系の宝石と異なり、真珠は「火を入れる」ことができません。ゴールドならば古の職人技で何とかできたようですが、さらに700℃以上もの高温を必要とするプラチナでは困難だったのでしょう。 |
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『Quadrangle』-四角形-天然真珠 ネックレス オーストリア? 1910年頃 SOLD |
『桜色の輝き』天然真珠ネックレス イギリス 1920年頃 SOLD |
プラチナ・ジュエリーの場合、天然真珠は爪や覆輪を使わずにセットします。 |
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2-4-2. ハーフパールのゴールドの覆輪留め
ジュビリーエナメル ブローチイギリス 1887年 SOLD |
1つ1つの宝石の形に合わせて精密にセットする覆輪留めは、高度な技術と手間を必要とするため、ハイジュエリーでも多くは見ない留め方です。 人工処理や合成石が当たり前となった現代の無価値同然の宝石と異なり、古の宝石は稀少価値が高く、なるべく無駄の出ないカットを施していました。 だから形状にも個性があり、現代のように決まった規格で均一な形にカットする宝石とはわけが違うのです。 |
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![]() ![]() 『黄金の雫』 スタイリッシュなアクアマリン・ピアス イギリス 1900年頃 SOLD |
『STYLISH PINK』ピンクトルマリン&天然真珠 ペンダント イギリス 1900年頃 SOLD |
私が好きなモダンスタイル系のデザインは、一見するとシンプルです。一生懸命に頑張った感がある分かりやすい細工物と異なり、高度な技術に基づく作りの良さが一般には分かりにくいようです。稚拙な技術と手抜きによる簡素な安物との違いは、仕上がりのシャープさのほか、このような高度な技術と手間をかけて覆輪留めに現れていたりします。ミイルグレインが施されていると、黄金の粒の繊細な輝きと、天然真珠の温かみある輝きとのコラボレーションが美しいですね。 |
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| ただでさえ少ないハーフパールの覆輪留めですが、ミルが施されていないものは特に珍しいです。デザインに強いこだわりがある、美意識の高い最高級品で見ることができます。 | |
『硬い愛の心』ハートシェイプ・ダイヤモンド ペンダント&ブローチ イギリス 1880〜1900年頃 SOLD |
この宝物ではフレームへの爪留めと、覆輪留めを使い分けています。 |
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ミルを打たない覆輪留めをやりたがらないのは理由があります。 少しでも粗があると、人間の目にはかなり目立ってしまうからです。第一級の腕を持ち、技術に確固たる自信があるからこそできる超難度の留め方です。 これはGenも、「シードパール・ジュエリーの最高峰」と認めるほどの宝物だからこその細工なのです。 |
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『海の煌めき』ネックレス イギリス 1890年頃 SOLD |
『ルンペルシュティルツヒェン』ゴールド・アート ブローチ イギリス 1870年頃 SOLD |
美意識の高い最高級品に限りますが、特に主役となる宝石に対してのセッティングへのこだわりは半端ないです。 『適当』という選び方はまずあり得ません。 2つの宝物のハーフパールはどちらもミルグレインを施した覆輪留めに見えますが、実は違います。 |
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| これが、通常の精緻なミルです。 | ||
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この宝物は『撚り線』が主役で、作者にしかできない撚り線細工が随所に施されています。サファイアとルビーのフレーム外周にも撚り線が装飾されていますし、ハーフパールも覆輪にミル打ちではなく、撚り線で装飾しています。 |
リボン・シェイプ 天然真珠ブローチ&ペンダントイギリス 1870年頃 SOLD |
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同じ作者の左の作品の方が、分かりやすいかもしれません。 |
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撚り線で装飾することで、波模様の流れが生まれます。静的なミルグレインに対し、動的な躍動感が生じます。ちょっとしたことですが、宝石のセッティング1つで大きく全体の印象は変わります。 |
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デザイン性の高い宝物であれば、かならず強いこだわりを以ってそのセッティングが選ばれたと言えるのです。 |
2-4-3. プラチナにゴールドバックの精緻な覆輪留め
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あり得ないほど拡大していますが、驚くほど精緻な作りです。プラチナでここまで綺麗にハーフパールをセッティングするなんて、作者にしかできない神技と言えます。だからこそ他では見たことがありません! |
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ハーフパールの覆輪は、正面に対して傾斜があります。だから少し斜めの位置で、角度が合った際にのみ白い輝きを放ちます。宙に浮いた光輪のような派手さはありませんが、名脇役としての、品の良い輝きが美しいです。決してただのオマケではなく、無くては成立しない存在なのです。良いものの細部までのこだわりぶりを見ていると、本当に嬉しくなります♪ |
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3. 上流階級にとっての光輪の特別な意味
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『オリオンのベルト』の3つ星は、三連星(みつらぼし)とも呼ばれます。 神々しく輝く、天然真珠の3連のしらほし・・。 各しらほしに明らかに意図してデザインされたプラチナの輪は後光のようにも、特に一番下は土星の輪のようにも見えます。 教養ある王侯貴族の特別オーダー品だからこそ、持ち主にとって確実に意味があるはずなのです。 |
『CHIC』コーネリアン ドロップ型イヤリング イギリス 19世紀後期 SOLD |
『Future Design』モダンスタイル 天然真珠&ダイヤモンド ピアス イギリス 1900〜1910年頃 SOLD |
これまでで最も類似のデザインと言えば、この2つです。光輪は耳に重なる部分にデザインされているため、奥に飛び出ぬよう、天然真珠は上下2箇所のナイフエッジで固定されています。 どちらも上部にデザインされているのも、今回の宝物との違いです。耳に固定された位置にあり、主役は雫型の鮮やかなコーネリアンであったり、最高に優美なモダンスタイル・フォルムの下部パーツです。光輪は強い魅力がありながらも、あくまでも名脇役なのです。 |
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明らかに光輪を主役としたこの宝物は、一体何の意味を秘めているでしょうか・・。 |
3-1. オリオンの三連星
ギザの3大ピラミッドと一致するとされるオリオンのベルトの配置"Orion belt vs giza pyramud complex" ©NASA, Rogelio Bernal Andreo, cmglee(23 August 2012)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
建造物の配置にも見られます。特に有名なのはエジプトの3大ピラミッドですが、これ以外にも世界各地に同様の遺跡があります。 現代でも、そのように設計された建物が密かにあるので、ご興味がある方は調べてみてください♪ |
| 王侯貴族のオリオンの三つ星のデザイン | |
毛利家12代当主・毛利元就(1497-1571年) |
『オリオンのベルト』サファイア&ダイヤモンド ペンダント イギリス 1890〜1900年頃 SOLD |
日本でもオリオンの三連星は特別な意味があり、家紋にもデザインされています。毛利氏や渡辺氏が有名です。 アンティークジュエリーでも、宝石と彫金でオリオンのベルトを表現した宝物がありました。秘密を知る特別な人たちだけが分かり合える、深い意味が込められているのです。宝物の極めて贅沢な作りが、秘密の重要性も示しています。 |
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3連のしらほしが輝くと言う意味で、オリオンのベルトの可能性もあります。 一際光り輝く星が、持ち主にとって特に意味ある存在だったかもしれません。 |
3-2. 輝く光輪
3-2-1. 土星の環
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太陽系 "Solar-Syste" ©Beinahegut(2018年5月29日)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
形で見るならば、土星を表現したようにも見えます。ガリレオによる望遠鏡の革新によって、17世紀に土星の環やカッシーニの隙間まで発見されています。 |
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3-2-2. ハロー現象
太陽や月に薄い雲(水蒸気)が懸かった際に発生するハロー現象でも、神々しい光の輪を見ることができます。 |
| 日暈(ひがさ/にちうん) | 月暈(つきがさ/げつうん) | ||
ブラジリア 2011.9.30
alo - STJ" ©STJNoticias / Saulo Cruz(30 September 2011)/Adapted/CC BY 2.0 |
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2009.11.1 "Halo umber Kuu" ©Reio Rada(1 Nobvember 22009)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
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太陽や月のハローは比較的、身近ですね。虹のようにも見えることから、『白虹(はっこう/しろにじ)とも呼ばれます。天空に浮かび上がるハロー現象は、まるで天空神の大いなる"目"のようにすら見えますね。「お天道様が見ている」という表現も、このような空の現象からかもしれません。 |
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3-2-3. 太陽のコロナ
太陽 |
太陽活動は11年周期とされ、2024年の今は非常に活発な時期を迎えています。北海道など日本でも低緯度オーロラが観測されており、2025年が活動のピークとされます。 太陽フレアが初観測されたのは1859年で、現在記録に残る中では最大の太陽フレアが観測された年です。 このフレアでは大規模なコロナ放出があり、世界中で磁気嵐が観測されています。電源はOFFなのに、送受信できた電報システムもありました。 |
ハワイやカリブ海沿岸でもオーロラが観測され、夜中でもその明るさで新聞が読めたほどだったそうです。2025年はそれを超える太陽フレアの可能性があるとされますが、本当に発生したら、色々な意味で凄いことになりますね。 |
『太陽の沈まぬ帝国』バンデッドアゲート ブローチ イギリス 1859年頃 SOLD |
『古代の太陽』FASORI作 エトラスカン・スタイル ブローチ イタリア 1859年頃 SOLD |
全世界規模の天文イベントは、全人類の意識に、人生を変えるような大きな影響を与えたに違いありません。当然ながら、関連する宝物も制作されています。コロナやプロミネンスの表現が素晴らしく、ただ丸くて明るいだけの表現とは全く異なりますね。 |
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| 皆既日食 | 金環日食 | ||
トルコ 2006.3.29"EclipseMarch06" ©Aliparsat(29 March 2006)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
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茨城県鹿嶋市 2012.5.21"Solar-Syste" ©Beinahegut(2018年5月29日)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
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そんな太陽ですが、皆既日食の際は肉眼で光り輝くコロナも見ることができます。地球は楕円軌道なので、太陽と月との位置関係によって金環日食となる場合もあります。宝物のプラチナの輪は、日食に似た輝きを放つのも興味深いです。 |
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3-2-4. 権威の象徴『冠(クラウン)』としてのコロナ
スペインのバスク人天文学者ホセ・ホアキン・デ・フェレール(1763-1818年) |
NY州キンダーフックでの日食のスケッチ(ホセ・ホアキン・デ・フェレール 1806年7月16日) |
『コロナ』という言葉を作り出したのはバスク人の天文学者ホセ・ホアキン・デ・フェレールです。スペインにいましたが、初とされる日食観測ツアーに参加し、1803年のキューバと1806年のアメリカでの2度の観測に成功しました。1806年のNY州キンダーフックでのスケッチで、日食中に観測された明るいリングを『CORONA(コロナ)』と名付けたのが初出です。放射光が神々しい雰囲気のスケッチですね。 |
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| 神々しい光を放つ太陽神アポロン | |
古代ローマのモザイク『太陽神アポロン』(チュニジアのエル・ジェム 2世紀後半)"Apollo1" ©Mathiasrex(18 March 2006)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
『黄金馬車を駆る太陽神アポロン』シェルカメオ ブローチ&ペンダント イタリア 19世紀後期 ¥1,330,000-(税込10%) |
CORONAはラテン語で『冠』を意味し、古代ギリシャ語でガーランドやリースを意味する『κορ?νη』に由来します。 古代ローマの太陽神アポロンと言えば、4頭馬車チャリオットで毎朝天空を駆け上がり、夜明けを知らせ地上を照らす存在です。古代のローマン・モザイクでも、光輪がデザインされた表現が存在します。 ローマ帝国はヨーロッパの王侯貴族や知的階層にとって特別な存在であり、ラテン語は必須かつ憧れと言える教養だったので、ラテン語に由来する名付けは必然とも言えるでしょう。 |
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| 神の代行者としての権威の象徴ローレル・リース | |
ローマ帝国再興を野望したフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(1769-1821年) |
![]() 『清廉の心を表すゴールド・ティアラ』英国王室御用達 Goldsmith & Silversmiths社 イギリス 1910年頃 SOLD |
| 古代ギリシャやローマのリースと言えば、月桂樹の冠が有名です。現代でもスポーツの勝者に月桂冠が贈られたりしますね。 | |
トスカーナに起源を持つ血統貴族、恐らくは古代ローマ帝国を建国したエトルリア王家に起源を持つナポレオン・ボナパルトは、フランス革命戦争からの一連の流れでローマ帝国の再興を目指しました。絵画に描かれた黄金の月桂冠も、その野望を如実に表現しています。教養があると即座に読み解けますが、そうでないとただの装飾と認識して終わりというのが、教養を必要とする社交界の面白さの1つですね。 |
| 神の代行者としての権威の象徴リース(トルス) | |
インド・グリーク朝の王メナンドロス2世のコイン(紀元前90-紀元前85年)
"Menander II with nimbate Nike" ©Classical Numismatic Group, Inc. http://www.cngcoins.com/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
トルス(リース)"Tortillon" ©Tomaz Steifer, Gdansk(2006)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
左はインド・グリーク朝のコインです。インド・グリーク朝は紀元前2世紀頃から紀元後1世紀頃、主にインド亜大陸北西部に勢力を持ったギリシャ人の諸王国の総称です。文化や美術品はギリシャの影響が色濃く残っています。王メナンドロス2世のコインの裏側には、勝利の女神ニケがデザインされています。リース(トルス)を授けるニケ自身も、光輪を持っています。 光輪は神聖な存在や、神の代行者を示します。リースは「神から授けられた権威」の象徴であり、神に選ばれし正当な者という地位を示します。これはねじり鉢巻のようにも意匠化されています。世界の文化は想像以上につながっており、神を祀るお祭りなどで使用する日本のねじり鉢巻や相撲の土俵、注連飾りなども元は同じです。 |
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ガスリー氏族のクレスト"Clan member crest badge - Clan Guthrie" ©Celtus @ ` english wikipedia(October 4 2008)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
【引用】フェアバーンの紋章本(1905年) |
『英国貴族の紋章』ジョージアン シールフォブ イギリス 1820年頃 SOLD |
リース(トルス)は貴族の紋章にもデザインされるようになりました。ハイクラスの紋章のフォブシールでも見ることができます。 |
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『ランパント』ジョージアン インタリオ リング イギリス 19世紀初期 SOLD |
『アンズリー家の伯爵紋章』ジョージアン レッドジャスパー フォブシール イギリス 19世紀初期 ¥1,230,000-(税込10%) |
左の『ランパント』はリング用の狭い面積に収めるために、立ちあがる獅子(ランパント)とリースのみデザインしています。右の『アンズリー家の伯爵紋章』は伯爵家を示すコロネットと、家柄を示す黒人のプリンスがデザインされています。プリンス自身も頭にリースを巻いており、高貴な身分と解ります。 これらは正式な紋章を簡略化しています。つまり省くことができない、特に重要な意匠で構成されています。現代の一般人が想像する以上に、古の王侯貴族にとってリースは重要な意味があるのです。 |
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3-2-4. 特別な人にだけ理解できる至高の宝物
太陽神アポロンを演じるルイ14世(1638-1715年)1653年、15歳頃 |
王侯貴族に知的教養が必須とされたのは理由があります。特別な身分の者だけが解る秘密のメッセージを読み解いたり、送ったりするためです。 それら要素を詰め込むのが王侯貴族の肖像画です。 例えば『太陽王』とされたフランス王ルイ14世は、アポロンに扮しバレエを演じる様子が残されています。 衣装は遠目にも分かりやすい必要があるため、頭部の光輪も派手ですね。 |
| 最高神ゼウスに扮したフランス王ルイ14世 | |
古代ギリシャの最高神ゼウス(ユピテル)として描かれたフランス王ルイ14世(1638-1715年)1655年、17歳頃 |
【参考】テトラドラクマ貨のゼウス(古代ギリシャ 紀元前297-紀元前272年) |
| これは最高神ゼウスに扮した姿で、聖樹オークのリースを着用しています。 | |
アウクスブルク同盟戦争の頃のルイ14世(1638-1715年)1692年、54歳頃 |
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これは天使が月桂冠を授ける様子を描いています。 ヨーロッパでは、神の威光を元に王権の正当性を説く王権神授説が発達しました。 絶対王政期の絶対君主の典型とされるのがブルボン朝で、まさにそれを示しています。 |
荘厳の聖母(ジョット・ディ・ボンドーネ 1306-1310年) |
表現の仕方は多岐に渡りますが、古今東西、光輪は神聖かつ高貴な存在の象徴です。 |
| メソポタミア | 古代エジプト | ギリシャ仏教(ガンダーラ)美術 |
イナンナ/イシュタル/エレシュキガル(バビロン第1王朝 紀元前19-紀元前18世紀) |
太陽円盤を頭上に掲げたラー(ネフェルタリの墓 紀元前1298-紀元前1235年頃) |
光輪のある仏陀立像(ガンダーラ 1-2世紀) |
メソポタミアで最高神とされたイナンナは藁束が象徴の1つとされます(※最高神は変遷あり)。天使の翼を持ち、稲藁の輪を掲げています。エンリルの前、統一国家形成期には王権を授与する神とされていました。 古代エジプトの太陽神ラーは、輪っか状の蛇で表現された赤い太陽円盤を頭上に掲げています。 仏陀もガンダーラ美術の像では光輪があり、アレキサンダー大王の東方遠征でもたらされたギリシャの影響(ヘレニズム)と解ります。 |
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孝明天皇(在位:1846-1867年)の冕冠"Benkan emperor komei" ©Barakishidan/Adapted/CC BY 3.0 |
これは明治天皇の父、孝明天皇の冕冠(べんかん)です。 頭上に掲げているのは輝く太陽です。 太陽の異名は『日輪』です。世界はつながっており、日本も例外ではありません。この輪にも、特別な人だけが分かる重要な意味があるのです。 |
| 神から授かった君主権を示すレガリア | ||
ポーランド王、ザクセン選帝候アウグスト3世のレガリア |
オーストリアのクラウン・ジュエルの宝珠"Wien - Schatzkammer - Orb" ©Andrew Bossi(30 June 2007)/Adapted/CC BY-SA 2.5 |
デンマーク王室のレガリアの宝珠"Denmark gloubus cruciger" ©Ikiwaner(14. Juli 2005)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
ヨーロッパでは、神から授かった君主権を示すレガリアの1つとして宝珠がある場合が多いです。王冠、王笏は日本の一般人にも何となく凄そうなことが伝わってきますが、宝珠(オーブ)は何のために存在するのか分かりにくいかもしれません。 世界そのものを表す球体に、キリストによる支配を示す十字架がデザインされています。さらに詳細に見ると、赤道上には輪が共通してデザインされています。 |
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| 神から授かった王権の象徴オーブを持つ立像 | |
| キリスト | 君主 |
宝珠を持つキリスト(救世主)"Ellwangen St Vitus 3851" ©AlexanderRahm(30 March 2008)/Adapted/CC BY 3.0 |
戴冠時のエリザベス2世(1926年-)27歳 " H.M. Queen Elizabeth II wearing her Coronation robes and regalia - S.M. la Reine Elizabeth II portant sa robe de couronnement et les insignes royaux " ©BiblioArchives / LibraryArchives from Canada(14 May 2012, 09:32)/Adapted/CC BY 2.0 |
| 王冠や王笏以上に宝珠は重要なレガリアと言っても過言ではなく、必ずではないものの輪がデザインされています。 | |
ユピテル像(古代ローマ 100年頃)※ブロンズ部分は現代"Giove, I sec dc, con parti simulanti il bronzo moderne 02" ©I, Sailko(31 August 2011, 11:21:25)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
アメリカ宇宙軍の旗(創設 2019年12月20日) |
このような知識は王族による支配がない所でも、限られた上流階級の中でのみ、万人には知られざる必須教養として現代まで受け継がれています。 左のブロンズ部分は現代の補修です。地球に立つ勝利の女神ニケが、リースを掲げています。 |
| メソポタミア | 古代エジプト | 藁のリース |
藁束を掲げるイナンナ(バビロン第1王朝 紀元前19-紀元前18世紀) |
蛇の太陽円盤を掲げたラー(ネフェルタリの墓 紀元前1298-紀元前1235年頃) |
スカンジナビア・スタイル |
日本の注連飾り |
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これらは全て同じものを象徴しています。今回は詳細を省きますが、稲の輪を象徴とするイナンナは稲荷と同一とされ、お正月の注連飾りでも稲藁の輪は馴染み深いです。日本人がクリスマス・リースなど海外の文化に抵抗がないのも、感覚的に同じものと分かるからかもしれませんね。 これは世界を囲む世界蛇ウロボロスやリヴァイアサン(レヴィアタン)、ヨルムンガンドでもあります。注連縄は DNA螺旋とも蛇だとも言われますが、蛇の交尾の様子は実際にそっくりだったりします(苦手な方もいらっしゃると思うのでリンクにしました)。 |
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ウロボロスを配したファラオ(エジプト第18王朝 紀元前14世紀)" Ägyptisches Museum Kairo 2016-03-29 Tutanchamun Grabschatz 09 " ©Djehouty(29 March 2016)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
アメリカ宇宙軍の旗(創設 2019年12月20日) |
【北欧神話】ラグナロクに於ける世界蛇ヨルムンガンド(1898年)" Ragnarok - Louis Moe (17006) - cropped (cropped) " ©AU Library, Campus Emdrup(1898)/Adapted/CC BY-SA 4.0 |
世界(地球/物質世界)を囲む、環状の世界蛇。 秘密を知らない一般人は、たとえ共通点に気づいても偶然、或いはこじつけと思うようになっています。 |
『ウロボロス』ジョージアン ウロボロス・リング イギリス 19世紀初期 SOLD |
The Lord of the Rings. 日本語では『指輪物語』と訳されていて分かりにくいですが、リングの主、リングを所有する支配者(王、神)という意味です。 実は指輪に限りません。 輪、環、円を意味し、明治政府が日本の新しい通貨単位を『円』にした理由の1つもここに隠されています。 |
土星の輪の仮説モデル(クリスティアン・ホイヘンス 1659年) |
土星の輪(2013.7.19) |
天文学でも土星などの輪もリングと呼びます。 地球でも土星でも、天体を囲む天文単位のリングには神の威光を感じることもできるでしょう。 |
ヴィヴィアン・ウェストウッドの看板(ウェールズ 2014年)"Vivienne Westwood" ©Seth Whales(4 July 2014)/Adapted/CC BY-SA 3.0 |
意識できるようになると、また違った世界が見えてくるかもしれません。 それは限られた社交界の人々が見ていた景色でもあります。 |
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一般人にはシンプルな優れたデザインに見えるだけですが、実は上流階級の人々にとって物凄く大事な意味が込められた特別な宝物です。 そして、それを確固たるものとして裏付けるのが、作りや素材の良さなのです。 |
4. 特殊な時代ならではの特徴が詰まった宝物
4-1. プラチナ最初期の奇跡のタイミング
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プラチナの使い方の特徴から、この宝物は本当に出始めた最初のタイミングで制作されたことが解ります。 さらに宝石としては、天然真珠が唯一の至高の宝石として、ダイヤモンド以上に高く評価されたタイミングに当たります。 もう少し後だったら、プラチナ・ジュエリーにはダイヤモンドという意識が固着して、このデザインは発想できなかったかもしれません。 |
オニキス&ダイヤモンド ピアスウルグアイ? 1900年頃 SOLD |
エドワーディアン ピアスヨーロッパ 1910年頃 SOLD |
アールデコ ピアスイギリス 1930年代 SOLD |
同じくらいの時代に、類似のデザインはいくつか存在します。ただ、どれもセンターの宝石はダイヤモンドで、透かしデザインの外周の輪も近い位置にあります。 明らかに惑星の輪のようなものを意図している今回の宝物と比較すると、いずれも"優れたデザイン"を追求した意図が強く感じられます。通常の上流階級のためのハイジュエリーらしい、優れた宝物です。 |
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プラチナにはダイヤモンドが相性が良いにも関わらず、敢えて球体で白く輝く天然真珠を選び、距離をとって輪をデザインすると言うのは、この組み合わせと配置自体に重要な意味があることに他なりません。 |
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天然真珠に関して、もっと大きな珠を手に入れる財力があったと想像しますが、その分だけプラチナの輪も巨大化します。 それではヘンテコですし、悪目立ちします。 分かる人にだけ分かるさりげないサインを出すのが高貴な証なので、分かりにくいほど価値があります。誰に分からないほど難解なのも、適切ではありません。 養殖真珠によって、真珠自体の価値が暴落した後の時代でもダメでした。 |
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4-2. 絶対に落とさないためのネジ式金具
アンティークのピアス金具は様々な種類がありますが、HERITAGEとしては初めてご紹介するネジ式金具です。キャッチをクルクルと回して、耳たぶのちょうど良い厚さで固定できます。螺旋の間隔が狭く、距離の微調整ができる代わりに、お耳が薄い方は何度も回転させる必要があります。極度に不器用な方、せっかち過ぎる方には向かないかもしれません。 |
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螺旋の間隔を広くすると回転数は減らせますが、金具が勝手に回転して緩みやすくなり、落とすリスクが出てきます。この金具は、人為的に回さないと外れないように設計されています。絶対に落としたくない人のための金具であり、この宝物にそれほどの価値がある証です。 長さがあり、チェーンによってかなり揺れるデザインでもあるため、ご着用は少し手間でも、これだけ安心感がある方が心から楽しめると思います。別の金具にお取り替えもできますが、この特殊なオリジナル金具は高い価値の証明でもあるため、このままでの使用をお勧め致します。 |
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いくつかシリコンキャッチをお付け致します。 お急ぎの際、お耳が薄い方はシリコンキャッチをかませて距離を縮める方法も可能です。あくまでも応急です。安心のために、正しい着用法をお勧め致します。 キャッチは耐久性の高い9ct製です。 |
裏側
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裏側もスッキリとした綺麗な作りです。デザインは未来的ですが、アールデコより前、プラチナにゴールドバックのエドワーディアンのアンティークらしい作りなのも良いですね♪ |
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着用イメージ
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ゴールドは肌馴染みが良いため、着用すると天然真珠をセットしたゴールドの金具はほぼ見えなくなり、まるで天然真珠が宙に浮いているように見えます。清楚で控えめな雰囲気のデザインですが、プラチナの光輪は輝くとインパクトがあります。実際は絶えず揺れ動いて輝きを放つので、大きくはないのに存在感は絶大です。ダイヤモンドとは異なる、プラチナならではの輝きに魅了される唯一無二の宝物です♪♪ |
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ジョージアン ローズカット・ダイヤモンド ピアス
ベルエポック ローズカット・ダイヤモンド ピアス
『Bright things』
天然シードパール ピアス
『Sunflower』
フリンジ ピアス
今回の宝物
シードパール ネックレス&ブローチ
シードパール フラワー ブローチ
『スズラン』
『マーガレット』
『Future Design』
フラワー・ピアス
バロック天然真珠ピアス
天然真珠ピアス
天然真珠ピアス
イヤリング
天然真珠 デミ・パリュール(ブローチ&ピアス)
『森の賢者』
『エレガント・リボン』
『4 FACES』
『ゴールド・オーガンジー』
『芸術には自由を』
『愛の白鳥』
『Transition』



『永遠の愛』
『天空のオルゴールメリー』
『Quadrangle』-四角形-
『ストライプ』
『ALL WHITE』
【参考】イリュージョン・セッティング(20世紀前半)
イリュージョン・セッティングのダイヤモンド・ジュエリー(現代)
イリュージョン・セッティングのダイヤモンド・ジュエリー(現代)
【アングロジャパニーズ・スタイル】ウィリアム・ワットのためのサイドボード(エドワード・ウィリアム・ゴドウィン 1876-1877年)
『L'eau』

『ダイヤモンド・アート』
『PURE LOVE』
『Lily of the valley』
『シンプルイズベスト』
『キラキラ・クロス』
『虹色のアート』
【国宝】太刀 銘備前国包平作(名物大包平)(平安時代 12世紀)
『黄金に輝くアンフォラ』
『Samurai Art』
ガーランドスタイル ネックレス
エドワーディアン アクアマリン ネックレス
『STYLISH PINK』


『幸せのメロディ』


『山海の恵み』
【参考】ダイヤモンド ブローチ(1940年代)
【参考】ダイヤモンド ブローチ(ブシュロン 1940年代)
ダイヤモンド・ブローチ(カルティエ 現代)¥3,628,800-(税込)2019.2現在
ダイヤモンド・ブローチ(ブシュロン 現代)¥9,306,000-(税込)2019.2現在




『楽園の乙女』
『白い花のバスケット』
『永遠の愛』
『Quadrangle』-四角形-
『桜色の輝き』
ジュビリーエナメル ブローチ


『STYLISH PINK』
『硬い愛の心』

『海の煌めき』
『ルンペルシュティルツヒェン』


リボン・シェイプ 天然真珠ブローチ&ペンダント

『CHIC』
ギザの3大ピラミッドと一致するとされるオリオンのベルトの配置
毛利家12代当主・毛利元就(1497-1571年)
『オリオンのベルト』
太陽系
ブラジリア 2011.9.30
2009.11.1
『太陽の沈まぬ帝国』
『古代の太陽』
トルコ 2006.3.29
茨城県鹿嶋市 2012.5.21
スペインのバスク人天文学者ホセ・ホアキン・デ・フェレール(1763-1818年)
NY州キンダーフックでの日食のスケッチ(ホセ・ホアキン・デ・フェレール 1806年7月16日)
古代ローマのモザイク『太陽神アポロン』(チュニジアのエル・ジェム 2世紀後半)
『黄金馬車を駆る太陽神アポロン』
ローマ帝国再興を野望したフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(1769-1821年)
『清廉の心を表すゴールド・ティアラ』
インド・グリーク朝の王メナンドロス2世のコイン(紀元前90-紀元前85年)
トルス(リース)
ガスリー氏族のクレスト
【引用】フェアバーンの紋章本(1905年)
『英国貴族の紋章』
『ランパント』
『アンズリー家の伯爵紋章』
太陽神アポロンを演じるルイ14世(1638-1715年)1653年、15歳頃
古代ギリシャの最高神ゼウス(ユピテル)として描かれたフランス王ルイ14世(1638-1715年)1655年、17歳頃
【参考】テトラドラクマ貨のゼウス(古代ギリシャ 紀元前297-紀元前272年)
アウクスブルク同盟戦争の頃のルイ14世(1638-1715年)1692年、54歳頃
荘厳の聖母(ジョット・ディ・ボンドーネ 1306-1310年)
イナンナ/イシュタル/エレシュキガル(バビロン第1王朝 紀元前19-紀元前18世紀)
太陽円盤を頭上に掲げたラー(ネフェルタリの墓 紀元前1298-紀元前1235年頃)
光輪のある仏陀立像(ガンダーラ 1-2世紀)
孝明天皇(在位:1846-1867年)の冕冠
ポーランド王、ザクセン選帝候アウグスト3世のレガリア
オーストリアのクラウン・ジュエルの宝珠
デンマーク王室のレガリアの宝珠
宝珠を持つキリスト(救世主)
戴冠時のエリザベス2世(1926年-)27歳
ユピテル像(古代ローマ 100年頃)※ブロンズ部分は現代
アメリカ宇宙軍の旗(創設 2019年12月20日)
スカンジナビア・スタイル
日本の注連飾り
ウロボロスを配したファラオ(エジプト第18王朝 紀元前14世紀)
【北欧神話】ラグナロクに於ける世界蛇ヨルムンガンド(1898年)
『ウロボロス』
土星の輪の仮説モデル(クリスティアン・ホイヘンス 1659年)
土星の輪(2013.7.19)
ヴィヴィアン・ウェストウッドの看板(ウェールズ 2014年)
オニキス&ダイヤモンド ピアス
エドワーディアン ピアス
アールデコ ピアス
